信ずる事と実現したい理想と

或る方と対話をした。

その方には信仰するものがあり、其れを弘め行く事が正義で、人人全員がその教えに従う事で、理想とする世界が実現する、というお考えを抱いておられる様であった。

しかし、世界にはいろんな宗教を信奉する人がいて、それらの人皆を、その方の信ずるものに転向というか回心させるにはどの位の年月がかかるのだろう。

だが、その方は
「正しい事をしているのだから、何年かかろうとやり遂げる」
という強い正義感を抱いておられた。

筆者は「正義より大義に生きませんか？」と提案をした。

世界中の人人をご自身の信ずるものに向けさせるのではなくて、人人をそのまま受容し、小異を捨て大同し、楽しく幸せな世界を活きる、この事を「大義」と定義している。

まあ、どの様な生き方をされておられようが、おらあはその方が幸せであるなら、どう生きられても構わない、と心から感じている。

自身の信ずる物事を弘めたい、という尊い意識の中には、実は自身の信ずる物事が正しくて真理である、という心の安心を得たいという欲求が隠れてはいないだろうか━━