アメリカ大統領選挙と株価推移分析
2020年11月3日
といえば、注目のアメリカ大統領選挙日です!
今年は共和党のトランプ氏再選か?バイデン大統領誕生か?
そして、今後の株価の動向はどうなっていくのか?
過去の傾向から紐解いていきたいと思います。
1. 過去5回の大統領選挙前後の株価
大統領選挙を3ヵ月前に控え、経済ニュースなどでは頻繁に「トランプ氏が再選したら株価は?バイデン氏が大統領になったら株価はどうなる?」という話題を耳にします。特にコロナ喎にある今、企業業績により銘柄によって株価の明暗が鮮明になっています。ただ、新型コロナウイルス感染症がまだまだ拡大している状況下において NASDAQの史上最高値更新やS&P500も2020年2月の高値まで接近するなど ”株価が上がりすぎでは?” ”大統領選挙を機に株価が一服するのでは?” と考えている方も少なくないと思います。
では、始めに2000年以降の最近の大統領選挙前後で株価はどうだったのかを見ていきたいと思います。
過去の株価チャートを基に株価を見ていきましょう(今回はリーマンショックのあった2008年は分析からは外します)!(※画像が不鮮明で申し訳ございません・・・)
上記の表から
1. 8月は株価が上昇傾向である。但し9月、10月は弱含み
2. 大統領選挙月である11月はまちまちだが変動が大きい
3. 大統領選挙後(12月)と就任月(1月)は株価が堅調
である傾向が見て取れます。また、8月終値~就任月である1月の終値を比べると上昇傾向にあることも分かります。
株価推移とは異なりますが、近年はブッシュ氏、オバマ氏と現職の大統領が再選を果たしていますね。
では、もっと過去をさかのぼってみましょう!
2. アメリカ大統領選挙年のダウの株価推移
上記のグラフは、1928年~前回の大統領選挙の年にNYダウはどう推移したのかを示したものです。
高安まちまちとは言えますが、リーマンショックの影響で急落している2008年を除いて考えると、11月は概ね上昇傾向にあることが見て取れます。10月については株価の上下はありながらも変動率としては大きくなくおおよそ±3%以内に収まっている様子です。
また、グラフの白枠の有無は "新大統領誕生時" と "現職再選" の違いを示しています。10月に関しては選挙結果が出ていないため参考にはなりませんが、「上昇か下落か?」という問いに対しては断言できる結論は付けられず、こちらもその時々の時代背景などによって推移するものと思われます。
3. 日経平均株価との関連性と季節性
ここまで、NYダウのみの変化について追ってきました。では、「日経平均はどう動くのか?」「NYダウと相関性があるのか?」も見ていきましょう!
まず、アメリカ大統領選挙の年のNYダウと日経平均株価の相関性を見てみましょう。
これは、大統領選挙年の10月と11月の株価変動率を、チャートを拾えた1928年~見たものです。
まず、点線で描かれた10月を見てみます。
こちらもリーマンショックのあった2008年はもちろん両者とも大きく下落したことは周知の事実ですので、それを除いて分析します。
まず目に付くところは変動率が
日経平均株価>NYダウ
という点でしょう。
両者の相関性で言えば、概ね似たような傾向にあるものの一概に連動していると結論づけるのは難しそうです。
では、大統領選挙月である11月はどうでしょう?
こちらは
概ね相関性がある
と言えるのはないでしょうか?
1992年や1996年については逆相関に見えますが、このころの日本はバブルが弾けて相場が下落真っ最中で地合が悪かったためあまり参考にならないと思います。
ただ、注意しておく点としては、NYダウはプラス圏(上昇傾向)にあっても日経平均株価は決してそうではないということ。
統計的に、日経平均株価の上昇は1988年の大統領選挙から前回2016年の大統領選挙までの計8回では、1988年(月間+1.02%)、2012年(月間+5.76%)、2016年(月間+5.34%)の3回のみにとどまっています。
もう少し細部を見ていきましょう。
上記は先ほどのグラフを平均化し、もう少し見やすくしたものです。
大統領選挙年の株価推移は、1928年~の全てを平均すると若干の上昇になります。ですので、確率的には10月始値から上昇する傾向にあります。日経平均株価は10月の上昇が11回、下落が6回と上昇する可能性が高い傾向にあります。ただし、2000年以降の近年は上昇率平均はプラスであるものの、10月と11月は決して相場的には強含むとは言えないでしょう。
また、表の下段にある「新大統領誕生か?現職再選か?」「民主党か?共和党か?」に関しては
1. NYダウは新大統領が誕生する方がと2.4%程上昇と強い
2. 民主党大統領の場合は株価下落、共和党大統領なら上昇
という傾向にあることが分かります。
もちろん、時代背景や政策などその時々によってことなるためあくまでも ”統計上” でのことですが、
「共和党のトランプ氏が再選か?」「民主党のバイデン氏が新大統領になるか?」についての結論は、NYダウも日経平均株価も ”トランプ氏再選” の方が株価の上昇シナリオになりやすい!
ようです。
ちなみに、
大統領選挙を除いた季節性については、上記のように
9月のNYダウを除けば総じて上昇傾向
です。日経平均株価も10月は小幅高ですが、9月と11月は上昇傾向にあります。
4. まとめ
現在のアメリカ大統領選挙に向けては、バイデン氏が優位に立っているという報道があります。トランプ氏は過激な発言や強気の姿勢から、前大統領のオバマ氏との方向性のギャップもあってその時々で対応が批判されるケースも少なくありません。しかし、現在のコロナ喎での対応は大崩れせず速やかにコロナ前の株価に戻ったように、株価が反映しているのかもしれません。2017年1月に就任し「トランプ相場」といわれるNYダウは、選挙を制した2016年11月~現在に至るまで約10000ポイント上昇しています。
データが全てを語るとは言えないと思いますが、1つの分析として参考にしていただければ幸いです。また、過去データと比較してどうなるのかの比較対象にするのも面白いかもしれません。
まだまだ、新型コロナウイルス感染症は世界中で猛威を振るっています。これ以上の犠牲者を出さずに早期に食い止めることがまずは大切だと思いながら、現在高止まり傾向にある株価のゆくえも見守っていきたいと思います。
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