仔羊とCafé
初秋、道北の離島、焼尻。
横なぐりの雨と風が荒れ狂う。
羊をさがしまわるがその姿ははるか彼方だ。
雨がパンツにしみこんできた。
駐在のおまわりさんに教えられてとびこんだCafé。
別世界がひろがっていた。
天井までぎっしり本がつまっている。
ムンクとかピカソの画集、文学、建築、デザインの本がずらり。
モーツァルトがひびき、おまけにスパイシーな香りがただよう。
鼻とお腹をしげきしたカレーは美味かった。
女主人が淹れてくれたコーヒーも抜群。
ねばること2時間半、すっかりパンツもかわき身も心もあたたまった。
牧羊地に再度出撃。羊がそこここに群れている。
キツネやヘビの外敵もなくストレスがない。
しかも潮風に洗われた牧草は塩分とミネラルが豊か。
焼尻の子羊は東京、札幌の三つ星でひっぱりだこ。
やさしい眼差しの子羊と心地よいCaféにつきる離島であった。
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