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三浦春馬さんの訃報を聴いて急に思い出した話し

あれはまだ私が3歳の頃。

私の実家の隣りには職人さんとその家族が住んでいたのだが、その家は住居と工場を兼ねていて、私の実家と職人さんの住居の間に工場があった。

職人のおじさんには私と同い年くらいの子供がいて、その子と一緒に何回かその工場で遊ばせてもらった記憶がある。

父とも仲が良くよく話しをしていたし、おじさんは私にもとても優しかったように思う。

ある日、私は父と母と一緒の部屋で寝ていたのだが、夜中3時くらいに急に私が起き出し、


「鬼が来た! 鬼が来た!」


と騒ぎ出したらしい。(まったく覚えていない)

最初は寝ぼけてるだけかと思った両親だったが、あまりにしつこいのでかなり手を焼いたらしい。

私を寝かしつけようとしてた父は、ふと隣りの工場に電気がついているのに気付いた。

こんな時間に電気がついてるのはおかしいと思い胸騒ぎを感じた父は、すぐに隣りの工場に駆けつけた。



工場では隣りのおじさんが首を吊っていた。


すぐに救急車を呼んだ父だったが、時すでに遅く助からなかった。

後で聞いた話しによると借金を苦にした自殺とのことだった。

それ以来お隣りさんとは疎遠になってしまい、それから間もなくどこかへ引っ越していった。

それでも何年かは工場はそのままになっていて、その前を通る度にそのシャッターの奥におじさんが普通にいるような気がしてならなかった。

もう顔も思い出せないけど、身近に死というものを知る、当時の私にはかなり衝撃的な体験だった。


三浦春馬さんのニュースを聴き、今までまったく忘れていたこの件を急に思い出した。

妻にも話したことがない、というより忘れていたから話す機会も無かった。

これまでも自殺のニュースなんて山ほど見てきたのに、なぜ今回は思い出したんだろう?

きっと手放す機会だったのかも知れない。


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