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【野性を研ぎ澄ますデザイン思考】アメリカで日本人が健康で安全に生活するには?(健康編)

前回の交通に続いて、今回は健康について。たまに聞かれるのが「アメリカって医療費がとんでもなく高いんだよね?」という話ですが、この質問に私は「そうらしいですよ」という他人事のような回答しか出来ません。何故ならこの8年間、米国で病気やケガで医療機関の世話になったことが無いからです。そこで今日はベイエリアの生活を背景に、我が家がどうやって健康を維持しているかについてお話ししてみたいと思います。

情報力という名の”嗅覚”

私の実感として米国では殆ど全ての分野に於いて日本よりも多くの選択肢が用意されています。家やクルマ、家具なども横方向の種類のバリエーションに加え、見たことも無いようなラグジュアリーから高級/中級品、ビンテージモノや安価な中古品、中にはフリーのモノまで縦方向にも広範な選択肢から選べます。例えば若者のファッションでも、メインアイテムを人気のBrandy & Melvilleで買いながら小物はThrift Shop(リサイクルストア)で探すような賢い買い物をするのが最近のティーンエイジャーだったりします。選択肢が増えれば選び方が重要になる。先の医療費の話も同様です。

医療保険にも数多くのプランが存在します。出来る限り多くの情報を集め、吟味し、保険料と自己負担率が反比例する様々のプランの中から最善のモノを見つけることができれば、必ずしもバカ高い保険料を払わずに済みます。(もし健康に絶対の自信があるなら年間のペナルティさえ払えば非加入という選択肢も!おススメはしませんが…笑)膨大な情報の中から選び取る、此処でもデザイン思考的な瞬間的解析と再構築という情報力が頼りになる。言い換えれば、アメリカで健康に、安全に生きるためにまず最初に必要になるのは情報力という名の“嗅覚”かもしれません。

You are what you eat!

食料品の入手経路も同様に多くの選択肢があります。最も新鮮で安心な食材を手に入れたければFarmer’s Marketに行って少し値は張るものの直産品を手に入れるのがベストです。逆に限りなく安く手に入れたければ日本でもお馴染みのCostco、その中間にもオーガニック系スーパーTrader Joe’sやSprouts、アマゾン傘下のWhole Foods、ベーシックなSafeway、イタリア系のLunardi's、もちろん日系のスーパー、さらにローカルの小さなマーケットまで嗜好や用途に応じ、多くの選択肢があります。

我が家の場合は毎週、Oakridge MallやLos GatosのFarmer’s Marketで無農薬の有機野菜のみを山ほど購入してきます。スーパーと違って親密な人間関係が作れるので仲良くなると買った分くらいのオマケを貰えたりするのも楽しい!英語で「You are what you eat」という言葉があります。「人は食べたモノそのもの」であると。であれば如何に新鮮で上質な食材を賢く入手するかは、健康に最も影響を与え得る必要条件だと思います。

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体感と体験で思考する(Think Experientially)

個人に与えられた自由度が高く、自己責任意識の強い米国。日本人の我々にとっては社会的慣習の違いもあり常にアンテナを張り、適度に緊張感を持って生活する必要があります。食事に関しても同様。日本に居た頃は極力避けていた肉類や卵類。米国は肉や卵を使った料理が美味しく誘惑が多い。それでも排除するか?いえいえ異文化を満喫するのも海外に住む楽しみの一つですから、質と頻度に注意し、食べる時は目一杯楽しみ(美味なら免疫が上がる!)、正しく燃焼と排毒をすれば良いと。

私自身のことで言えば、企業勤めの頃は毎年健康診断を受けていましたが、今は極力受けずに自分の管理法を考えます。例えば毎月200km走る。月に200kmも走れていればすぐに死ぬことは無い(ホントか?笑)でしょうし、一日サボるとノルマが積み上がるプレッシャー=適度なストレス(ヤーキーズ・ドッドソンの法則)。またこの距離を普段通り走れなければ身体の不調に気付ける。デザイン思考では「Think Experientially 」という行動を推奨しますが、まさしく日常を体感/体験的に思考することも健康に直結します。

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自分だけの健康を定義する

そもそも健康の定義とは何か?病気やケガをしないことでしょうか?デザイン思考的に固定観念を外して考えれば健康とは言わば“手段”ですから“目的”を問い直す必要があります。その意味では長寿さえ手段です。特に長寿にも拘っていない私の定義はシンプルで「楽しくベストなパフォーマンスを発揮できる状態」としています。自分の創り出したい最高のアウトプットを楽しみながら創り出せる状態にあるかどうか。

アウトプットできるだけでは不十分で「楽しく」出来なければNG。よって身体だけ元気でもこの指標はクリアできない。簡素にして意外とシビアな指標です。そして、こうした定義や指標は人それぞれで異なるはずです。つまり「健康の定義」は、人が100人いれば100通りあって良い。同じ人間だから健康の定義も一律であるというのは言わば科学の驕りです。その証拠に最近は適切な血圧値ですら見直されています。自分の健康を定義し、それをクリアできている状態が本来の「その人の健康」なのだろうと思います。

心から満喫する生きる喜び=最強の免疫

ここまで色々書いてきても、何かもっと大事な事がちゃんと言えていない気がして、、、今あらためて思うこと。それは家族や仲間の存在です。今、我が家では妻の発案から家族全員が持ち回りで夕食の支度を担当するようにしています。(因みに長女16歳、長男13歳)私も料理は得意ですから4人で回せば負担が誰かに偏ることなく、自ずと相互のHospitalityやRespectも生まれます。これが我々家族の一体感を強くし、我々自身の健康にも大きく効果を発揮しています。料理も上手くなる!

家族は共に異国の地で生きる同士。助け合い、労り合い、共に苦難を乗り越え、生きる喜びを味わう。そしてそれは仕事の仲間との関係も同様。弊社POVは小さなデザイン会社。仕事は必ずしも安定的ではありません。獲物が少ない時期は堪え凌ぎ、デカいマンモスを捕えれば暫く休む(笑)原始社会のように自らの野生と本能で生き抜く。その原動力になるのは家族や仲間と共に、生きる喜びを心から満喫することであり、それが最強の免疫になっているのだろうと思います。


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