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野菜を食べてくれる人たちへ健康を届けたい。未経験から新富町に新規就農した農家がたどりついた、顧客視点の極地

★共にチャレンジする仲間を募集しています

世界一チャレンジしやすいまち、宮崎県新富町。
この町で、自分のやりたいことにチャレンジしてみませんか?

宮崎県新富町が2017年4月に設立した地域商社こゆ財団は、新富町でチャレンジを始める新たな仲間を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。

ここでは、私たちこゆ財団をはじめとして、いまどんな仲間がいるのか、町ではどんなチャレンジが起こっているのかを紹介しています。

今回は、未経験ながら新富町で新規就農した石川美里さんのチャレンジです。

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※就農した2017年ころの美里さん

農業をやりたい人が続けられる社会を創りたい

美里さんは、兵庫県出身。株式会社ボーダレス・ジャパン(先日は代表の田口一成さんがTV「カンブリア宮殿」にも登場されていましたね)の一員として、社会課題を解決しようと奮闘している人物です。

彼女が志したのは、農業の課題解決。「耕作放棄地の増加」「食料自給率の低下」
といった農業が抱える様々な課題を、環境への負担が少ない農法を通して、担い手を増やす事で解決していきたい
との思いから、農業を始めようと一念発起しました。

同社代表の田口さんと、こゆ財団代表の齋藤が知り合いだったこともあって、農業の町・新富町を訪れた美里さん。2017年9月、彼女は新富町で「無農薬・無化学肥料・無加温」をテーマに農業をスタートさせました。

美里・田口2

※(左から)新富町の土屋前町長、ボーダレス・ジャパン代表の田口さん、美里さん、こゆ財団代表理事の齋藤


同年11月には法人「みらい畑」を設立し、雇用も生まれ始めた美里さん。順風満帆に思えたところでしたが…


環境への負担が少ない農業を目指して

それからの苦闘は想像を超えていたと美里さんは言います。

石川美里

「無農薬・無化学肥料・無加温栽培で3年間栽培を行い、虫や病気と闘ってきました。しかし、全く収量が上がらず、このままでは農業を続けられないのではないか?という厳しい状況に追い込まれていきました」


美里さんが下したのは、減農薬という決断。

無農薬を志した者からすれば、本当に苦しい判断だったと思います。

しかし美里さんはそこから何とか有機の土作りや農法の試行錯誤を続け、3年目にしてようやく収量を上げられるようになりました。

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生産をすることだけが農業ではない

しかし、次に直面したのは販売の壁でした。

スーパーに並べば、野菜は同じような「商品」になります。

「そこで一番比較されるのは、価格ではないでしょうか。私たちが目指す農法は、一般的な農法と比べると”手間と収量の低さ”という弱点があります。それならば、どうにか高く買ってもらえないか?と様々な販売先を訪問しました」

たくさんの方と話をする中で、気づいた大切なことがあると美里さんはいいます。

それは、”野菜を食べてくれる人”のことを本気で考えられていなかったこと。

それまでの、農業への取り組み方の反省だったそうです。

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野菜を食べてくれる人たちへ健康を届けたい

「生産のことで頭がいっぱいだったけれど、私たちは野菜という商品を作る技術者であり、販売者でもある。そして、買ってくれる人の事を考えた時に一番に思い浮かんだことは、健康を届けたいという気持ちでした」と語る美里さん。

どんな野菜を、どんな形で届ければ、それが実現できるのか?


美里さんたちが考えて、考えて、辿り着いたのが「ぬか漬け専用ミニ野菜」でした。

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この調理方法は、野菜が持つ能力を最大限に引き出してくれます。

暑い日も寒い日も、毎日畑で育ててきた大切な野菜を、余すことなく届ける事ができる。丸ごと生で調理する方法だからこそ、農法にこだわる価値がある、と美里さんは話します。

「ミニ野菜の栽培を通して、農業をする人を増やしていきたい。今は、以前までの苦しい日々が嘘のように、育てる・届ける・農業の担い手を増やすといったことまで、全ての道筋にやりがいを持ちながら、毎日畑でミニ野菜を育てることができています」

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まだまだ未熟ではあるけれど、顔が見える作り手として、”美味しい”と多くの人に喜んでもらえるミニ野菜を育てていきたいという美里さん。研究にチャレンジする日々は、これからも続きます。

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