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待機中


今は仕事中だが、
何もすることなく
待機中であるゆえにこれを書く。


いつもならば
家に帰ってしばらく部屋で
ゴロゴロしてから
日記を書くのが日課であるが、

今日は時間を
持て余すほどに仕事が暇だ。
そしてパソコンを
持ってきていることもあって
仕事の合間に書くことかできる。


ここはとある蒸し暑い民泊の2階の廊下。

しんと静まり返った仕切りの奥で、
地べたに座りながらタイピングをしている。

今聞こえているものは、
一階のロビーの奥から
車が水飛沫をあげて通り過ぎていく音だけだ。

本日、札幌は雨模様、
朝からそれなりの雨が降っていて、
外は天然のミストシャワーが
降りかかるおかげでやたらと涼しい。

ミストというには
水の粒が少し大きいように思うが。

しかし外に比べてこちらの
建物内は空調が効いておらず、
空気が密集して蒸し暑い。

外の天候の恩恵を
全く受け入れられていないもどかしさに、
タイピングの手も緩みそうになる。

しかし自分は暇なのだ。
なのでこれを書き続ける。



この民泊施設は
端から見れば普通のマンションであり、
全体のおよそ半分くらいは
実際に住民も住んでいる。

半分ほどの部屋が民泊として
運営しているものであり、
自分はそこの管理を任されている。

だいたい1日に
5、6件ほどの部屋を掃除して、
時間が余れば共用部の掃除、
ゴミ捨て場の整理などをする。

つい最近までは
繁忙期ということもあって
稼働している部屋数も多く、
こんな日記なんて
書いている暇がないほどに
体力を消耗していたのだが、
今週からようやく落ち着いたみたいだ。

あくまで平日の話であるが。
明日は土曜日なので、
また普通に忙しくなると思う。


今日は雨が降っている
ということもあって、
自転車が主な移動手段の
自分にとっては少し厳しいものがある。

まずスーパーに行けない。
家からスーパーまでは
自転車で10分くらいの距離にある。

これが歩きだと、
とてもじゃないが遠いわけである。
だから近隣にある
まいばすけっととかいう
コンビニサイズのスーパーで、
腹の足しになるものを
買わなくてはならない。

そのまいばすけっとというミニスーパーは、
コンビニよりは野菜や果物の品揃えもよく、
値段もまあまあいい感じである。


しかし、やっぱり外れにある
中型のスーパーの方が圧倒的に便利だ。


肉や魚の品揃えは感動ものである。


特にここは北海道ということもあって、
鮮魚の種類は独特だ。

ホッケやニシンなど、
本州ではあまり売られていないものも
当たり前のようにある。

特に自分がスーパーに来て
北海道を感じたのは、
野菜コーナーに積まれている
大量のとうもろこしである。

こちらではトウキビという名で売られている。

一本90円ほどとお手軽な値段であり、
試しに買って茹でで食べるとこれまた美味い。甘みがほどよく瑞々しく、
缶詰のものとは全く別物だ。
適当なお菓子を食べるくらいならば
遥かにこちらの方がおすすめである。


あと札幌のどこの
スーパーに行ってもすごいことなのだが、
生鮮食品のほとんどが北海道産である。

肉に魚に野菜に米に麺。

ほぼ全てのジャンルにわたって
北海道産のものが占められており、
他の都府県では考えられないことだ。
調べてみると
北海道の食料自給率は
約200%ほどもあるらしい。
日本全体では50%を
大きく下回るなかで
圧倒的な地産地消の力である。

ちなみに地元である京都は
下から数えた方が
早いくらいの自給率だ。
京都は一部では京野菜などの
特産品があるものの、
基本的には外部の力に
頼って食料を担っている。

それが悪いというわけではないが、
北海道の圧倒的な
農の力が日常生活において
直に感じられるのはいいことである。


せっかく北海道に来たのだから、
くよくよしていないで北海道の魅力を
100%楽しむくらいの
勢いがなければいけない。

最近の自分は本当にくよくよしすぎた。
金がない、
縁がない、
体力も気力もない、

そうやって
自分の世界を狭く見積もってきた。
それは間違っていると
自分は声を大にしたい。

今自分は遥かなる広大な大地、
北海道に来ているのだ。
こんなところで心を狭くして
生きていることが恥ずかしい。

別に自分は強くも弱くもないのだ。

ただの人間だ。

一人の人間、
何も成し遂げるものもなければ、
誰かを乏しめることだってない。
だからのびのびと生きるしかないのだ。
それだけでしか、
自分を証明できないわけだ。


生活できている上に、
たくさん選択まで残されている。 
こんなに素晴らしい環境はない。
自分は何もできないやつだと、
無駄に焦って、
イライラして腐っていた。

馬鹿なやつだ。

おそらく7月から続けている、
甘いもの禁止生活の
禁断症状かもしれないが、
それでも自分の愚かさが、
もはや可愛らしいくらいに見えてくる。

何も焦らなくていい。

どうせ自分は最後は
老いてこの世からおさらばする。
それはどう足掻いても逃れられない。
だから逝ってしまうその最後の時まで、
自分のために生きるのだ。
誰のためでもなく、
自分のために。

自分の欲望のためでもなく、
夢のためでもなく、
理想のためでもなく、
ただ自分のために、
そう思って、
今日も自分は生きることにする。

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