【絶対内定】理系就活成功の鍵は”研究の伝え方”。周りと差をつけるために「知っておくべきこと」

初めてまして。おじおじ(@tajitaji12345)と申します。
今回は、理系就活における”研究の伝え方”について、周りと差をつけるために「知っておくべきこと」を、ESから面接まで徹底的に解説いたします。

このnoteでは、とにかく多くのノウハウを詰め込みます。一度に最後まで読むのはしんどいかもしれませんが、ふと就活で悩んだとき、行き詰まった時に読み返し、参考にしていただけたら幸いです。

著者について

おじおじ(@tajitaji12345)と申します。
国立大学の大学院を卒業後、国内の大手IT企業に就職しました。リクルーターとして2桁以上の学生様を担当し、学生様を内定に導いてきました。また、OB訪問対応やES添削、企業説明会を行って参りました。

その後転職活動を経て、現在は外資IT企業においてエンジニアとして勤務しております。転職活動においては外資コンサル1社、外資IT企業2社、国内IT企業1社から内定をいただくことができました。


ESの極意

このnoteを見てくださってる学生様のほとんどは日々研究を行い、就活のための言語化に大変苦労されていることと思います。このnoteを最後まで読んでいただくと、書き方の流れや採用者が見ているポイントについて理解することができます。

ESを記載する上で重要なポイントは下記3点になります。

①企業がどのレベルであなたの研究を知りたいかを理解する
②"受かる書き方"を理解する
③研究を知らない第三者の意見を尊重する

これら3点についてより深掘りし解説してきます。

①企業がどのレベルであなたの研究を知りたいかを理解する

企業がどのレベル(粒度)であなたの研究を知りたがっているかは、ESに設定された文字数から判断します。端的に言えば、設定文字数が多ければ多いほど、「論理性」「プロセス」を問われていると言えます。文字数別に注意すべきポイントを解説します。

【200〜400文字】

とにかく簡単な言葉を用いて、先行研究やデータはそこそこに、「研究によって世の中にどんなメリットがあるのか」を身近な例を用いて述べます。この文字数設定において、企業はESから研究の詳細や学術的なことを把握しようとは一切考えていません。無理やり詰め込もうとすることより、シンプルで簡単な文章を用いることが重要です。
ただし、逆に面接においては深掘りされる可能性があります。また、ESでの情報が少ないため的外れな質問をしてくる面接官も多くいます。その際は動揺せず、「今お聞きいただいた内容は、〇〇と言うことでよろしいでしょうか?」と確認を入れ、会話が一方通行にならないように注意しましょう。面接のポイントについては次章にて詳しく解説します。

【400〜800文字】

「先行研究に対する仮説」「仮説に対する手法、手法の妥当性」「結果のインパクト」を記述する必要が出てきます。また、具体的な数値(例文:○%の省電力を実現した)を記載すると成果がわかりやすくなります。ただし、設定文字数が多くなってくると専門用語の数が増えてしまう傾向が見られます。設定文字数にかかわらず、専門用語は極力避け、止むを得ず使用する場合は必ず用語に対する解説を入れましょう。
また、「研究によって世の中にどんなメリットがあるのか」を身近な例を用いて述べることは絶対に忘れないようにしましょう。学術書の「はじめに」に記載されているような簡潔さ、読者視点の文章になっていることが重要です。


【800文字以上】

論理的に、正確な順序を持って研究を説明する必要が出てきます。800文字の研究概要を記載することは容易ではありませんが、「この前出た学会のアブストラクト(概要)をコピペするかー。」などという考えは言語道断。実は一定数の学生様が学会のアブストを少し書き換えたものを提出しています。学会のアブストとESでは、読む人の目的、また知識レベルも大きく異なることに気をつけましょう。この文字数設定において、採用者は学生様のESから「論理性」「研究への深い理解」「言語化能力」を把握しようとしています。そのため、この3点を押さえたESでないと評価は低いということになりますので、注意してください。詳しい書き方は、②”受かる書き方”を理解する、に記載します。また、就活向けの研究概要を記載する上で参考になるものとしては理研のプレスリリースがあります。プロの研究者たちが、素人が読みやすいようにどのように言語化しているのか、非常にタメになると思います。私も就職活動において、担当いただいたリクルーターから「理研のプレスリリースを参考にしろ!」と厳しく指導いただいたおかげで、ESを提出した全ての企業においてES通過を果たすことができました。中には難しい記事もありますが、いくつか読んだ上で「読みやすかった記事に共通するものは何だろう?」と考えてみてください。必ずあなたのESに活きてきます。

②"受かる書き方"を理解する

研究の書き方は人それぞれだと思います。決まり切った流れもありません。しかし、絶対に逃して欲しくない書き方は存在します。それは、「採用者が本当に知りたい情報を欠落させない」ことです。

受かる

「採用者が本当に知りたい情報」をESに含めるためには、上に示す図のような流れで記載すると非常に自然に、かつ研究をアピールすることができます。

重要なことは【「採用者が本当に知りたい情報」は、あなたが行ってきた研究の詳細な研究背景や研究手法、研究成果ではありません。「研究背景に対し自分はどう考え」「どう工夫したのか」「研究手法はなぜその方法を取ったのか」「代替案は考えなかったのか」「研究成果の再現性はあるのか」「周りを巻き込んだのか」など、研究内容に関わらない研究者としての思考・行動です。】
正直、ここさえ抑えておけば問題ないです。今一度、【】で囲われた部分を読み返し、内容を理解してください。

そしてもう一点抑えておきたいポイントは、「で、その研究って何の役に立つの?」という問いかけに身近な例を用いて記載する必要があることです。例を示します。

悪い例

〜これらの成果は、ドローンの飛行安定性、効率向上に結びつくと考えております。

良い例

〜これらの成果はドローンの飛行安定性向上に結びつき、災害現場での正確な情報収集や、ドローンを用いた宅配サービスの実現など、我々の生活に大きく貢献すると考えております。

悪い例では、学術的なメリットしか述べていません。ドローンの飛行安定性が上がっても、私たちの生活にどのようなインパクトあるのか?想像することは難しいと思います。
一方良い例では、ドローンが我々の身近な生活で活躍している姿が容易に想像つくと思います。このように、あなたがやっている研究を「誰もが想像できる身近な生活」に落とし込み、どう貢献できるのかを説明することが重要です。この部分が正確に書けていることは、研究の目的、ビジョンを持っていることのアピールにもつながります。「目的を理解しないまま研究を進めているな」と思われてしまうことはあなたにとって非常にマイナスであることを理解しましょう。

③研究を知らない第三者の意見を尊重する

ESを書き終わったら、さあ提出!ではなく、研究の内容を詳しく知らない第三者(友人など)に読んでもらい感想を聞かせてもらいましょう。最近ではTwitterで無料添削企画を行っている社会人アカウントとうも散見されますので、活用してみてはいかがでしょうか。第三者が初めて読み、理解することができなかった単語や内容は、採用者が読んでも理解してもらえない部分と言えます。理解できなかった部分や印象・感想を素直に伝えてもらい、「より簡単な言い回しができないか」「専門用語を省くことができないか」「身近な良い例はないか」などを考え、推敲しましょう。読んでもらう人は多ければ多いほど良いです。

研究紹介は、志望動機やガクチカと異なり、どの企業でも使い回すことが可能です。だからこそ、一つの研究紹介に時間をかけ、高いクオリティの文章を作っておきましょう。
今まで自信を持って提出してきた研究概要も、実は採用者が知りたいポイントが欠落していた!ということもあるかもしれません。このnoteを読んだらすぐ、自分の研究紹介を見直してみましょう。繰り返しとなりますが、「身近な生活にどのようなメリット・インパクトがあるのか」は記載が必須になりますので、必ず含めるようにしましょう。

面接の極意

理系企業における研究職・開発職・SE職への採用面接では、研究内容について必ず深堀されるため、その対策は必須となります。

「どんな質問されるんだろう」「対策の仕方がわからない」など、多くの学生様が研究に関する面接に苦手意識を持っていることを理解しています。
このnoteを最後まで読んでいただけたら、少なからず苦手意識は減り、面接官が求める回答ができるようになると思います。

面接で重要なポイントは下記3点になります。

①頻出質問を理解する
②重要な”立ち振る舞い”を理解する
③研究概要(提示資料)の効果を最大化する

これら3点についてより深掘りし解説してきます。

①頻出質問を理解する

「研究内容は人それぞれだから、聞かれる質問も人それぞれで、対策することはできない」と言う考えは大きな間違いです。ガクチカや志望動機と同様、研究についても定型質問が存在しています。

このことは、面接官が知りたいことを理解することと納得できる思います。前述していますが、面接官が知りたいことは、あなたが行ってきた研究の詳細な背景、手法、成果ではありません。「研究の内容に関わらない、研究者としての思考・行動」を知りたいのです。このことを面接にて引き出すために、おのずと質問が定型化していることを理解しましょう。

頻出質問を8個挙げました。これらの質問には必ず回答できるよう、対策を行ってください。

・あなたの研究は私たちの生活にどのようにプラスか?役立つか?
・研究においてどこが困難で、どのような手法で乗り越えたか?
・どうしてそのような手法をとったのか?妥当性はどう判断したか?
・代替案については考えたか?
・先行研究は何が課題で、どのような仮説を立てたのか?
・チームで研究したか?個人で研究したか?
・周りを巻き込んで成し遂げた経験はあるか?
・あなたが成し遂げたことは、なぜ今まで成し遂げられなかったのか?

なお、一部の(クセのある)面接官は、回答が難しいような突拍子もないことを聞いてくることがあります。そのような時にも活きてくる”立ち振る舞い”について次に解説します。

②重要な"立ち振る舞い"を理解する

自分の研究に対する質問への答え方・振る舞い方で一番大切なことは「自分の研究は自分が一番詳しいのだから、自信を持って答えること」です。

あなたの研究分野が、面接官の専門である可能性はほぼ0です。あなたが多少学術的に怪しいことを言っても、何ら問題はありません。面接と学会は全く異なることを理解しましょう。

「自分の研究は自分が一番詳しい」という前提に従うと、面接官(素人)からの質問に首を傾げたり、口籠ったりするとどのような印象か考えてみましょう。「素人の質問にも答えられないのか?」→「この人研究をちゃんとやってるのか?」→「やるべきことをきちんとやれない人なのか?」と思われる可能性も否定はできません。

だからこそ、堂々とした態度で回答するようにしましょう。ガクチカや志望動機と違い、研究を真面目にやって理解していないとボロが出やすいところが研究の難しいところです。堂々と回答するためには、日々、研究の意義や工夫点、難しさなどを事前に深堀しておくことが有効です。自分の研究に詳しくなっていけばいくほど、自信を持って面接官の質問に答えることができるようになります。研究室の先輩に、「自分たちの研究を就活ではどのように見せてきた(魅せてきたか)」を聞いて参考にすることも有効な手段です。

また、一切研究で行っていないような質問がきた場合でも、「そのことについては分かりません。」という答え方は絶対にしないようにしましょう。わからないのではなく、「やっていない」「範囲外」であることを堂々と伝えてください。「私の研究は○○という観点で行っています。そのため、今ご質問いただいた観点に関する知見はございません。」という言い方にしましょう。専門外なのでやっていない、知見がないことを伝えることは、何も問題がありません。

研究概要の極意

研究概要とは、ES提出時に提出する研究資料や、面接時に提出を求められる研究資料のことを指します。私は新卒で就職活動を行っていた時、ほとんどの企業から研究概要の提出を求められました。【理系企業ではESと同様、研究概要のクオリティも選考の一つとしている】と言えます。

私は新卒で入社した企業にてリクルーターを行っていた際、学生様の研究概要を見てきましたが、初めから合格点に達していた方はほとんどいませんでした。私がその学生様にお伝えしてきた内容を説明します。

研究概要

最低限抑えておいて欲しい内容はこの画像に詰め込んでいます。これを見て「こんなカジュアルでいいの?」と考える人も多いかと思いますが、むしろ文章だけの研究概要を提出する人は内定から遠ざかります。

特に重要なことは「文章を極力避け、画像やグラフを多用すること」「デザイン的に整理され可読性に優れたものであること」です。この二点は、難しい研究内容を「最後まで読ませる」ために必須となります。
デザインと言っても、凝ったデザインが必要となるわけではありません。パワーポイントで資料を作ることが苦手でも、気に入ったり上手だと思ったデザインを真似して問題ありません。もちろん、内容には独自性を持たせることを忘れないようにしましょう。

可視性・可読性を向上させるためには、「内容が伝わる画像」を盛り込むことが有効です。上図の例では、ドローンが落下し破壊されている画像を載せていますが、ドローンの落下=安定性・危険性が課題、と言う内容を採用者が容易に理解することができます。数百人の方の研究概要を見ている採用者は、文字よりも画像等から得られる情報から内容を理解していることが多いです。(文字だけの研究概要がいかに読んでもらえないかわかりますね。)

もう一点心得ておきたいことは「内容を詰め込みすぎないこと」です。「なるべく沢山の成果を盛り込みたい!」と言う思いは非常に理解できますが、この研究概要はあくまで、「補助資料」です。内容は、実際伝えたいことの半分程度に抑えて、残りの半分は面接できちんと話すことができれば問題ありません。むしろ、質問の余地を残しておき、その質問を想定し答えを考えておくことができれば、他者と大きく差をつけるとができます。
また、文章が多いと面接官は文章を読むことに必死で、学生様が一生懸命話していることに注意が及ばないケースがあります。話を聞いてもらうためにも、内容を詰め込みすぎないことは重要です。

研究概要には、学生様から研究内容を聞く目的とともに、【情報を整理し簡潔に伝える資料作成能力はあるか】を問う目的もあることを理解してください。

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございます。理系就活において、「研究の伝え方がいかに重要であるか」を理解いただけたと思います。
まずこの瞬間、今まであなたがどのように研究を伝えてきたか振り返ってみましょう。そして、このnoteから学んだ内容とのギャップを埋めるためにはどこを、どう変えたら良いか考え、作業に取り掛かりましょう。

研究をしながらの就職活動、本当にきついと思います。私も思い出したくないくらい大変でした。

OB訪問に一社でも多く行く、研究概要の作成に人より時間をかける、なんでも良いから人より少し多く努力・対策ができれば必ず良い結果がついてきます。このnoteを読んだ全ての方の就活、研究が上手くいきますよう心から願っております。


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