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岡山県|公立高校入試確率問題2023

 ことがらAの起こる確率を$${p}$$とするとき、ことがらAの起こらない確率を$${p}$$を使って表しなさい。

分類:基礎27 ○○が起こらない確率

 「教科書に載っている公式をそのまま答える」という、どストレートすぎる問題。入試問題として「本当?」「これでいいの?」と戸惑ってしまう感じの問題ですが・・・ 


$${\bm{1-p}}$$

問題を解いたあとに

念のため教科書に当たってみる

 教科書に載っている公式と言ってしまいましたが,本当に実際の中学校各社の教科書に1-$${p}$$と書いてあるか、確かめました。(令和3年度版)

文字式 1-p の記述あり
  啓林館、学校図書、日本文教

×文字式 1-p の記述なし
 
(Aの起こらない確率)=1ー(Aの起こる確率) の文章のみ。
  太字 東京書籍、数研、教育出版  
  本文と同じフォント 大日本

と真っ二つ。この出題があった岡山県では東京書籍、啓林館、日本文教の教科書が採用されているようで、教科書丸暗記勢にとっては教科書で有利不利が働くと言って(難癖付けて)もいいのかもしれません。

 かといってこの公式は丸暗記されることよりは,その意味を理解することに意味があります。(だから、半数の教科書は文字式での記述を避けているとも言えます)

余事象の確率

 中学校では言葉としては出てきませんが、「ことがらAが起こらない、ということがら」を$${\overline{A}}$$と表して、Aの余事象という名前がついています。そして、ことがらAの起こる確率を$${p}$$とすると、

Aの起こらない確率=1-$${p}$$

と表せることを、余事象の確率の公式といいます。
 ちなみに(余事象という言葉は別として)余事象の確率の求め方を中学校で学習するようになったのは1つ前の教科書2016年から。その前はいわゆる「ゆとり教育」でいったん高校に送られていた内容でした。


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