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香川県|公立高校入試確率問題2023

 2つのくじA,Bがある。くじAには,5本のうち,2本の当たりが入っている。くじBには,4本のうち,3本の当たりが入っている。くじA,Bからそれぞれ1本ずつくじを引くとき,引いた2本のくじのうち,少なくとも1本は当たりである確率を求めよ。

分類:28 【研究】少なくとも1つ起こる確率

 悪問です。公立高校入試で出すには悪問です。この問題の解説として

などと式だけしたり顔でかいてあるものがあります。これは中学数学範囲においてはあくまで「別解」扱いすべきなのです。なぜなら、ここで使っているのは高1(数A)で学習する「確率の乗法定理」だからです。

 確率の乗法定理は使えるようになっていて損はありませんが,中学数学の範囲ではなく,あくまで別解として扱われるべきです。ところが、この問題は、確率の乗法公式の使い方を知っているのと知らないのとでは,解答スピードが明らかに異なります。

 高校での学習範囲を知っているとかなり早くなる内容の問題をチョイスして公立入試として出題するセンスはどうかな,という意味で悪いと言っています。そして乗法公式はあくまで「別解」であって,教員の側が別解しか解説しないというのもダメです。

 もちろん問題そのものに罪はありません。大学入試共通テストの問題としてはとても良い問題でしょう。

(香川の出題者はこれを見て,出そうと思った?)

本題

 ぐちゃぐちゃ行ってきましたが、中学範囲で解こうとすると、こうなります。それぞれのくじに区別をつけて,愚直に表をかきます。

 「少なくとも1本は当たりである確率」を求めるので,少なくとも1はじゃない方の確率を求める方が楽な場合が多いのでした。

 「少なくとも1本は当たりである」じゃないのは,「2本ともハズレ」の場合です。表をかくと,当てはまる場合は20通りのうち3通り。

 はずれの確率は$${\dfrac{3}{20}}$$ですから,求める確率は,$${1-\dfrac{3}{20}=\dfrac{17}{20}}$$となります。

 もちろん,もっと愚直に「少なくとも1本は当たりである」場合を数えて確率を求めてもよいですね。

$${\bm{\dfrac{17}{20}}}$$


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