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神奈川県|公立高校入試確率問題2023

 右の図1のように,場所P,場所Q,場所Rがあり,場所Pには,1,2,3,4,5,6の数が1つずつ書かれた6個の直方体のプロックが,書かれた数の大きいものから順に,下から上に向かって積まれている。
 大,小2つのさいころを同時に1回投げ,大きいさいころの出た目の数を$${a}$$,小さいさいころの出た目の数を$${b}$$とする。出た目の数によって,次の【操作1】,【操作2】を順に行い,場所P,場所Q,場所Rの3か所にあるブロックの個数について考える。

【操作1】 $${a}$$と同じ数の書かれたブロックと,その上に積まれているすべてのブロックを,順番を変えずに場所Qへ移動する。
【採作2】 $${b}$$と同じ数の書かれたブロックと,その上に積まれているすべてのブロックを,$${b}$$と同じ数の書かれたブロックが場所P,場所Qのどちらにある場合も,場所Rへ移動する。


 大きいさいころの出た目の数が5,小さいさいころの出た目の数が1のとき,$${a}$$=5,$${b}$$=1だから,
【操作1】 図1の,5が書かれたブロックと,その上に積まれているすべてのブロックを,順番を変えずに場所Qへ移動するので,図2のようになる。
【操作2】 図2の,1が書かれたブロックを,場所Rへ移動するので,図3のようになる。
 この結果,3か所にあるプロックの個数は,場所Pに1個,場所Qに4個,場所Rに1個となる。

 いま,図1の状態で,大,小2つのさいころを同時に1回投げるとき,次の問いに答えなさい。ただし,大,小2つのさいころはともに,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。

(ア)ブロックの個数が3か所とも同じになる確率を求めなさい。

(イ) 3か所のうち,少なくとも1か所のブロックの個数が0個になる確率を求めなさい。

分類 応用❻ 並べる

…ということは? で条件から迎えに行く

(ア)

 「ブロックの個数が3か所とも同じになる」ということは、PにもQにもRにも「ブロックが2個ずつ」ということです。Pから出て行ったブロックは戻ってくることはないので、最後に2個残るように考えます。
 (1回目のさいころの目,2回目のさいころの目)で表すとすると、(2,4)と(4,2)の2通りということになります。

 さいころのすべての目の組は36通りですので、その確率は$${\dfrac{2}{36}=\bm{\dfrac{1}{18}}}$$と求めることができます。

(イ)

 「3か所のうち,少なくとも1か所のブロックの個数が0個になる」ということは、「場所Pのブロックが0個」か「場所Qのブロックが0個」か「場所Rのブロックが0個」のいずれかです。

(1)場所Pのブロックが0個、ということは・・・
 大きいさいころでも小さいさいころでもどちらかで6の目が出れば、Pから6の目より上のブロックが動かされて、場所Pのブロックが0個になります。(表の△印)
(2)場所Qのブロックが0個、ということは・・・
 【操作1】で場所Qには何個か移動してきますので、それが全部【操作2】で場所Rに移動されればOKです。ということは、大きいさいころで出る目と小さいさいころで出る目が同じになる、ということです。(図の☆印)
(3)場所Qのブロックが0個、ということは・・・
 場所Rには【操作2】で何個か移動してきますので、場所Rが0個になるということはあり得ません。

 というわけで、すべての場合の数は16通り。その確率は$${\dfrac{16}{36}=\bm{\dfrac{4}{9}}}$$です。

(ア)$${\bm{\dfrac{1}{18}}}$$  (イ)$${\bm{\dfrac{4}{9}}}$$

問題を解いた後に・・・

 これはさすがに表をかいて、36通りに対して一つ一つ確かめに行く、というやり方ではつらいでしょう。そういう意味では、難易度が高い問題、と分類できます。

【研究】「少なくとも1」ってあるけれど

 (イ)の問題は「3か所のうち,少なくとも1か所のブロックの個数が0個になる」というのが条件でしたね。あ、「少なくとも1」の場合、じゃない方を考えるサインというのが、解き方のポイントでしたね。

 ところが、「3か所のうち,少なくとも1か所のブロックの個数が0個になる」じゃない、ということを考えると、「3か所すべてに少なくとも1つのブロックがある」ということになります。
 あれ?やっぱり「少なくとも1」が出てきてしまいます。
 この問題では「じゃない方」も少なくとも1が出てきてしまいます。どちらが楽か、というと、結局ブロックの個数が0の条件で処理をした方が楽だと思います。



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