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福岡県|公立高校入試確率問題2024

 袋の中に,赤玉1個と白玉3個が入っており,この袋から玉を取り出す。
 ただし,どの玉を取り出すことも同様に確からしいとする。
 次の(1),(2)に答えよ。
(1)玉を1個取り出し,取り出した玉を袋にもどしもう一度,玉を1個取り出す。
 取り出した2個の玉のうち,少なくとも1個は白玉が出る確率を求めよ。
(2)Aさんが玉を1個取り出し,取り出した玉を袋にもどさず,続けてBさんが玉を1個取り出す。
 このとき,Aさんの白玉の出やすさとBさんの白玉の出やすさに違いがあるかを説明せよ。
 説明する際は,樹形図または表を示すこと。

分類:(1)28 【研究】少なくとも1つ起こる確率
   (2)14 取り出して、戻さずもう1回

(1)「少なくとも」は「じゃない方」のサイン

 袋の中に白玉3個が入っています。同様に確からしいことがらを並べるために,この3つに①,②,③と区別をつけることにします。赤玉を●で表すことにして,表をかきましょう。取り出したあと戻してもう一度ですから,●→●とか②→②と同じ玉を取り出すことができますので,表の対角線にあるマスも残します。

 条件は「少なくとも1個は白玉」と書いてあります。「少なくとも」は「じゃない方」を考えた方が早いかも,というサインです。

 「少なくとも1個は白玉じゃない」は「2個とも赤玉」です。

 「2個とも赤玉」はただ1通りですので,その確率は $${\dfrac{1}{16}}$$。ですから「2個とも赤玉じゃない」つまり「少なくとも1つは白球」の確率は $${1-\dfrac{1}{16}=\dfrac{15}{16}}$$ と求めることができます。

(2)取り出し方が変わると表も変わる

 (1)と(2)では,2回玉を取り出しますが,取り出し方が異なることに注意しましょう。(2)は取り出した玉は元に戻しませんので,●→●とか②→②と同じ玉を取り出すことができません。表の対角線にあるマスは実現しませんので消します。

 起こりうるすべての場合は,各マスにたいおうしていますので,その数は12通りです。
 そのうち,Aさんが白玉を取り出す場合のマスに〇印,Bさんが白玉を取り出す場合のマスに✓印をつけて,それぞれの場合の数を数えます。

 いずれも9通りですから,その確率は両方とも$${\dfrac{9}{12}=\bm{\dfrac{3}{4}}}$$ということになり,確率は等しいです。確率が等しいということは,Aさん・Bさん2人の白玉の出しやすさは同じ,ということになります。

(1) $${\bm{\dfrac{15}{16}}}$$   
(2) 赤玉を●,白玉を①,②,③とあらわして,起こりうる場合を表にして考えると,上の表のようになり,すべての場合の数は12通りである。
 Aさんが白玉を出す場合はこの表の✓印をつけたところで9通り。Bさんが白玉を出す場合はこの表の〇印をつけたところで9通りで,それぞれの確率を求めるとどちらも$${\dfrac{9}{12}=\dfrac{3}{4}}$$であり,2人の白玉の出やすさに違いはない。


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