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広島県|公立高校入試確率問題2022

 太郎さんと次郎さんは,次の【ゲーム】において,先にカードを取り出す人と,後からカードを取り出す人とでは,どちらが勝ちやすいかを調べることにしました。

【ゲーム】
 右の図のように,1,2,3,4の数字が1つずつ書かれた4枚のカードが入った袋があります。右下の図のように,正方形ABCDの頂点Aにコマを置きます。

 このコマを,太郎さんと次郎さんの2人が,下の〈ルール〉にしたがって,正方形ABCDの頂点から頂点へ移動させ,勝敗を決めます。
〈ルール〉
① 先に,太郎さんが袋の中のカードをよく混ぜ,そこから1枚取り出し,カードに書かれた数字の数だけ,正方形の頂点から頂点へ反時計まわりにコマを移動させる。
② 太郎さんは,取り出したカードを袋に戻し,次郎さんに交代する。
③ 次に,次郎さんが袋の中のカードをよく混ぜ,そこから1枚取り出し,①で移動させたコマが置いてある頂点から,カードに書かれた数字の数だけ正方形の頂点から頂点へ反時計まわりにコマを移動させる。
④ それぞれが移動させた後のコマの位置によって,下の表のⅠ~Ⅳのように勝敗を決めることとする。

 例えば,太郎さんが2の数字が書かれたカードを取り出したとき,太郎さんはコマをA→B→Cと移動させます。次に次郎さんが1の数字が書かれたカードを取り出したとき,次郎さんはコマをC→Dと移動させます。この場合は,太郎さんが移動させた後のコマは頂点にあり,次郎さんが移動させた後のコマは頂点Dにあるので,Ⅳとなり引き分けとなります。
 次の(1),(2)に答えなさい。

(1) この【ゲーム】において,太郎さんが移動させた後のコマの位置が。頂点Bである確率を求めなさい。

 2人は,太郎さんが勝つ確率と,次郎さんが勝つ確率をそれぞれ求めました。その結果から,この【ゲーム】では,先にカードを取り出す人と,後からカードを取り出す人とでは,勝ちやすさに違いがないことが分かりました。 

(2) さらに,【ゲーム】中の〈ルール〉の②だけを下の②'にかえた新しいゲームでも、カードを取り出す順番によって勝ちやすさに違いがないかを調べることにしました。

②' 太郎さんは,取り出したカードを袋に戻さず,次郎さんに交代する。

 この新しいゲームにおいて,先にカードを取り出す人と,後からカードを取り出す人とでは,勝ちやすさに違いはありますか。下のア~ウの中から正しいものを1つ選び,その記号を書きなさい。また,それが正しいことの理由を,確率を用いて説明しなさい。

ア 先にカードを取り出す人と後からカードを取り出す人とでは,勝ちやすさに違いはない。
イ 先にカードを取り出す人が勝ちやすい。
ウ 後からカードを取り出す人が勝ちやすい。

分類:応用❷動かす② 循環型

 文章がとにかく長いですね。ここまでくると数学の問題というよりも、まずは状況を読み込む読解力が試される問題なのかもしれません。

(1)は拍子抜け?

 (太郎さんが)1回カードをひいたときに頂点Bに移動するのは、[1]・[2]・[3]・[4]の4つのカードのうち、[1]のカードを引いたときだけですから、求める確率は$${\bm{\dfrac{1}{4}}}$$ですね。(やたらと長い文章や図表の後ですので、拍子抜けするほどの問題ですが・・・)

(2)が問題の勝負

 ルール②'の新しいルールにしたがって、2人の勝負について表をつくってみましょう。次郎さんのコマが止まる位置は太郎さん(1回目)と次郎さん(2回目)の出すカードの数の和を4でわった余りで決まります。
 それぞれの数・コマの位置・Ⅰ~Ⅳのどれにあてはまるか(Ⅳは省略)を枠に詰め込んで表をつくってみました。実際解く人は、どれかを書けばいいかな、と思います。

 すべての場合は12通り。そのうち、先にカードを取り出す人が勝つのは表の中のⅡですので2通りで、その確率は$${\dfrac{1}{6}}$$。後からカードを取り出す人が勝つ場合は表の中のⅢですので3通り、その確率は$${\dfrac{1}{4}}$$となっています。ア ~ ウ の中であてはまるのは   ということになります。

(1) $${\bm{\dfrac{1}{4}}}$$  
(2) 
(理由例)先にカードを取り出す太郎さんが勝つ確率は$${\dfrac{1}{6}}$$であり、後からカードを取り出す次郎さんが勝つ確率は$${\dfrac{1}{4}}$$である。先にカードを取り出す人が勝つ確率より、後からカードを取り出す人が勝つ確率の方が大きいから,後からカードを取り出す人が勝ちやすい。

研究 問題を解いたあとで

 図形をぐるぐる回る問題は,動いた数を1周まわる数でわった「あまり」に注目する,というのがポイントです。結構頻出です。


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