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宮崎県|公立高校入試確率問題2021

咲子さんと健太さんは,次の【課題】について考えた。下の【会話】は,2人が話し合っている場面の一部である。このとき,下の(1)(2)の問いに答えなさい。

【課題】
右のように,1,2,3,4の数字が,それぞれ書かれた玉が1個ずつはいっている箱Aと,2,3,4の数字がそれぞれ書かれた玉が1個ずつはいっている箱Bがある。
(I) 箱Aの中から1個の玉を取り出すとき,3が書かれた玉が出る確率を求めなさい。ただし,どの玉の取り出し方も同様に確からしいとする。
(II) 箱A,箱Bの中からそれぞれ1個ずつ玉を取り出すとき,玉に書かれた数の和が5になる確率を求めなさい。
 ただし,箱A,箱Bのそれぞれにおいて,どの玉の取り出し方も同様に確からしいとする。

【会話】
咲子:(I)の答えは①(下線開始)$${\dfrac{1}{4}}$$(下線終了)だよね。
健太:そのとおりだね。それでは(II)の方はどうかな。
咲子:②(下線開始)2個の玉に書かれた数の和は,3,4,5,6,7,8の6通りあり,和が5になるのは1通りだから,答えは$${\dfrac{1}{6}}$$になる(下線終了)と考えたよ。
健太:その考え方は,正しいのかな。もう一度,一緒に考えてみよう。

(1) 【会話】の中の下線部①について,この確率の意味を正しく説明している文を,次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。

ア 1個の玉を取り出してもとに戻すことを4回行うとき,かならず1回,3が書かれた玉が出る。
イ 1個の玉を取り出してもとに戻すことを4回行うとき,少なくとも1回は,3が書かれた玉が出る。
ウ 1個の玉を取り出してもとに戻すことを4000回行うとき,ちょうど1000回,3が書かれた玉が出る。
エ 1個の玉を取り出してもとに戻すことを4000回行うとき,1000回ぐらい,3が書かれた玉が出る。


(2) この【会話】の後,咲子さんは下線部②の考え方がまちがっていることに気づきました。
 (II)について,答えを求める過程がわかるように,樹形図や表を用いて説明を書き,正しい答えを求めなさい。

分類 (1)1 偶然1回の確率、数学的確率、確率の意味 (2)17

(1)は本文読まなくても・・・

 (1)は特に本文を読まなくても解けるのですが、逆に確率の本質を理解しているか? という問題です。答はなのは大丈夫ですか?

(2)のポイントは?

 (2)は、何が「同様に確からしい(等確率)」のか、ということですね。今日交通事故に「遭う」か「遭わない」か2通りだから、今日あなたが交通事故に遭う確率が$${\dfrac{1}{2}}$$,ではありませんよね。今日交通事故に「遭う」のと「遭わない」のは、同様に確からしい事柄ではないから、その確率はこのようには求められません。確率をこのやり方で求められるのは、すべてが同様に確からしいことがらのときだけでした。

 そして、数学の問題では、同様に確からしいことがらを全部並べるために図や表をかくのです。この場合は2つの偶然が別々に起こっていますので、X型の表になりますね。

 この12通りの取り出し方が,同様に確からしいことがらです。なので、確率が計算で求めることができるのです。和が3,4,5,6,7,8になる6通りは、同様に確からしくおこることがらではありません。

(1)
(2)玉の取り出し方は12通りあって、これらは同様に確からしい。このうち,数の和が5になるのは図の○がついている3通り。したがって,求める確率は$${\dfrac{3}{12} = \dfrac{\bold{1}}{\bold{4}}}$$
正しい答え:  $${\dfrac{\bold{1}}{\bold{4}}}$$


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