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山口県|公立高校入試確率問題2021

 この年の山口県では、確率のいろんな問題が出されています。

確率について,次の(1)~(3)に答えなさい。
(1) あたる確率が$${\dfrac{2}{7}}$$であるくじを1回引くとき,あたらない確率を求めなさい。

(1)は“じゃない方”

 最初は”じゃない方”を求める問題です。公式をちゃんと覚えているかどうか、覚えていれば一瞬で答えが出る問題ですね。

 $${1-\dfrac{2}{7}=\bm{\dfrac{5}{7}}}$$

何回も偶然が起こる時の確率の意味

(2) 1枚の硬貨があり,その硬貨を投げたとき,表が出る確率と裏が出る確率はいずれも$${\dfrac{1}{2}}$$である。
 この硬貨を多数回くり返し投げて,表が出る回数を$${a}$$回,裏が出る回数を$${b}$$回とするとき,次のア~エの説明のうち,正しいものを2つ選び,記号で答えなさい。
ア 投げる回数を増やしていくと,$${\dfrac{a}{b}}$$の値は$${\dfrac{1}{2}}$$に近づいていく。
イ 投げる回数を増やしていくと,$${\dfrac{a}{a+b}}$$の値は$${\dfrac{1}{2}}$$に近づいていく。
ウ 投げる回数が何回でも,$${a}$$の値が投げる回数と等しくなる確率は0ではない。
エ 投げる回数が偶数回のとき,$${b}$$の値は必ず投げる回数の半分になる。

 はひっかからないように。多数回繰り返すと、$${a}$$と$${b}$$はほぼ同じ数になると考えられるので、$${\dfrac{a}{b}}$$の値は1に近づきます。の$${a+b}$$は投げる回数を表しているので、$${\dfrac{a}{a+b}}$$の値は,表が出る相対度数を表しています。(アとイは両立しないので、この時点で、アとイの両方正しい、ということはあり得ません。どちらかが正しいか、どちらも間違えているかのどちらかになります。)
は、10回投げて、10回とも表が出る、ということはないような気もしますが、完全にその可能性が0、とは言い切れません。これが100回、1万回、1億回・・・でも同じです。0に限りなく近づくでしょうが、完全に0になるとは言い切れません(万に一つ、億に一つ、兆に一つ・・・の可能性は残されています)。
は、必ずちょうど半分になるとはかぎりません。1000回投げて、表が499回・裏が501回になる、ということはありそうですね。
消去法で、イと、あともう一つ、アはあり得なくて、エじゃないからウ、という答え方でも、自信をもってウと答えられる人もいるかもしれませんが、とにかくウの選択肢がキーになっている問題、と思います。

3枚取り出すときの樹形図

(3) 右の図のような,数字1,2,3,4,5が1つずつ書かれた5枚のカードが入った袋がある。
 袋の中のカードをよく混ぜ,同時に3枚取り出すとき,取り出した3枚のカードに書かれた数の和が3の倍数となる確率を求めなさい。

 偶然は3回起こっていますので、樹形図を書きます。同時に取り出しますので、順序は関係ありません。「小-中-大」になるように並べていきましょう。

 すべての場合の数は10通り、そのうち和が3の倍数になるのは,図から4通り。求める確率は$${\dfrac{4}{10}=\bm{\dfrac{2}{5}}}$$

(1)$${\bold{\dfrac{5}{7}}}$$  (2)イ,ウ  (3)$${\bold{\dfrac{2}{5}}}$$

【研究】問題を解いたあとに

 (3)では、5枚のうち3枚を同時に選ぶときには、2枚が残されるので,残された2枚を考える、という手もあります。
 取り出した3枚の和が3の倍数のとき、(1~5の5枚の和が15、つまり3の倍数なので)残された2枚の和も3の倍数になります。選ぶ順序は関係ないのでC型の表をかくと、

となり、やはり求める確率は$${\dfrac{4}{10}=\bm{\dfrac{2}{5}}}$$です。

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