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京都府中期|公立高校入試確率問題2024

 赤玉が2個,白玉が2個,黒玉が1個の合計5個の玉が入っている袋がある。この袋から玉を1個取り出し,取り出した玉を袋にもどさずに,玉をもう1個取り出す。このとき,取り出した2個の玉の色が異なる確率を求めよ。ただし,袋に入っているどの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。

分類:30.5 【研究】取り出して,戻さずもう1回。だけど取り出す順序は実は関係ない

表で考えてみます。

 赤玉2個に区別がつくように1,2の番号をつけます。白玉2個にも同様に③と④,黒球に[5]の番号をつけて,表をかきます。

 起こりうるすべての場合は20通り。このうち,取り出した2個の玉の色が異なるのは

 16通りありますので,その確率を求めると,$${\dfrac{16}{20}=\dfrac{4}{5}}$$です。

スピードアップのために

 問題文に沿って素直に解いてみたのですが,実はもう少しスピードアップできます。

 1回目に1の玉,2回目に2の玉をとりだすことを(1,2)と書くことにすると,判断基準は1回目・2回目に取り出したものの色が異なるということでしたので,その順番を変えても,同じことです。
 つまり(1,2)・(2,1)をひとまとめにして改めて{1,2}と書くことにすると,(1,③)と(③,1)をひとまとめで{1,③},同じように{1,④},{1,[5]},{2,③},{2,④},{2,[5]},{③,④},{③,[5]},{④,[5]}をひとまとめにすると,これら10のことがらが起こることは,「同様に確からしい」ことがらになります。
 つまり,2個同時に取り出すときと同じに考えることができます。

 このように考えると,起こりうるすべての場合は10通りで,そのうち条件を満たすのは,8通りですから,求める確率は$${\dfrac{8}{10}=\dfrac{4}{5}}$$。確率はもちろん上の考え方で求めたものと同じになります。

もっとスピードアップのために

 ここまで思いついたら上級者だと思うのですが、「2個の玉の色が異なる」じゃない場合、つまり「2個の玉の色が同じ」場合を考えると、もっと早いですね。表を書くまでもなく、1と2、③と④の2通りしかありません。全部の場合の数から引き算して当てはまる場合の数を求めるのもいいですし、「じゃない方」の確率を求めて$${\dfrac{2}{10}=\dfrac{1}{5}}$$、1から引いてもいいですね。
 まあ、思いついたらの結果論ですかね。

$${\bm{\dfrac{4}{5}}}$$

たぶん,いろんなところには樹形図で書いてあるので。

 このnoteのシリーズでは,偶然が2つあるなら,それは表で考える,というやり方をしていますが,樹形図をかいて考えてもいいでしょう,というか,教科書はそうしているし,多くの解答の紹介にもそう書いてあることと思います。

 樹形図の嫌いなところは,図そのものがグチャっとしちゃうところです。そして,さっきの考えで行くと,{①,②}と{②,①}をひとまとめにして,「同様に確からしい」ことがらにしてよいとすると,樹形図は次のようになります。

 これが思いつかないと,樹形図が2倍になります。


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