沖縄県|公立高校入試確率問題2024
分類:24.5 【研究】プレゼント交換の確率
4人でプレゼント交換
偶然はA,B,C,Dの4人に起こりますから,樹形図をかいて考えることにします。
ですから,プレゼントの受け取り方は全部で24通りとなります。
まあ,Aさんがaが当たる6通りのところで,後3つ,と考えれば24通り,と計算もできますが,この後の問題では,ぜんぶの樹形図がやっぱりほしくなるので,すべての場合をかいておきます。
自分のプレゼントは欲しくない
こういうプレゼント交換をするとき,一番避けたいのは,自分の用意したプレゼントが結局自分に回ってきてしまうことではないでしょうか?(自分の欲しいものを買っておいて,他人に当たったら,しれっと「それとこれ交換しない?」ってゲットしてしまう猛者も知っていますが。)
自分がAさんだったとして,自分のプレゼントaが当たってしまう場合は,さっきの樹形図で6通り。
aが当たらない場合は18通りですから,その確率は$${\dfrac{18}{24}=\dfrac{3}{4}}$$。そこそこの確率で自分のもってきたプレゼントが自分に当たるわけです。
みんな自分のプレゼントは欲しくない
では,BさんもCさんもDさんも,みんな自分で持ってきたやつじゃないのが当たる確率はどのくらいでしょうか。
やはりさっきの樹形図で数えてみると,当てはまるのは
9通りです。ですから,求める確率は$${\dfrac{9}{24}=\dfrac{3}{8}}$$。思ったよりは,ばらばらにあたるような気がしますが,皆さんはどうですか?
答
(問2)もう少しスピードアップするために
自分がAさんだったとして,自分のプレゼントaが当たらない場合ですが,もう少しあっさり考えることにします。
最初に自分(Aさん)が4つのプレゼントのうち自分の用意したプレゼントaをふくむ4つのうちから1つ配られます。自分の受け取ったプレゼントが自分のものかどうかだけを考えてしまえば,自分のものではないのは4つのうち3つ,ということで確率$${\dfrac{3}{4}}$$と考えてしまえば,手っ取り早いですね。
このとき,ほかの人がどのプレゼントをもらおうが気にすることはないのです。(ちょっと自己中心的な態度ですが,数学の問題を早く解くにはその方がいい?)
問題を解いた後に
元ネタ・・・
プレゼント交換は,経験したことのある人も多いのでは,と思うので,問題の状況はイメージもしやすいでしょう。数学的には「完全順列・かく乱順列」と名前がついていて,大学入試でも顔を出します。
そういえば,高校入試でも頻出のテーマとしてあってもいいのではと思うのですが,あまり出会いませんね・・・ が,沖縄県がなぜ今年これを出題? と思ったら,実はこの問題には「元ネタ」があるのです。
思いっきり問題文コピペしてて”元ネタ”を隠そうとしないのが愛おしいです。でも問題としては中学生向けにちゃんと整理されていて,公立高校入試向けのいい問題になっています。出題者グッジョブ!
【研究-上級・高校生編】かく乱順列と確率
プレゼント交換の人数が増えれば増えるほど,自分自身が自分のもってきたプレゼントをもらう確率は,上の理屈からどんどん小さくなっていく,ということもわかるかと思います。$${n}$$人でプレゼント交換すれば,自分の用意したプレゼントaが当たる確率は$${\dfrac{1}{n}}$$となりますね。
では,(3)のように$${n}$$人でプレゼント交換したときに,参加した人全員が,自分の用意したプレゼントに当たらない確率はどのくらいでしょうか。
数学的に計算をすると,どんなに人数が増えても必ずどのプレゼントも,用意した人じゃない人の手元にわたる確率は36.8%よりも小さくならないのです。ちょっと不思議ですね。
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