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UTAPIO - EP

UTAPIO』は、いつか変わる世界の手前にいる感じで、いまその中間にあるような歌やメロディーなどを織り混ぜながら、いくつかの環世界を仮構してみたエレクトロニカ作品です。2017年に配信リリース。

薔薇科三組」は、短めのボカロ曲で、アニソンのような曲。この曲は、AIチャットボットのように、言葉を発している主体がヒトなのかAIなのか、そのどちらでもあるかのような意識みたいなものをイメージしながら、ヒトだけを含んで閉じているわけではない「わたしたち」を想定してつくりました。言葉の意のようなものが「特定の誰か」に収斂されずに、脈絡もないかのような。でもバラバラではなく、ひとまとまりな歌唱です。

名称未設定 2

薔薇科三組はじまるよ
風船ロボで行け!
ビックリドンが弾けて((+_+))
跳んだシステム調子やばい
キセキまであと5秒
♥ノ中身イマ検索中デス
法則が書き換わる
来るぞワルサーグロッキー
ですね。〇ですね。×グーな
〇※連鎖 うぇい。
それは「闇」ですか?
それわあああああああw
ですよね。
ニセモノパーQ
ねえ「心」ってなんだっけ?
茜色の空がきれい
よるまじは みくんさからば(←)
キラキラと好きになって
★★★★★なの満点あげる
経験の紅い薔薇が
宇宙と交信中だよ☆彡
おーい●何それ?やだ
は?は?は?
ドッキリ・ゲームでアウト
今度地球に来たら
あの空が見たい

歌詞の「よるまじは みくんさからば(←)」の箇所は、歌いだしの「薔薇科三組はじまるよ」をリバース再生させて歌っています。

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utapioタイトル画

「薔薇科三組」のつぎ、「ソラ・アノヒ・ヴァーチャル」からはインスト曲です。規則と不規則の関係とか、持続と変化とか、繰返し(リピート)や繰返さない(1回限り)とか、そんな、パターン/ランダムネスな展開をしています。

ソラ・アノヒ・ヴァーチャル

3曲目の「イドラ・ネビュラ」は、12/8拍子、48小節、テンポ96、タイム180秒と、12の倍数からなっています。また、ドラムの打ち方は同じパターンを繰り返さないランダムなものなのですが、スネアとバスドラがそれぞれ「12拍×12回=144回」ずつ叩いていて、こちらも12の倍数に。この曲はイドラの星雲のように輪郭が不透明で、模糊としています。

ラストはタイトル曲「UTAPIO」。「Io U To Piatio Utapio…」から始まる冒頭は、何語でもない言葉を話すメディウムがつくりだす環世界ーー、そして「Mediumweltocene」は、「Medium」「Umwelt」「Anthropocene」の3つの言葉を繋げた独自言語です。

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「UTAPIO」はこのEPのなかではもっとも長く、曲中、綿々と色々なことをしていて、たとえば、サイコロを転がして音符を決めた箇所が…。ピアノ演奏の部分なのですが、「35/32」など半端な拍子も混在しています。

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UTAPIO
[Link] [Lyrics]

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