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欧州型リーグに戦力均衡は必要?~プロスポーツ考察 その③~

どうも。プロスポーツがどうやって稼いでいるのか、おはようからおやすみまで四六時中考えているTaiyoです。

前回のnoteでは、プロスポーツリーグは「結果の不確実性」「競争状態の維持」があるからこそ魅力的で、そこに価値があり稼ぐことが出来る。と書いてみました。

「結果の不確実性」「競争状態の維持」をどう表現するかは、そのプロスポーツリーグの根幹であり、シーズン勝者である優勝を決める仕組みに関わってきます。

プロスポーツリーグの仕組みには、大きく分けて欧州型(オープンリーグ)と米国型(クローズドリーグ)の2つがあります。今回は欧州型について書いてみます。

欧州型(オープンリーグ)の特徴

欧州型の最大の特徴は、「ピラミッド状のリーグ階層制」と「昇降格制度」です。トップリーグを頂点として2部リーグ、3部…とあり、通常は同じ階層のチーム同士でシーズンを戦います。そしてシーズン最終戦が終わると、上階層の下位チームと下階層の上位チームが入れ替わり、次シーズンは違うチーム同士がシーズンを戦う事になります。

この仕組みは、成績さえ良ければリーグ階層を駆け上がる事も可能で、新規参入チームにもチャンスが開かれていることから「オープンリーグ」と呼ばれています。

欧州型は「競争状態の維持」に優れている

この欧州型の優れている点は、「昇降格」がある事により上位チームは優勝争い、下位チームは降格を避ける争い、とシーズンの最後まで何らかの競争が行われる点です。
つまり「競争状態の維持」を表現することに優れていると言えます。シーズンの最後までどの試合にも価値を与える事が出来て、それによりどの試合にも見どころが生まれ稼ぐことが出来ます。

欧州型は「結果の不確実性」が損なわれる

しかし、そのリーグ構造上どうしても戦力格差が固定化する、つまりどちらが試合に勝つか分からない「結果の不確実性」が損なわれやすくなります。
サッカーでは弱小チームが強豪チームに勝利すると「ジャイアントキリング」という言葉で表現しますが、それは前提として「ジャイアント=圧倒的な強豪」が存在する事を示しています。
トップリーグと2部リーグならトップリーグに人気、有力選手、資金が集中します。自らが「トップ」と名乗っているわけである意味当然です。結果としてリーグ階層間の戦力格差がどんどん進みます。
また同じ階層でも、優勝争いをするグループと下位争いをするグループは固定化されやすくなります。優勝争いをすれば人気も金も集め易くなりそれをチーム強化に再投資してさらに強くなる、下位争いをすれば規模の小さい下部リーグで戦うはめになりチームの体力を奪われる訳です。これも当然の流れです。

じゃあ戦力格差を無くせば…でもどうやって?
トップリーグだけで戦力均衡を行えば2部以下との格差は絶望的に広がるだけ。2部以下も含めて戦力均衡を…それってもう「成績ごとに決めてる」階層分けの意味が無いですよね?

Jリーグがドラフト制度を採用しない理由

そうです。Jリーグにドラフト制度を採用しない理由は「オープンリーグ」だからです。そしてそれはリーグの根幹であり今さら変更する事は不可能です。オープンリーグに戦力均衡を促す制度は必要ではない、そもそも均衡を促す事はリーグ構造自体を否定する事になるのです。

※NPBと同様、ストーリー性を持たせる為にドラフト制度を利用する、という考え方はあるかもしれません。しかしJリーグは「ユース制度」という地域密着型の成長ストーリー性を獲得しています。

※また最大の理由としてJリーグ、というよりサッカー界は、アマとプロの境界線が広く曖昧です。ドラフト制度という「アマ」から「プロ」への通過儀礼が意味をなさないのです。

次は米国型(クローズドリーグ)について

欧州型はシーズンを通して「競争状態の維持」を表現できる。

欧州型は戦力の固定化によって「結果の不確実性」が損なわれやすい。

欧州型はその構造上、「戦力均衡」を促す制度を必要としない。

いかがでしょうか。「サッカーにはドラフトは相応しくない」のではなく「サッカーは欧州型だから戦力均衡とは馴染まない」と思えてきたのでは?

次回は米国型(クローズドリーグ)について書いてみます。ただプロ野球は少々制度が歪なので、NBAを例にお話する予定です。まとまるかな…

追記:続き書きました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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