ドラフト制度ってそもそも何だっけ? ~プロスポーツ考察 その①~
どうも。プロスポーツがどうやって稼いでいるのか、おはようからおやすみまで四六時中考えているTaiyoです。
このnoteでは、本日2019年10月17日にプロ野球で行われるドラフト会議を話のネタに「そういえばドラフトって何でやってるんだっけ?」を考えてみたいと思います。
ドラフト制度とは「戦力均衡」を目的とした「選手分配」である
さっそく結論です。ドラフトはその多くの場合、成績下位のチームが優先的に獲得選手を選択出来る制度(ウェーバー方式)です。ドラフト制度の大きな目的は、弱いチームに有力選手を与えて各チームの戦力格差を小さくする「戦力の均衡」です。
※プロ野球(NPB)は1位指名権の選手が競合した場合、くじ引きで決定します。一見すると戦力均衡というドラフトの目的から大きく逸れますが、「くじ引きに一喜一憂する」というドラマ性は非常に面白く、人々の関心を得る事が出来ます。その本来の目的から逸脱しますが、入口からストーリー性を持たせる事が出来るドラフト会議は、NPBというプロ興行において大きな意義があります。
※また野球のゲーム特性上、投手か野手か、野手もポジション毎の役割が明確化されており、一人のスーパー選手が与える戦力への影響度が低くドラフトだけで戦力が大きく左右されない事も、ドラフトくじ引きが容認される一因と言えます。
ドラフト制度とフリーエージェント制度
しかし、ドラフト制度はそれ単体では全く「戦力均衡」という目的を果たせません。ドラフト制度は、新人選手が数年後に自由に所属チームを選択出来るフリーエージェント制度(FA)と併用する事で初めてその効果を発揮します。
ドラフトは言わば新人選手の就職先を勝手に決められてしまうルールです。「職業選択の自由が~」という視点はこの際無視です。入口だけ「戦力均衡」のルールを作っても、選手が流動的に動けなければ戦力格差が固定化され「戦力均衡」が果たせません。
入口は勝手に決めるけど、その後はリーグの中で選手をグルグル回して「戦力均衡」に近づけるよ~、というのがFA制度です。
ここで重要になるのは「選手はそのリーグの”中”で流動的に移動する」という発想で制度設計されている点です。NPBを例に言い換えれば、プロ野球選手とは「日本プロ野球機構という組織の中で働き、所属球団はその組織の一部署みたいなもの」と捉える事が出来ます。
※しかしNPBのFA制度は議論が始まった92-93年当時「選手による選択の自由」が大きく取り上げられて導入された経緯があり、「戦力均衡」についてのFAの役割はほとんど議論されず、FAの制度趣旨と実際の運用はかなり乖離しています。古い記事ですが以下ご参考に。
ドラフト、FA、サラリーキャップはセット運用
また、NPBには存在しませんが、「サラリーキャップ」という年俸総額の上限を決める制度があります。サラリーキャップについてはWikiを参考にして頂くとして、サラリーキャップは、FAで流動化した戦力がある一方に偏らないように「均す」役割をもっています。よって本来FAとサラリーキャップもセットで運用しなければ「戦力均衡」は成しえません。
ドラフト ⇒ リーグへの入口で戦力(選手)を分散させる
FA ⇒ リーグの中で戦力(選手)をグルグル流動化させる
サラリーキャップ ⇒ 流動化した戦力が偏らないように均す
そもそも「戦力均衡」って必要なの?
では、なぜプロ野球が採用しているドラフト制度を、Jリーグも採用しないのでしょうか?Bリーグには今後必要になってくるのでしょうか?
じつは「戦力均衡」とはプロスポーツリーグにおいて必ずしも必要な要素ではないのです。
「は?」と思ったあなた。そうです実はここからが本題、私がおはようからおやすみまで考えている事だったりします。
次回以降は「戦力均衡」と「プロスポーツリーグの形態」、さらに私のホームスポーツと言えるバスケットボール「Bリーグの今後」について書きます。各予定です…書き上げる自信無し。
追記:続き書きました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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