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TRPG制作日記(258) キャラクター背景(ルールブック第三章) 覚醒宣言

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは、参加者がゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターが進行を行い、プレイヤーが物語のキャタクターを演じる即興演劇です。

シナリオはゲームマスターのみが読み、プレイヤーは台本に該当するキャラクターシートのみを見てシナリオ内容は知りません。


現在、このTRPGのルールブックを制作しています。今回制作していくのはルールブックの第三章、キャラクターシートに関する部分の一部です。

なお、キャラクターシートは以下の基本ルールに基づいて制作されます。


■ルール8(キャラクターシートⅠ) キャラクター設定には外見、名前、年齢、性別、性格(アマテラスワールド)、宇宙都市の六項目がある。外見のみが絵で、他は文字列で記入される。能力値には容姿、経済、運動、社交、技術、ランクの六項目があり、すべて1から10までの数字である。自己肯定感は50からは始まりプレイ時に変動して、最小値は0で最大値は100である。プロフィールは250字以下の文章で記述され、デッキには六枚のアマテラスカードが登録される。

■ルール9(キャラクターシートⅡ) キャラクター背景には非公開情報などが800字以下の文章で記述されている。キャラクター目的は最大四つの項目があり、それぞれに点数が設定されている(四項目の合計値は100)。これらはプレイ開始後にキャラクターシートに書かれている指示に従い徐々に効果的に公開していく。また、禁止事項は守るべき項目だがゲームマスターの指示が優先される。絶対非公開情報はロールプレイの参考のために書かれており公開しない。


ルールブック第三章『

キャラクター背景

 キャラクター背景とはカードプレイヤーが秘密にしている個人情報である。キャラクターシートⅠに書かれている情報、キャラクター設定、能力値、自己肯定感、プロフィールとデッキはプレイ開始前に他のプレイヤーに公開されているだけではなくて、他のカードプレイヤーも把握していることがプレイの前提となっている。対照的に、キャラクターシートⅡの情報は他のプレイヤーに公開せず、また同時に他のカードプレイヤーも知らないことが前提である。プレイ開始時点で、基本的には、プロフィールの内容を把握しているのはそのカードプレイヤーを担当するプレイヤーとゲームマスターのみである。キャラクターシートⅡの内容は非公開情報と呼ばれており、この点でキャラクターシートⅠのプロフィールとは異なる。キャラクター背景に書かれている情報は、基本的には、カードプレイヤーとそれを演じるプレイヤーだけが知っていることが普通だが、特定のカードプレイヤーだけが密かに情報を共有していることもある。しかし、この場合もプレイ前に打ち合わせをすることはない。キャラクターシートⅡに書かれている内容は、自己紹介で公開しないだけではなくて、キャラクターシートⅡ自体を他のプレイヤーに見せたり触らせたりすることもない。
 非公開情報だが、それはプレイ開始前の段階においてであり、プレイが開始されるとキャラクター背景とキャラクター目的、禁止事項に書かれている指示を尊重して、徐々に内容を公開していくことは許される。例えば、キャラクター背景に「人物Aのことが好きだが思いを隠している」と書かれていて、キャラクター目的に「花を渡して人物Aに思いを告白する」と書かれている場合は、キャラクター背景に「人物Aのことが好きだが思いを隠している」と書かれていても、プレイ中に、人物Aに告白することで人物Aが好きなことを公開してしまうことは許される。以上のように、キャラクター目的から公開しなくてはならない場合ではなくても、プレイの流れから、自然に情報を公開していくのがキャラクター背景の内容である。また、キャラクター背景にも特殊能力と持ち物が書かれている場合があるが、これもプレイ中に公開できる。強力なアマテラスカードを密かに隠し持っているが、強敵と対戦するときにデッキに入れることは可能である。キャラクター背景には他のカードプレイヤーの秘密が書かれている場合もあるが、それを暴露することも許される。
 徐々に公開可能な情報とは異なり、キャラクター背景にはプレイ開始前だけではなくてプレイ中にも公開することが禁止されている情報がある。このように、プレイで絶対に公開しない情報は絶対非公開情報と呼ばれていて、「『彼女の正体は妖怪である【絶対非公開情報】』」のように『』で括られて、その情報が絶対非公開情報であることが明記されている。絶対非公開情報はロールプレイのためだけに利用する情報であり、プレイ中に他のカードプレイヤーから訊ねられても曖昧に誤魔化すことが好ましい。もちろん、プレイ終了時点で互いのキャラクターシートⅡを見せ合うときに、この絶対非公開情報は他のプレイヤーに知られることになるだろう。しかし、物語の登場人物であるカードプレイヤーは絶対非公開情報の内容を知ることはない。多くのシナリオが続くキャンペーンにおいても絶対非公開情報は秘密のままであり続ける。絶対非公開情報はロールプレイで参考にするためだけに存在しており、シナリオ目的やキャラクター目的を達成するために使用されることはない。
 隠された特殊能力や持ち物と同じように、キャラクターシートⅡには覚醒宣言が書かれている場合がある。覚醒宣言とは、その内容を宣言することでキャラクターシートⅠの情報を書き換える行為である。キャラクターシートⅠとキャラクターシートⅡは対になる情報だが対等ではない。キャラクターシートⅠのキャラクター設定や能力値、プロフィールは表面的な情報、あるいは自己申告であり偽りの情報が含まれている場合がある。キャラクター設定に男性と書かれていても実は女性の場合があるかもしれないし、高校生の振りをした四十代の男性かもしれない。宇宙都市の高校生の振りをして、正体はアマテラスワールドの妖怪である可能性もある。偽名の可能性もあるし、何らかの方法で容姿を偽っているかもしれない。庶民の振りをして財閥令嬢かもしれないし、アマテラスカードゲームの技術を隠しているかもしれない。キャラクターシートⅠに書かれているデッキ以外の情報は偽りの可能性がある。そして、告白することで、偽りの情報を真実の情報に書き換えるのが覚醒宣言である。
 キャラクターシートⅠに書かれているのは目に見えている姿であり、キャラクターシートⅡに書かれている内容こそが現実の姿である。つまり、カードプレイヤーは平面的ではなくて立体的である。呪い等による制限がかけられていない限り、または絶対非公開情報ではない限り、覚醒宣言は任意に宣言できる。宣言された瞬間に、キャラクターシートⅠの内容は書き換わり、行為判定では能力値が上昇して、対戦プレイ中なら一度に振ることができる六面ダイスの回数が変化する。原則として、能力値が関係する情報は覚醒宣言により上昇することはあっても減少することはない。初心者が熟達者のようなプレイはできないし、経済や運動、社交なども偽りにより高く見せることはできない。ランク9のカードプレイヤーが平安時代にしか行けないと嘘をつくことができても、時代の入場権は人工知能による機械処理が行われるので、ランク2のカードプレイヤーがランク9と偽ることで江戸時代に入ることはできない。しかし、容姿は例外である。創意工夫で容姿7が容姿9になることはできる。
 カードプレイヤーは他のカードプレイヤーへの敵意を隠している場合があり、それはキャラクター背景に書かれている。そのため、特定のシナリオでは、露骨に人対人の対立の要素が存在する。プレイヤーには他のプレイヤーとの競争が苦手な人もいるので、ゲームマスターは注意する必要がある。参加者の人柄を見てシナリオを選ぶか、逆にシナリオを楽しめるような参加者を集めると良いだろう。他のカードプレイヤーと協力してシナリオ攻略を目指すのが好きな参加者が多い場合は、キャラクター背景に他のカードプレイヤーへの敵意が書いておらず、かつキャラクター目的がシナリオ攻略に協力的なシナリオを選ぶと楽しめるだろう。逆に、駆け引きや、あるいはシナリオに驚きなどを求める参加者が多いと思ったらシナリオ目的に敵対的なキャラクター目的を持つカードプレイヤーが含まれていたり、キャラクター背景に他のカードプレイヤーを害するような思いが書かれているシナリオを選んでも良い。また、初心者は素朴なキャラクター背景のカードプレイヤーを割り当てると良いだろう。
 キャラクター背景は八〇〇字以内という制限があるが、プロフィールとは異なり文字制限ぎりぎりまで書かれていることはまれである。また、プレイのための簡単な助言が書かれている場合もある。

』ルールブック第三章

今日は以上です。読んでいただきありがとうございました。

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