見出し画像

【詩】スケープ・ゴースト・ライター

この街の話が聞きたいと?
どうして俺に聞くんだい?
……いいや、君は純朴だ。
大人の俺とはおおちがい。

その通り、俺は物書きさ。
新聞記者で、小説家。
俺の名前はどこにもない。
スケープ・ゴースト・ライターだ。

なんでも聞けよ。
なんでも知ってる。
この街が生まれた時のこと。
この街が消える時のこと。
君がここに来た時に、
君に何があったのか。

何せ俺は媒体だ。
あらゆるものを繋ぐ橋。
疎まれることもまあ、あるが、
便利で悪くはないだろ?
それとも、
君も俺が嫌いかな?


舞台『スケープ・ゴースト・タウン』の原作詩、3篇目です。
公演の詳細&ご予約はこちらから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?