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【投資とEnglish】-徹底比較!日本とアメリカ、経営陣の経歴の書き方の違い

Hello everyone。これからも頑張って週1回のペースは守って記事の更新をしていきたいと思います。前回投稿した記事も多くのPVをいただいてちょっとやる気がでてきました!

さて今回のテーマですが、日本とアメリカ(厳密に言うと欧米)で経営陣経歴の経歴の書き方の違いがあることに気がつきました。かなりニッチなテーマですが、この違いについてフォーカスしたいと思います。投資先を選ぶときにはビジネスモデルも大切ですが、同じくらいにWhat ではなくWho、だれがビジネスを進めていくのかとても重要になってきます。どれだけ素晴らしいアイデアがあっても実現する熱量とセンス、推進力がないとビジネスは失敗します。特にエネルギーが求められるスタートアップとなればなおさらです。

前回の記事でもピッチデックに必ずある項目として経営陣の経歴コンテンツを紹介しました。例えばA社長という人の経歴が書かれていた場合に、この人物が全く同じことを経験していても、欧米企業と日本企業では書き方がまるっきり変わって面白いのです。(以下前回記事)

ではいくつか事例を参考に経営陣の経歴がどのように紹介されているのか、構成と表現の2軸で見ていきましょう。参考企業として2019年度時価総額ランキングの日米TOP10から異なる業種を数社ピックアップしたいと思います。日本代表🇯🇵はトヨタソフトバンクの2社、アメリカ代表🇺🇸はマイクロソフトAmazonVISAの3社といきましょう。

1.構成

まずは経営陣の構成ですが、大体の企業は製品やサービスの紹介をするWEBサイト以外にコーポレートサイトと呼ばれる企業紹介に特化したページを持っています。その中で日本の場合は役員一覧という表現で経営陣を紹介します。アメリカの場合はManagement Team もしくは Leadershipという表現を使います。もし日本語の役員一覧をそのまま訳せばBoard members とか、Company Ofiicers ってなるのかな。日本は淡々と事実を表現し、アメリカは少し含みをもたせて表現をする傾向が見られます。

日本🇯🇵の場合

氏名、役職、生年月日、学歴、職歴の5点セットが主流でしょうか。本当にシンプルで必要最低限の内容が記載されています。以下のイラストのような構成をよく見ると思います。人物写真がないケースもありますね。トヨタもソフトバンクもこのスタイルです。念のため他の時価総額TOP10企業をチェックしましたが、どこも同じでした。あくまで会社によって違うので、独自の表現の仕方をしている会社があったら教えてください🙇‍♂️ (※余談ですが私の職場であるBEENOSの役員紹介ページは日本式と欧米式の間くらいでしょうか?)

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アメリカ🇺🇸の場合

氏名、役職、職歴、実績、出身地、学歴、ボランティア/社会貢献活動などを盛り込んでアピール重視の構成となっています。例えばAmazonのジェフベゾスはフォーブスが選ぶTOP100の経営者などに選ばれているという内容を記載しています入。またどこの会社の役員もSNSを使う時代です。マイクロソフトCEOのサティアナディアは自身のtwitterやFacebookのリンクが配置したり、自身の宣材写真がダウンロードできる機能をつけていたりします。VISAの経営陣紹介が一番オーソドックスで欧米では主流の構成になっているように思います。それでも235単語1205文字という日本を圧倒するコンテンツ量です。日本とのGAPに驚きますよね?😁

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2.表現

紹介文の文中で使われる表現に日米の一番の違いが現れると思います。

特徴1:功績のアピール MicrosoftのサティアCEOの経歴から

Joining Microsoft in 1992, he quickly became known as a leader who could span a breadth of technologies and businesses to transform some of Microsoft’s biggest product offerings.

この一文を私なりに翻訳すると「彼は1992年にマイクロソフトに入社し、テクノロジーとビジネスを熟知し、この知見からマイクロソフトの最大の製品のいくつかを変革した。この功績もあり彼のリーダーシップは早くも社内において知られるようになった。」となる。このケースでは自社内の実績を紹介しているが、もし入社まもない場合だと前職の実績をしっかり書くことになる。

これだけみても凄いGAPを感じませんか?全面的にアピールを盛り込み、span a breadthという詩的な表現まで使う感じ、本当に興味深いです。


特徴2:得意分野のアピール AmazonのShelly (vice president)の経歴から

 At Deloitte, Ms. Reynolds specialized in matters related to mergers & acquisitions and the Securities and Exchange Commission, serving multiple publicly traded multi-national corporations from a broad range of industries.

この一文を私なりに訳すと「レイノルズさんは前職デロイトで主にM&Aと証券取引委員会に関連する業務を行い、担当企業の業界は幅広く、いくつもの国際的に事業展開する上場企業を担当した」となります。具体的にカバーする分野がどこなのか明確に示しているケースがほとんどです。

日本の場合は表現という表現がなく、あのグローバルカンパニー"ソフトバンク"の役員紹介ですら、典型的な日本式です。もしかすると!と思いソフトバンクの役員紹介ページで言語設定を英語にかえてみると・・・・構成は変わりませんでした。文章は英語になっても日本式の紹介のままでした😅

3.総評

結論:アピール文化の強い欧米の特徴が役員経歴にそのまま出ている!

いかがでしたか?どっちが良い悪いという話ではなく、ビジネス資料にも文化がしっかり出ていることを感じる興味深い切り口だと思って記事にしました。欧米はやはり自己アピールを重視する文化が教育レベルから根付いています。学校の成績もクラス内での発言やコミット度合いなどアピール力が問われます。逆に日本の教育スタイルは黙っていてもテストでいい成績を取ることができれば評価されますよね?これがビジネスシーンにそのまま適用され、上司へのアピール、市場へのアピール、顧客へのアピール、アピール力はどれをとっても欧米の方が得意な企業が多いような気がしています。日本企業もすごい実力をもった役員やマネジメントを抱える会社は多いと思います。是非これを機に欧米式のいいところは取り入れると良いかもしれません。日本には「能ある鷹は爪を隠す」という諺がありますが、ビジネスにおいてはあえて爪を出すことで得られる信頼もあるのではないでしょうか?

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