マガジンのカバー画像

アトリエの小部屋

10
運営しているクリエイター

#子どもとの関わり

アトリエが始まるまでの話②

アトリエが始まるまでの話②

Mはいつもまわりの目を気にしていて、なにをするにも自信がなく、小グループの話し合いでも友達と遊ぶ時でも「なんでもいい」「それでいい」と自分の意見を飲み込むところがあった。「無理」「できないからしない」もよく言っていた言葉だ。少し離れた姉がいろいろとできるようで、母がよく比べていた。

造形の時間は、いつも居心地が悪そうで、ソワソワしたり、まわりの子の様子を真似してみたり、でも上手くできなくて潰した

もっとみる
アトリエが始まるまでの話①

アトリエが始まるまでの話①

年長児から入園してきて、頭の回転とかけっこが早く、リーダー的存在のAがいた。その圧倒的な自信はみんなを強く惹きつけていた。その分、少し強引なところがあってケンカもよくしていた。男の子たちは、Aがすること全てが新鮮にうつったようだった。

その園では造形の時間があった。グループに分かれて、それぞれテーマを決めて土粘土で作品を作った時、Aが友達と一緒に、あるグループの作品を壊してしまった。担任の私より

もっとみる