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【時事抄】 世界一有名なネズミ、だけじゃない

この冬、北海道へ家族旅行へ行きました。スキーとラーメンと海産物を楽しんできましたが、円安が進んで海外旅行に行きにくくなった今、日本国内を再発見するべき時期と割り切ってます。しかし、海外からのインバウンド客を目論んで、ホテル宿泊費が随分高くなったことを実感させられました。

そんな経緯もあり、東京ディズニーリゾートの高級ホテル開業のニュースが目に入ってきました。日本経済新聞の記事を見てみましょう。

<要約>
東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)は国内有数のホテル大手でもある。

23日、今年6月開業予定の新たなホテルを公開した。1泊約34万円を超える客室もある高級ホテルだ。6月6日に開業する東京ディズニーシー(TDS)の新エリア「ファンタジースプリングス」に併設され、同社では6番目のディズニーホテルとなる。

新ホテルは価格帯の違う2棟で構成し、デラックスタイプは1室6万6000円から、同社最高級のラグジュアリータイプで34万1000円からだ。ラグジュアリータイプは室内70平方メートル以上あり、大人4人と12才以下の子ども2人の最大6人宿泊できる部屋もある。

ホテル事業の売上高は、2024年3月期に前期比18%増の869億円と過去最高を見込み、テーマパークとの相乗効果で好調を維持する。23年4~12月期の客室稼働率は99%とほぼ満室で、一般的なホテルの7~8割を上回る。営業利益率は32.6%と、帝国ホテルのホテル事業(10.9%)や西武HDのホテル・レジャー事業(10.5%)を大きく上回る。


同社のホームページにて新ホテルの外観イメージを公開しています。ディズニーらしいファンタジー感あふれる様式美で統一された空間は、テーマパークの中だからこそ建てられるデザインでしょう。ここでしか体験できない唯一無二の雰囲気に魅せられ、高価格でも多くのファンを集めるはずです。

TDRホームページより
TDRホームページより

TDRを運営するOLCの業績を見てみると、売上構成は次のとおり。テーマパーク運営が80%、ホテル事業が15%という、シンプルな事業構成です。ホテル事業もコロナ禍から復調して安定収益を維持し続けています。

記事では宿泊者にさまざまな優遇を用意していることにも触れていました。
・運営コスト抑制のためCheck-In/Outをスマホでできる仕組みを導入
・通常の開園時間より早くパークに入場できる
・日本人の顧客が少ない時期は、海外からの訪日客でカバーできる
 (閑散期に客室単価を下げる必要なし)
・業界で一般的な1人あたりではなく1室あたりの料金を設定して販売、
 複数人での宿泊が割安に感じられる効果がある。
・新エリアのアトラクションを好きな時間にほぼ並ばず利用できる
 新チケットを宿泊者限定で販売する予定

ミッキーマウスというキャラクターデザインだけではなく、ディズニーと聞いてイメージする世界を具現化する力が、この会社の生み出す価値だと思う。米国本家ウォルト・ディズニー社が総合エンターテイメント企業への道を進むなか、焦点がハッキリしているとの対照的な印象があります。

コカ・コーラ株への投資をテコにして世界一の大富豪となったバフェット爺さんが好みそうな、永続的競争優位をもつ会社のひとつでしょう。


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