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大学院でピアラーニングについての学び

先日、定期的に開催される大学院の特別講演会にて「ピアラーニング」について学ぶ機会があり、教員を目指す上でとても学ぶ事が多かったのでnoteにまとめる。今回の講演者は、日本語教育分野でのピアラーニングについて長く研究を行なっている昭和女子大学教授の池田玲子先生。

日本語教育に関係のある方だけでなく、あらゆる教育現場や企業研修などでも応用出来そうな内容なので、実践したい場面を想定して読んでいくと何かしら参考になると思う。

ピアラーニングとは?

学習者同士が協力して学習課題を遂行する協同学習のこと。学習者同士が共に学ぶことで認知的発達の促進、理解の深化、社会的関係作りの経験学習となる。​
伝統的な教育は、教師→学習者、一斉授業型から、学習者の積極性や態度を重視する「アクティブラーニング」であり、学習者同士が協力して学習課題を遂行していく。

グループワークとピアラーニング

ペアワークやグループワークとピアラーニングについての違いの一つに、人数を挙げていた。ペアワーク=2人に対してピアラーニングは3人以上。少人数型なので3~4人位が良いらしいが、それも学習者のピアラーニングに対する慣れ具合によって変わるので、現場の教師が判断すべきとのこと。
グループワークは、人数が多すぎる場合もあり、役割などが偏り積極性のある人とない人が存在するのが課題だが、ピアワークは少人数制にすることで積極的に参加しやすい雰囲気がある。

このような新しい授業スタイルは、大学や高校時代にも経験がある。しかしこれまで私が経験したのは、ピアラーニングではなくグループワーク。発表者や記録など役割を決めるのが面倒だったり、人数が多すぎて参加しない人もいたり、それにも関わらず評価はグルーブ全体のものになるので不平等だと感じたり、あまりいい印象はない。
しかし、これらの不満をピアラーニングは解決してくれるという。

ピアラーニングの授業デザイン

池田先生が実際に大学院の日本語教育学の授業で行なっているピアラーニングのやり方を1つのモデルとして取り上げる。

事前準備 予習
授業で扱う内容について、資料を読みレポートにまとめる。自分の考えも加える。

授業当日 ディスカッション
1人の学生が報告、ディスカッション課題を提示し少人数でテーマについて話す。

活動後 内省
ピア活動の内容を全体で共有する時間を設ける。その後教師が補足や報告者へのフィードバックを行う。また、教師のコメント入りのレポート(事前課題)返却。

授業後 事後レポート
教師コメントや授業中のメモなどを参考に事後レポートを提出する。

今回の特別講義で学んだ事

・教師は常に授業デザインを考える必要がある
ピアラーニングについて講義を受け、これまで自身が教わってきたような授業の進め方(一斉授業・教師主導型)は、果たして現代においても通用するのかを考えるきっかけになった。
現代はYoutubeやアプリを利用して、簡単に外国語が学べる時代。そんな中で、教室で授業を行う意義をしっかり考えて授業デザインを行うべきであると感じた。

・意義のある授業にするかは教師次第
グループワークで学生たちに不満が残るのは、教師の授業の進め方に問題がある。事前課題を出さずに事前知識の無いまま議論を促し、話し合いが活発に進まない、そもそも人数が多すぎるので発言者に偏りが出る、などの課題はピアラーニングのように少し工夫を凝らせば解決できる余地がある。教師は、学生の反応を見ながら、少しずつ改善を繰り返し、意味のある活動 を創り上げて行くべきだろう。


実際に、ピアラーニング(協働学習)は日本語教育だけでなく、環境教育や教師研修などあらゆる場面に応用されているという。万能な協働学習の形というものは存在しないので、学習者、内容、教室など様々な事を考慮して最適な授業について自分の頭で考える。そんな教師を私も目指していきたい。

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