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台湾高速鉄道を紐解く 「路(ルウ)〜 台湾エクスプレス 〜」

「路(ルウ)〜 台湾エクスプレス 〜」の主題となっている台湾高速鉄道について、それまでの流れをお話ししたいと思います。

台湾高速鉄道は、台湾では通称「高鉄」と呼ばれています。
一方、台湾には「台鉄」というものもあり、これは国有鉄道である台湾鉄道を指しています。
ここではあまり触れませんが、この台鉄に関しても日本とも歴史のなかで関わりがあるものとなっているのですよ。

途中二度にわたる開業予定日の延期を経て、台湾高速鉄道は最終的に2007年1月に運行を開始し、今では年間4,700万人以上によって利用されています。
台湾首都の台北から、台湾第二の都市高雄を結んでいるもので、全長は345km、これは日本では東京〜名古屋間の東海道新幹線とほぼ同じ距離となります。

現在は台北駅から10km延長され、南港駅が最北ですが、8駅が建設されました。(引用:台灣高鐵)

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台湾高速鉄道が開業されるまでは、一番速かったものは台鉄の特急電車で、それを使っても台北〜高雄間はおよそ4時間を要していました。
それがこの台湾高速鉄道によって、1時間半へと一気に短縮されることになったのです。
台湾高速鉄道は1989年の構想開始から18年もの歳月をかけ、総事業費はおよそ2兆円近くの国にとっての一大事業となったのでした。

台湾高速鉄道で使われている車両は700Tと呼ばれ、これは日本の東海道・山陽新幹線700系をベースに開発されたものです。
そのため、外観もよく似ており、台湾のものは白地に鮮やかなオレンジが統一されています。(引用:TAIWAN TRAVEL)

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台湾高速鉄道の経緯

はじまりは1989年に、台湾の南北を繋げる新幹線を建設する構想が世の中に出されました。
その後1993年に高速鉄道の建設案が日本の国会にあたる立法院で可決され、本格的に新幹線建設の検討が始まりました。
そして、そこからフランスとドイツによる欧州連合と、日本の新幹線技術を軸にした日本とが契約にあたりぶつかり合うこととなったのです。

1997年には欧州連合がこの事業件の入札に勝ち、日本は敗北が濃厚となり、ほぼ日本側の受注の道は途絶えたかと思われました。
しかし悲しいこととして、翌年の1998年にはドイツで死者100名を超える列車の脱線事故という出来事が起こりました。
また、1999年9月には台湾で大地震が発生し、日本では台湾と同じ地震が頻発する国でありながら、新幹線開業以来一度も重大事故を起こしていないという信頼性への評価が高まりました。
そして再入札がされ、大逆転で日本の新幹線システムの採用がされることが決まりました。

日本連合は、川崎重工、三菱重工、東芝、三井物産等の4商社連合が中心となって受注となりました。
※「路(ルウ)〜 台湾エクスプレス 〜」では、女優の波瑠さん演じる多田春香が所属する大井物産は三井物産だと推察できますね。

ただし、台湾高速鉄道の建設に関わる全てを日本側が契約をしたのではなく、元々の欧州連合とも共同での建設を進めるという日欧混在システムとなりました。
そのため、ドラマ中でも欧州連合側との調整で苦悩する様子も描かれています。

台湾高速鉄道の建設では、日本と台湾だけでなく、フランスやドイツも交えたさまざまな関係者が関わりながら作り上げていくというまさに一大プロジェクトとなりました。


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