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歴史あるたたずまいの問屋街「迪化街」付近で、絵になるスポットを散策してみる

迪化街(てきかがい)は、古い街並みが残る古い問屋街で、漢方薬や高級食材を買い来る人々でにぎわっています。
今回は、買い物もウインドーショッピングもせず、近くの絵になるスポットを散策してみます。
 
 

迫力満点「バイクの滝」


バイクの滝 近くで見ると迫力満点です

MRT新蘆中和線の大橋頭駅の1番出口を出て右の方へしばらく行くと、延平北路との交差点に出ます。ここは、朝のラッシュ時にはバイクが滝のように次から次へと流れてくることから「バイクの滝」と呼ばれるほど有名な観光スポットになっています。
 
信号が赤になると、今までの爆音がウソのようにピタッと止まり一瞬の静寂が訪れ、滝にはバイクがどんどんたまっていきます。その間、滝の前を車とバイクが爆音とともにひっきりなしに横切って行きます。

滝のバイクがあふれそうになると、タイミングよく信号が赤になり、再びわずかな時間の静寂が訪れ、青になると滝の下でスタンバイしていたバイクが、爆音とともに排気ガスをまき散らしながら一斉に迫ってきます。まるで3Dの映画を見ているような大迫力です。
 
信号に合わせて、爆音と静寂が何度も繰り返されるリズミカルな動きを見ていると、不思議と心地よい音楽を聴いているような気分になってきます。

バイクの普及率は日本では約12人に1台ですが、台湾では多くの人が通勤通学の足に使っており2人に1台持っていると言われています。バイクの滝を見れば、この数字も十分に納得できると思います。
 
バイクの滝を鑑賞するには、平日の朝8時頃に行ってください。
この時間以外に行くと拍子抜けしてしまうほど、どこにでもある普通の橋になってしまいます。

排気ガスが強烈なので、鑑賞するときはマスクの着用をおすすめします。


「バイクの滝登り」も鑑賞しましょう

バイクの滝登り

帰りの通勤ラッシュの時間は、バイクが坂を登って帰って行く「バイクの滝登り」が鑑賞できます。

あちこちからやってきたバイクは滝の下でスタンバイし、信号が青になると「ヨーイ、ドン」で一斉に滝を登っていきます。
朝のバイクの滝と比べると迫力は劣りますが、それでも爆音とともに滝を登っていく光景に圧倒されます。
 
朝の「バイクの滝」は有名になりましたが、夕方の「バイクの滝登り」はまだあまり知られていないようです。ぜひ鑑賞してみてください。
 
 

写真映えする有名な歩道橋

撮影スポットになっている歩道橋

バイクの滝を左に曲がりしばらく歩くと、歩道橋があります。撤去される予定でしたが反対運動が起こり保存されたという、地域に愛されている歩道橋で、細かい説明も書かれています。

「ただそれだけで何が有名なの? わざわざ行く意味があるの?」という声が聞こえてきそうですが、ここまで来たら歩道橋に上がって交差点を見てください。台湾でよく見かけるスクランブル交差点になっています。上からきれいに見える場所は意外と少なく、撮影スポットになっています。


台湾でよく見かけるスクランブル交差点


交差点に書かれている「上課期間」とは、「授業のある期間」という意味です。歩道橋の両側に小学校があり、授業のある日は、朝の登校時間、昼休み、夕方の下校時間がスクランブルになります。

道路を挟んで両側に小学校があるというのも珍しいですね。もともとは1つの小学校でしたが、学校の真ん中に道路を通すことになったので、2つにわかれました。

歩道橋の上からスクランブル交差点を見たとき、左側にある小学校は「太平国民小学」といい、日本時代の明治31(1898)年に開校しました。大正12(1923)年には裕仁皇太子(のちの昭和天皇)が行啓された由緒ある学校です。学校の塀には日本時代の写真も貼ってあり、当時の様子を知ることができます。
 

日本時代に有名だった病院


仁安医院 ここも撮影スポットになっています


交差点に、西洋風のひときわ目立つ建物があります。病院として使用されていた建物で、日本時代には「北仁安南朝北(北には仁安医院があり、南には朝北医院がある)」と呼ばれたほど有名な病院でした。

医院長の柯謙諒は、お金がなく診察料が払えない患者に対して、自宅で飼育している鶏や鴨での支払いでも快く受け入れたほど、心の広い人でした。

もともと内科と小児科を診ていましたが、病気を治してほしいと訪れてくる患者を断らずに受け入れているうちに、歯科や産婦人科、さらには性病までも対応するようになったそうです。

仁安医院と書いてある左右にある2本の太い柱の上には、花瓶をデザインさした装飾があります。中国語では「瓶」と平安の「平」がどちらも同じ「ピン」と発音することから、平穏無事のおまじないとして造られています。

花瓶のデザインは台湾の歴史ある建造物で多く見かけます。古い建物を見るときに花瓶を探してみると、より楽しくなるかもしれません。

交差点の反対側から仁安医院を撮影すると、スクランブル交差点に「上課期間(授業期間)」と書かれた文字が入り台湾らしい風景になるので、ここも撮影スポットとして有名です。

建物の中には、以前使用されていた診察台や当時の写真が展示してあります。日本語の説明はありませんが、興味がある方は覗いてみてください。

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