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2030年 未来を自分で作る 教育の姿

□景色
2030年はより予測困難で不確実、複雑で曖昧(VUCA)な時代になる。昨今のメガトレンドに地球環境の変化と自然災害の増加、勝者総取り型の経済格差拡大、人からコンピュータへのタスク代替に移民増加と高い失業率、高齢化の進展などがある。

現在の教育システムの受容性をはるかに超えるスピードで社会変化が起こり、工業化社会のモデルに由来した、いったん訓練された教師が長い期間多くの生徒をまとめて教えることが効果的・効率的だった教育構造では対応しきれない。

AIやロボットの普及する時代に向けて、これからの教育には人間にしかできない力を身につけることが求められる。生徒自身も自ら教育に責任を負い、教師と協働する存在になっていくことが望まれるニュー・ノーマルが訪れつつある。

□本

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『OECD Education 2030プロジェクトが描く教育の未来』
白井 俊 ミネルヴァ書房 2020年

目次
序章 コンピテンシーに関する議論の展開
第1章 2030年の世界
第2章 Education2030プロジェクトの背景と議論の経過
第3章 エージェンシー
第4章 2030年に求められるコンピテンシーの要素
第5章 2030年に求められるコンピテンシーとその基盤
第6章 カリキュラム分析とデザイン原理
第7章 国際的なカリキュラム課題への対応
終章 これからの日本の教育を考える

要約
以下はOECD Future of Education and Skills 2030 projectの成果物である。

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ラーニング・コンパス
昨今の教育は、子どもたちに「何かを教える」ということにとどまるものではない。一人一人の生徒が、信頼できる「コンパス」を持ち、VUCAな世界においても、自信をもち自らを導いていくことができるよう手助けするものへと変わってきている。ラーニング・コンパスはそのための方法を示すものであり、様々な状況に対応していくことができるよう、生徒が何を学ぶべきかについての、共通の未来像と言語を示すものである。

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エージェンシー
ラーニング・コンパスの中核的概念。変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する能力のこと。他者や社会との関係性の中でも育まれ、私たちが実現したい未来を実際に実現していくために必要となる。

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知識とスキル、態度及び価値観
知識とスキルは相まって発達する。知識は世の中の特定の側面に関する確立された事実や概念、アイディア、理論などを含むもので、スキルはプロセスを実行したり、目標を達成するために自らの知識を責任ある形で活用することができる能力のこと。態度及び価値観は個人や社会、環境に関するウェルビーイングの実現に向けて行う、個人の選択や判断、振る舞いや行動に影響を与える主義や心情。

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AARサイクル (Anticipation:見通し,Action:行動,Reflection:振り返り)
学習者が継続的に思考を改善したり、意図的かつ責任ある形で行動できるような反復的な学習プロセスかつ、生徒に求められるコンピテンシーを育むのに必要なプロセス。

□ひとりごと
後日、音声公開予定

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