月の大きな夜

レコードに針を落とす。
ピアノとドラムの優しい音が流れる。

今日は、月が大きい。
しかし、決して満月ではない。
7割ほど満たされた、不恰好な月だ。

その月は、明るく私たちを照らす。
私たちが道に迷わないように。

その月は明るすぎて、周りの星たちは輝きを失う。

どうやら、今日は、彼が主役のようだ。
どうやら、今日は、彼のワンマンショーのようだ。

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