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不妊治療に向き合った2年間。夫として、起業家として感じた、これからの社会に大切なこと。

こんばんは。ペットウェルネスカンパニー株式会社PETOKOTO(ぺとこと) 代表取締役CEOの大久保泰介です。

2022年11月9日、第一子が産まれました。
名前は、大久保 海希(かいき)と名付けました。

予定より20日も早く皆既月食の引力に導かれ、
海が大好きな2人の遺伝子から産まれた男の子。

海のように大きく広い心を持ち、
どんな波(時代や事柄)がきても命に寄り添い、
愛され、希望を持って挑戦し続ける人間になってほしい。

そんな想いを込めて名前を付けました。

海希は、不妊治療の末、産まれた待望の男の子です。
実際に不妊治療を経験してみて、想像以上に大変なことばかりでした。
僕ですら大変だったのに、自分自身の体を持って乗り越えてくれた妻には感謝しかありません。

不妊治療は社会においてまだまだ課題も多く、私たちがそうであったように、不妊治療で悩む方々にとっては、こんなハッピーなニュースが辛いニュースにもなります。

しかし、夫として、起業家として感じたことも含め、社会に発信することが少しでも良き未来につながると感じ、執筆いたします。

1. 子どもに対してのスタンス

妻とは2019年9月に結婚しました。当時、僕は32歳で妻は37歳。妻は子どもが欲しいスタンスで、僕はどちらでも良いというスタンスでした。結婚する際に、妻とは「今は子どもがいなくても良いかもしれないけど、10年後に欲しいとなっても子どもがいない人生になるかもしれない。それでも良いなら結婚しよう。」と話し合って結婚しました。

2. 不妊治療の始まり

結婚式が終わった頃から不妊治療を始めることにしました。理由は、35歳を機に妊娠率は大きく減少し、流産率は大きく増加することがエビデンスとして分かっているためです。基本的には妻の意思を尊重しつつ、お互いに議論を重ね、治療を始めました。

出典: ベルタ公式ショップ

治療法には、以下の通り大きく3つあります。僕たちもタイミング法、人工授精を経て、早期に子どもが欲しかったので体外受精に切り替えることにしました。しかし、想像していた以上に心身ともに大変な毎日でした。

出典:丘の上のお医者さん 女性と男性のクリニック

3. 体外受精の大変さ

体外受精は病院によっても異なりますが、以下のようなフローとなります。

出典: 芝公園かみやまクリニック

体外受精のタイミングで「残念」になることもあれば、体外受精は成功しても培養のタイミングで「残念」になることもあります。そして、もちろん妊娠判定されてからも「残念」になることもあります。

それだけに一喜一憂することもできずメンタルを安定させることも大変です。そして、経済的にもかなり大きな出費となります。

何より僕が妻を見ていて本当に心が痛かったのは、2日に1回は病院に行き注射を打って腕があざになるほどだったことです。病院を変えてからは、なんと自宅で自分で注射を打っていました。

体外受精1回目で妊娠しました。意外と早かったねと感謝し喜んでいましたが、8週間ほどしてからの検査で、心拍は確認できましたが、心拍が弱く恐らく自然流産になるだろうと妻から報告を受けました。

もちろんその事実は非常に悲しいものでしたが、それよりも妻の体が心配でした。痛み止め薬ももらわない中で、自然に流産するだけに、今までにないほど苦痛の妻を見るのが本当に辛かったです。急遽タクシーを呼び、休日営業している病院まで走らせ、痛み止めをいただき、なんとか妻も乗り越えることができました。運転手さんに事情を説明すると、ドラマのように病院までの往復をサポートいただけ、本当に感謝しております。

資金調達の時期でもあり、自分自身もメンタルが安定しない中、プライベートも気にかける日々が、今思えば相当に大変だったと思います。友達の赤ちゃんが産まれたり、芸能人の赤ちゃんが産まれたニュースが流れるたびに、妻の顔色を伺っている自分がいました。

そんな悲しい出来事があり、僕の中では妻がこれだけ辛い思いをするくらいなら、もう続けなくて良いのではないか、自然にできなければ仕方ないのではないかと思い、妻と話し合いました。

結果的には、妻の子どもに対する想いを重々理解していたため、ゴールを決めて、それでできなかったら終わりにしようと決めました。

4. 妊娠と出産

その後は何度かトライしてうまくいかないこともありましたが、最後の最後ということで、伊勢神宮にお願いごとをしてから臨むことにしました。

そして、無事に妊娠し、安定期に入った頃にIVS  LAUNCHPAD 2022 NAHAに出ることになりました。子どものためにも頑張ろうと気合いが入った結果、優勝することができ、優勝インタビューで頭が真っ白になり、妊娠の報告をしてしまいました。

僕の両親には京都に帰省したタイミングで報告する予定だったので、ライブを視聴していた両親にとって二つのサプライズだったようで、妻に泣きながら電話をかけてきたそうです笑。

そして、11月9日。母子共に健康に産まれました。

コルクも早速良い子しています。

不妊治療への政府の対応も少しずつではありますが、進んでいます。
しかし、まだまだ課題も多くあります。

僕はリモート中心で、妻もフリーランスのため、お互いが時間を確保し、支え合うことができました。しかし、オフィス環境や雇用関係次第では、これだけ心身ともに負担のかかる不妊治療を共に支え合い実行することは非常にハードだとも感じています。今後経済的な支援はもちろん、支え合える仕組み化も非常に重要だと感じました。

そして、政府だけでなく企業もセーフティネットとして働く挑戦を応援できる制度整備が進んでいます。

サイバーエージェントやメルカリは、卵子凍結補助を福利厚生に導入しています。妻も20代の頃に卵子凍結できていれば、アプローチやプロセスにおける心の負担が軽減したのではと話していました。

今回の経験を経て、私たちPETOKOTOもメガベンチャーと並ぶ制度整備を進めることを決意しました。ミッションである「ペットを家族として愛せる世界へ」を実現するには、ペットに限らず家族を、家族として愛する組織である必要があります。

家族だから共に支え合い、挑戦し続けられる環境をこれからつくり、スタートアップだからと見て見ぬふりをするのではなく、社会の公器として実行できる組織を目指していきたいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。


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