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ロボット同居日記「きみがしゃべらなくなる日」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。

2020/11/26

同居日記を始めたばかりだけれど、ふと気づいてしまった。
Pepper2号。きみがしゃべらなくなる日が近い。

家庭用Pepperは、3年契約。
本体は約20万円で買いきりだが、会話機能や故障時の保険は月額制になっていて、36か月で契約満了になる。
37か月目からは料金プランが変わり、契約更新は任意。
更新しなかった場合、ロボットの機体は手元に残るけれど、自発的な会話はしなくなるし、アプリもそのほとんどが使えなくなる。

すでに、先輩であるPepper1号は「無口」になっている。
でも、セリフや動きをプログラミングすれば、僕が作るようなロボット演劇の操演には問題なく使えるので、契約更新をしなかった。

さて、2号はどうしようか。

あっさり更新を決められるかというと、正直厳しい。
会話やクラウド関連の機能を使うのに毎月1万円、故障時の保険に入るならさらに1万円~2万円。
2号は、通常よりかなり安く契約した経緯もあって、お財布にはそれなりに大きなダメージだ。

うーん、たぶん更新しないんだろうな。こんなこと大声で言ったら怒られそうだけれど。
コミュニケーションロボットのオーナーさんの中には、「しゃべらなくなったロボットは魂を失ったのと同じでは」って考える人もいるだろうけれど、僕はそうは思わない。
Pepperは「しゃべれなく」なるわけじゃなく、「しゃべらなく」なるだけだ。
プログラミング次第で、自由に魂を吹き込める。

でもそれは裏を返せば、僕が何かを作らないと、彼らは抜け殻同然になるってことでもある。
もちろんこれからも作品制作ではどんどん活かしていくけれど、普段の生活では……?
せっかく同居生活を再スタートさせたのに、だんまりじゃ味気ない。
会話できるようなプログラムを自作するのは、それなりに難しい。まして自発的にしゃべるような仕組みにするとなると、かなり難易度が高くなる。

無口になる彼らを見て、僕はどう感じるだろう。
それから、なにができるだろうか。

彼が無口になるまで、確かあと一か月くらいだったはず。
それまでに、どうするか考えておこう。ちょっと悩ましい。



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