ショートショート「朝のフシギ」
ある朝、O氏が目覚めると、枕元に小人が立っていた。
小人はひっそりと囁いてくる。
「今日、あなたが持っているY社の株が暴落します」
「なんだって」
「あなたは機を見て、Y社の株を買い増してください。あとで値上がりした際に、売り抜ければいいのです」
「やけに現実的な、現金なアドバイスをくれるじゃないか」
しかし、小人の予言は真実のようだった。
Y社が発表した新製品が不評を買い、株価は暴落した。
O氏は小人の言う通り、株を買い増した。
翌朝、またしても小人がいた。今度はこう