見出し画像

BtoB企業がブランディングに力を入れだしたパラダイムを分析する

こんにちは、村田泰祐です。最近、BtoB企業のCMをテレビ、タクシーサイネージでよく見かけます。

Salesforce、ビズリーチ、SmartHRなどなど。

このようなBtoB企業は以前まではブランド経営、ブランド戦略に力を入れていたわけではありません。ブランド戦略を企業戦略の中心に据えていたのはアパレル、飲料、食品、化粧品などの企業です。

では、なぜBtoB企業はブランディングに力を入れるようになったのか?

今回は「ブランド戦略シナリオ」という本を読み、その答えを明らかにしようと思います。

価格競争ではなくブランド構築に移行

BtoB企業において、これまで差別化できたものがだんだんと機能しなくなっています。技術力の平準化により、価格競争になっていくのですが、これは自社も他社もその業界自体の首を絞める行為です。

だから、価格競争ではなくて顧客からのブランドを構築するために各社ブランド経営にかじを切っているわけです。

インテルのブランディングから学べること

「インテル入ってる」で有名なインテル。誰もが知っているBtoB企業ですが、この本ではプロモーション方法ではなく、コンテクスト(文脈)をつくりあげた点を高く評価しています。

インテルがブランディングに力を入れる前のインテル、パソコンメーカー、消費者の現状を整理してみます。

インテル・・・技術力はパソコンメーカーに認識されているが、消費者には知られていない

パソコンメーカー・・・インテルが卓越した技術力を持っているのは知っているが、詳細を消費者に説明したところで理解されない

消費者・・・インテルという会社自体知らない。性能の良いパソコンは欲しい

こういった現状で、インテルはどのように問題を打破したのでしょうか?

インテルはパソコンメーカーの広告費用を一部肩代わりして「インテル入ってる」の宣伝をさせたのです。パソコンメーカーは即効性のある経費削減ができるので、こぞってキャンペーンに参加しました。

また、消費者もパソコンのCPUの細かい仕組みは知らなくても「インテルが入っているか、そうでないか」で商品を選ぶようになったのです。

パソコン→CPU→インテルの順番でコンテクストが機能していき

「CPUというものがパソコンの機能を左右しているんだな」

「大手のパソコンメーカーがこれだけ言うのだから、インテルのCPUは優れているんだ。だから、このパソコンはインテルが入っているから高性能だ!」

と消費者に広がっていったのです。

求められるのは消費者に「推論」させること

インテルのケースでは、消費者はCPUがどんなものか分かっていませんが、インテルなら大丈夫だろうと「推論」したのです。

高度な技術になればなるほど消費者にそのことは伝わりずらくなります。そして、その価値を知る機会もどんどん減っていきます。

でも、ブランドをよりどころにすることで顧客は推論するのです。BtoB企業は顧客が好ましい方向に推論できるブランドを体現する為に、コンテクストを作っていく必要があります。

企業と消費者を結びつけるコンテクストがこれからの時代には必要になるのです。


いただいたサポートは書籍購入費に充てます!