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運動を教えない

こんにちは☆
全国ラジオ体操連盟指導委員の当山倫子です。

私、とある企画で3カ月間(月2回)運動講師を担当しました。
(上の写真は今回の記事内容と現場が違うので関係ないです)

その企画の意図はだいぶ変わっていて、
運動講師だけど、「運動を教えてはいけない」、というもの。
運動してる気にさせないようにしながら、全身まんべんなく運動できるよう提供する、というもの。

対象者は高齢者です。
運動時間は45分くらい。
その間、ずっと雑談しながら、ずっと話題がとぎれないように話題や会話を提供しながら、ずっと運動のお手本をみせていく。

参加者さんの方は、私の雑談を聞いたり、私が会話を投げかけたらそれに答えたりしながら、私のお手本の運動を真似しながら動く。

私はとにかく一切教えないんです。
「では次、背中を伸ばしますよー」
「指先はこっちの方向に向けておいてくださいねー」
こういうことも言わない。

参加者さんから動きについて質問されても、
「見たまま動いてくださいねー」というし、
右と左、どちらからですか、とか聞かれても
「どっちでもいいですよー」という。

私が言葉を発することは、ひたすら運動と関係ない雑談。
趣味の話や季節の話や好きな食べものの話などの内容。

「会話を楽しんでいるうちに、気付けば結構運動していた」と実感させる目的。


で、私はラジオ体操が得意なので、運動プログラムの一部にラジオ体操を入れていました。
もちろん、「ラジオ体操しますよ」なんて言わない。
ラジオ体操の音楽も流さない。
ワンポイントレッスンなんてももちろんしない。

ただ、私の最近の日常をペラペラしゃべりながら、ラジオ体操第1の動きをしていく。


でも、です。
終わってから、
「先生のラジオ体操の動きがすごかった」
「今までしていたラジオ体操はなんだったんだろう」
「ラジオ体操がこんなに大変なんて」
「ラジオ体操ってちゃんとやったら汗かきますね」

などなど、私は一切教えていないのに、こんな感想をもらった。


教えないし、音楽もないけど、私の動きを見て「ラジオ体操をしている」というのは全員わかっていた。
私が何も教えないからこそ、参加者さんは逆に「先生はどんな動きをしてるんだろう」と私の動きから色々読み取ろうとしたのかもしれない。


教えなくても、奥深さが結構伝わっていた。
お手本って、重要だなと実感した。
手本でしっかり見せて、あえて教えないことも効果があるなと実感した。


今回は「教えない」ことを運動講師として約束させられていた企画でしたが、私自身、すごく学びました。

教えることもいいけど、教えないこともいいなと思いました。
とても興味深く、面白い企画でした。

以上です☆









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