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【観劇レポ】正統派コメディ ミュージカル「トッツィー」

観劇レポ。ミュージカル「トッツィー」大阪公演です。

真っ赤なドレスの後ろ姿で情報解禁が始まった作品。後ろ姿でトッツィーだ!と気付くミュージカルファンも多く、その美しい姿の正体が誰なのか、話題になりました。
そしてその主演は山崎育三郎。赤いメガネに指を添えた淑女はいっくんだったのです。今や通称ドロ三郎の名で、愛されるようになりましたね。女装姿も美しい。

ということで、いっくん主演のハチャメチャ(?)コメディ・ミュージカル。今回は2階席から観劇しました。一応S席。
ちなみに会場である梅芸(梅田芸術劇場)では、スタッフさんも赤いメガネをかけていました。雰囲気作りいいね。

感想を語りたいが

感想を思い出しながら書きたいのですが…今回、結構うろ覚えでして…。

僕、コメディ作品の感想まとめるの苦手なんですね。面白かったし、いっぱい笑ったんですけど、笑いで記憶が飛ぶ。…なので、あっさり目の感想ですが、ちゃんと面白かったとは言っておきます。(というかむしろ、いつもの感想が重すぎる説 is 濃厚)

(余談ですが)記憶がやや朧げなのは、通路を挟んで横の方が前後左右に動くわ、曲に乗ってなんか指揮し出すわで、集中できなかったのも、一因にあります。
(ちなみに休憩の終わり際に、スタッフさんが注意喚起を気持ち手厚くしてたので、たぶん誰かクレームを伝えたのだと思われます…って隣の方がお話されてました)

コメディ作品なので楽しんでなんぼですが、言葉を選ばずに言うとちょっと節操がない。ミュージカルファンかキャストのファンか知りませんが、ミュージカルを観てる自分に酔ってる感じ。おっと、毒舌が過ぎました。失礼。

面白かったし、キャストも豪華やし、良かったんですけどね…ちょっとコンディションが良くなかったかな。うーん、もったいない!

感想を語るわよ(ストーリー)

気を取り直して。記憶のある限りで。

ストーリーは面白おかしくありつつも、生き方とか、性別とか、所々で「深く考えようと思えば考えられる」というようなテーマも散りばめられていました。

個人的には、終盤にドロシーが舞台出演中に自らの正体を明かすところで、「自分の選択で引くに引けなくなった状況で、自分の偽りや過ちを白状できること」から、人の強さと弱さを感じました。
夢や名誉を捨てて、正直さを選んだのは、たとえ通行人Aの役でもディティールや背景のリアルさを突き詰めようとする、マイケルの生き方なのかなと思います。

ただ、ラストは案外しんみり終わるので、コメディに振り切っても良かったのでは?という気もした。カーテンコールでトンチキダンスがあるから、しんみりしたまま帰るわけではないですが、個人的には本編も笑いで締めてほしかったかな。好みのお話ですけども。

感想を語るわね(キャスト)

キャストは言わずもがな素晴らしい。

主演のいっくんの、ややガサツなマイケルと、淑やかドロシーの切り替え(ギャップ)は、話のコミカルさとキャラクターの特徴を分かりやすく、かつ味わいやすく感じますし、ドロシーのええ感じのおばさん感も最高に面白い。ちょっと語尾が上がる感じのクセもずっと耳に残る。

宣伝では衣装の早替えが注目されていて、見ごたえのあるものだったのですが、それはそれとして何より歌声ですよ。マイケルのときの美声は言わずもがな、ドロシーのときのハイトーン、ファルセットも非常に美しかったです。あんな声出るんや…。
権利的に結構スレスレな、アニーのTomorrowを口ずさむ(というか結構がっつり歌う)ところは、アドリブが入っているんでしょうね。わりと真面目に突っ込まれてた。

我らがちゃぴ(愛希れいか)は、とにかくカッコよくてカワイイ。ちゃぴちゃんのこういう役、好きです。当方、ちゃぴちゃんが出るから観に来たようなものですのでね…。良かった…。良かったわぁ…。
ちゃぴちゃん本人とも重なる部分があるんだろうか。役として語る、女優として生きる意志や自信、決意のようなものが、妙にしっくり、深く届きました。サバサバしているところも個人的に好きです…じゃなかった、ピッタリな気がしますね。

昆ちゃんは今回なかなかクレイジーな感じ。ソロ曲の難解なメロディと早口セリフが印象的で、さすがやなぁと。今作はほとんどのキャラクターが体当たりですが、昆ちゃんが一番体当たりなパフォーマンスをされていたのではないでしょうか。
大丈夫?次のお仕事、「この世界の片隅に」やんね…?ギャップが…。

マイケルの相棒的存在の金井勇太さん。ボケ役が多い中でも稀有な(?)ツッコミ役。でもツッコミながらボケも生み出せる。
どこか飄々としつつ、リアリストな感じもしつつ、夢追い人の気配もする、不思議な魅力がありました。

おばたのお兄さん。愛すべきお馬鹿さんという感じ。物理的な体当たりは120%で、さすが芸人さん、コメディ作品にピッタリ。すぐ脱ぐけど、中々しっかり鍛えられていて、それがまたなんか面白い。

エハラマサヒロさん、キムラ緑子さんと、コメディをやらせたら随一の方々も出演されていました。
エハラ氏は愛されないおませさんという感じ。一応ヒール役のポジションなのかな。「17AGAIN」のキャラクターの方が、個人的には好きです。
緑子さんは舞台では初見やし、ミュージカルならなおさら。あまりメインで歌われるシーンは多くないですが、パワフルな歌声も素敵でした。

総括

あっさり目の感想にはなりましたが、笑いにあふれるミュージカルで、とても楽しい3時間でした。

指揮がミュージカル界でお馴染みの塩ちゃんで、楽しい雰囲気の演奏だったのも良かった。

イケメン俳優の女装!というのではなく、お話自体も楽しめる内容でしたし、ハッピーエンドかどうかは一概に言えませんが、誰も不幸にならないという意味ではハッピーかな。

個人的好みでは、重めのストーリーを楽しみがちですが、たまにはこういうコメディも観て、心を豊かにしたいものです。笑いは健康にもいいですからね。

カンパニーの皆さん、体当たりなパフォーマンスで楽しい時間をありがとうございました!


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