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【ライヴレポ】ポルノグラフィティ「暁」ファイナル@武道館配信

ポルノグラフィティ18thライヴサーキット「暁」。2022年夏に5年ぶりのアルバムを作り、それを引っ提げて行われたツアーです。

このツアーのファイナルの地は、武道館でした。僕は武道館には行かなかったのですが、映画館でのライヴビューイングで参加。今回のnoteはライヴビューイングレポです。

ちなみに大阪・京都で参戦した際のライヴレポはこちら。重複する部分もあるので、今回はその辺いい感じに割愛します。

Newセトリ

大阪・京都ではやっていなかった曲。4曲目から6曲目の「今までのポルノを楽しもうのコーナー」では、「ネオメロドラマティック」「プリズム」「愛が呼ぶほうへ」を披露。

ネオメロは言わずもがなライヴ映えする曲。今回のアルバム「暁」はミドルテンポの曲が多いので、こういうバキバキの曲がより際立つ。僕らファンの細胞レベルで沁み込んでいるこのイントロが、全身を覚醒状態に持っていく。
映画館では歌詞が表示されるのですが、この理解できそうでまったくもって意味が分からない世界観も晴一ワールド全開で大好き。

プリズムは今回がライヴ初披露。この5曲目はツアー中、「稀ポルノグラフィティ」と呼ぶ、ライヴで一度も披露されていない曲のお披露目ポジションでしたが、まさかまさかの、プリズム。
プリズムは20周年記念の50枚目のシングル「VS」のカップリング。このシングルに収録のカップリング2曲(プリズム、一雫)は、ファンへの、あるいは昭仁・晴一お互いがお互いに向けた「想いの曲」に聞こえるものとして有名。疾走感あふれる爽快な曲ですが、こんなライヴ序盤に持ってこられたら、最初っから涙腺ダムが決壊する。演るなら演ると事前に言っていただかないと。心の準備ってもんがあります。

愛が呼ぶほうへは、言わずもがなチームポルノとファンの両方が特に大事にしてきた曲。だからこんな序盤から演っていい曲じゃないし、演るなら演ると言っ(略)。
昭仁の歌声の魅力は、パキッとしたハリのあるハイトーンボイスでもありますが、この曲のように包み込むような温かい歌い方も、近年非常にレベルアップ目覚ましい。この日は日本列島を大寒波が襲っていましたが、心は温まる歌声。まあ歌声は温かいのですが、なぜポルノはこうも悪天候に恵まれたバンドなのか。

アルバムの曲たち

今回のツアーのメインとも言えるアルバム曲たち。

1曲目の「悪霊少女」、本編ラストの「暁」以外はしっとり目の曲が多いですが、最高キーの高い難易度の高い曲が多いというのを改めて感じました。

昭仁の喉の調子は必ずしも絶好調というわけではないように感じましたが、なんか歌い方変えたのでしょうか、絶好調でなくてもそれを感じさせない部分や、今までにない喉の使い方を感じる部分がありました。

アルバムを聴いたときに好きな曲は「クラウド」だったのですが、ライヴを経て「ナンバー」のバンドサウンドの心地良さに気付きました。あと「暁」の照明は神の御業。

インスト曲

「証言」の前のインスト曲。証言という曲自体もそうですが、ミュージカルが好きな僕としては、この曲から証言までの一連にミュージカルらしさを感じずにはいられなくて、晴一のミュージカル熱を感じたシーン。

前のレポでも書いているのですが、僕はこの曲から、愛する人が死んでしまうまでの幸せと悲しみを感じ、トートとトートダンサーが主人公の愛する人を奪い去っていくような光景が浮かびました(出典:エリザベート)。愛と死の輪舞曲で闇が広がってんのよ…。

ネットで検索していると、同じようにミュージカルっぽさ(ドラマチックさ)を感じた人もいるようなのですが、他にも「ゲーム音楽のようなストーリーを感じた」「人形劇みたいだった」など色んな受け止め方を見かけて、面白いなあと思いました。
歌詞があっても解釈や世界観は聞き手によりますが、歌詞がない分より世界観の広がりがあるところが、インスト曲のいいところ。

奇しくも晴一プロデュースのミュージカル「ヴァグラント」が発表された直後だったので、このインスト曲のタイトルはもしや「ヴァグラント」なのでは?と考えましたが、どうなんでしょうか(99%違う)。

新曲「OLD VILLAGER」

アンコール1曲目で披露された新曲「OLD VILLAGER」

曲入り前のMCで晴一曰く、「理想の自分を高く見すぎるとへこむから、ある程度の理想でとどめてそこに向かって頑張ろうとする、でもそれってどう思う?」みたいな曲(意訳)だそうです。

作曲はtasukuさんと昭仁の合作のようで、歌詞は晴一。
ゴリッゴリのロックなチューンで、歌詞は韻を踏んだ、斜に構えたアイロニックな雰囲気のある曲。歌詞が重ための割には、耳馴染みのいいメロディに感じました。

タイトルは直訳するなら「古いムラ人」。意訳するなら「古風な/時代遅れの/旧世代のムラ人」?歌詞から察するに「村」は「ムラ」。ムラ社会のムラで、自分の中では大きいと思っている小さな世界、という感じでしょうか。

「THE ROCK」という感じで社会や他人をやたら攻撃するような感じでもなく、自分を含めた社会や世界をちょっと離れたところから主観・客観入り混じって観察している感じは、晴一らしい世界観だと思います。

ちょっと斜に構えた感じは、「素晴らしき人生かな?」「ラストオブヒーロー」あたりに近いものを、ゴリゴリロックな感じは「Zombies are standing out」「ラック」「Fade away」の系統とも感じますが、今までの曲とはまた一味違う曲になっていると感じました。

何かのアニメのタイアップになりませんかね。ちなみに僕はまだ、「暁」がBLEACH2期のOPになることを信じています。

覚えている限りのMC名場面集

配信で見ている人の反応を見たくてタブレットを見る昭仁。手の位置と目の細め方が老眼のそれで色々思うところがあった。そうか、昭仁そんなお年か…。

肝心の配信勢の反応はスタンプばかりだったらしく、「最低限の反応じゃね」とのこと。たぶん機能的に複雑なコメントが送信できないみたいな問題ちゃうかなと思いますが、どうなんでしょうね。

宣伝しとき、と晴一作のミュージカルの話題に触れる昭仁。昭仁のミュージカルのイメージは「ライオンキング」と「アニー」らしい。晴一が歌って踊るなら見に行こうかと思っていたとのこと。そんなこと言って、当日になったら関係者席でしっかり見てるんでしょ。知ってますよ。

ロッカーとしての晴一は「ああ、まあ(ライヴに)遊びに来てくれたらええけど?」というスタンスらしいですが、ミュージカル作家としての晴一は、「ぜひ来てくださいよろしくお願いします!(低姿勢食い気味)」らしい。ちょいちょい頑張って滲み出そうとする古風なロッカー像、好きですよ。

「心配せんでも僕は歌わないし踊りません」と晴一。ええ、あんなけ豪華なキャスト揃えておいて主演・新藤晴一やったら困りますとも。
晴一のこの発言を受けて「下半身裸で心配ないさーって歌わんの?」と昭仁が言って、しかも華麗にスルーされてましたが、下半身じゃなくて上半身です!と、武道館も映画館も配信で見ている人も、全員が心の中でツッコんだことでしょう。劇団四季に怒られますよ

ポルノの魅力を問われた若手マネージャーが言うに、ポルノの魅力は「人柄」らしいというエピソードトーク。ファンからするとその答えは間違ってないし核心を突いたものだと思うのですが、晴一の想定とは違いすぎて驚いたそうな。
ちなみにこのエピソードトークは、アンコール中のMC。昭仁から「(終盤になって)今更エピソードトークするつもりなん」とツッコまれてました。晴一が言いたかったのは、今までやってこれたのはファンのおかげということだったそうです。

ラストは昭仁・晴一のハイタッチ。どうした、そんな仲良しアピール今までしてなかったのに。という冗談はさておき、年々お互いへの信頼と感謝が隠してもにじみでてきます。そう、隠しても、ね。

映画館で見て

ライヴはやはり生で観るのが最高だとは思うのですが、映画館で見るのも、最近の自分のテンションとは合っていると感じました。

ブンブン手を振って、ジャンプして、アホになってというのももちろん楽しいのですが、椅子に座ってじっくり見るというのも僕は好きで。もしかしたらそれは、ミュージカルをたくさん観てきたからということもあるのかもしれないですが、生のものをじっくり聞き込むというのも楽しみ方だと思うのです。

楽しんでいるときって、クラップせな!とか、手振らな!とかに多少意識が行っているので、ただでさえ悪い記憶力がさらに薄まるのです。座って落ち着いて観れば、普段気付かない細かいところなんかにも意識が向く。これもこれで楽しみ方だと思うのです。

また映画館では歌詞が字幕で出ていたので、昔からのお馴染みの曲も、今回のアルバムの曲も、改めて歌詞を見ながら聴くと、「これ当て字やったな」とか、「こっちの漢字使ってるんや」とか、気付きもありました。フォントの都合で、若干カラオケ映像感もありましたが、それはそれとして…。生配信ですが、歌詞の出るタイミングは凄く洗練されていた気がします。

総括

個人的なことを言うと、正直ここ2年くらいは、ミュージカルの方に熱が向いていました。というか今も結構そうかもしれない。

ポルノを嫌いになったわけでもないし、熱が冷めたわけでもない。相対的に、という話ですが、ポルノが本気でぶつけてくれるものに、100%で受け止められないというのはどうなのか、という葛藤もありました。好きなモノへの熱も変化していくものだとは思いながら、ポルノファンを名乗ることへの後ろめたさみたいなものも感じていました。事実、エリザベートは2回も東京まで遠征したのに、武道館はエントリーすらしなかった。

でも彼らは、そんなことすらも忘れさせてくれる最高のパフォーマンスと、最高の音楽(と最高な人柄)を届けてくれる。夢の続きを見ようとしてくれている。後ろめたさを感じている僕すらも置き去りにせずに、ステージに立ってくれる。

僕の「暁」は京都で終えたつもりでしたが、千穐楽の武道館が配信されるということで、更新された「暁」。8月にリリースしたアルバムが、ツアーを経てファンに浸透していき、音楽シーンの中で消化されるのではなく、作品として昇華していくというのを見せてくれました。

アルバム収録曲がメインと言いながら、既存の曲でもポルノらしさをしっかり感じることもできたし、新曲で「これからもよろしく」というメッセージを受け取りました。

そして。
映画館では二人の退場後、エンドロールが流れました。めちゃくちゃ爆音で内容は少々記憶のかなたなのですが、最後の「Move on to the dawn(夜明けに向かって)」というメッセージが、まさにポルノの今の想いではないでしょうか。dawn(暁)はこのアルバムから、そして「Move on」は新曲のフレーズから。これからもポルノという夢を見続けられることを確信できたメッセージ。

確かに20周年記念くらいの頃・・・ポルノに全財産と時間を捧げていた頃とは、応援のスタンスは変わってしまったかもしれない。でも、ポルノはちゃんと、いつでも僕を迎えてくれる。それでいいじゃないか、と今は思っています。甘えたファンかもしれませんが、甘えさせてくれるなら、それでもいいのではないかと。

一緒に夜明けを迎えに行こうと言ってくれているので、迎えに行くことにします。

ややセンチメンタルなことを書いてしまいましたが、とにかくまず今年は、僕はミュージカルオタク兼ポルノファンとして、晴一作ミュージカル「ヴァグラント」を死んでもチケットを確保して観なければならない。
そしてもちろん、ポルノグラフィティとしての活動にも、もちろん期待しています。期待じゃ弱いか、早く供給をくれとヨダレを垂らして叫んでいます。

2023年のポルノグラフィティが素敵な夢を描けますように。

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