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10ヵ月で30キロ減量した食事

30キロ減量して、脂肪肝も心肥大も消失!

 茅ヶ崎から通院していた58歳の女性は、体重が90キロを超えていました。
 昨年、階段で転倒してからしばらく来られなくなりましたが、先週1年4ヶ月ぶりに来院されたら、30キロも減量していてとても驚きました!
 10ヶ月で30キロも減ったうえに、脂肪肝も心肥大も消えて、主治医も驚いているといいます。10ヶ月で30キロということは、1ヶ月で平均3キロずつ痩せていったことになりますから、まったく無理のない痩せ方といえます。
 「どうやって痩せたんですか?」とお聞きしたら、私が6年前から教えてきた食事(ディフェンシブ・フード)を実践しただけで、みるみる痩せていったということでした。
 つまり、『お菓子を止めて、ご飯をしっかり食べるようにしたら痩せた』のです。ご飯も肉も魚もガッツリ食べて、これだけ痩せたのです!

ご飯を食べると痩せるワケ

 多くの人たちが「ご飯は太る」と信じているのとは真逆で、実はご飯を食べると健康的に痩せられるのです。なぜ、ご飯で痩せられるのでしょうか?
 太っている人はみんな、お菓子や甘いジュースで糖分を大量に摂っています。
 お菓子は、小麦と砂糖と植物油脂でできています。
 この『小麦+砂糖+植物油脂』の組合せが、もっとも太るのです。
 小麦は糖質の吸収が早いだけではなく、グルテンによって腸がダメージを受けて、リーキーガットになっていきます。リーキーガットとは、『腸の栄養を吸収する細胞同士の結合がゆるんだ状態』です。リーキーガットになると、未消化なタンパク質や腸内細菌などが腸から血液に吸収されます。すると腸の免疫細胞が「異物が侵入した」と判断して、排除しようとします。そのため軽度の炎症がおきて、血液中に「炎症性サイトカイン」が増えます。
 サイトカインは免疫細胞のメッセージ物質で、炎症性サイトカインのメッセージは「炎症をおこせ!」です。つまり、リーキーガットになると、血液中に炎症性サイトカインが増えるのです。
 炎症性サイトカインが増えると、インスリンの効きが悪くなります。これを「インスリン抵抗性」といいます。
 インスリンの効きが悪くなると、血液中のブドウ糖が細胞に入りにくくなるため、高血糖になります
 高血糖のままだと血管が傷ついていくので、すい臓が大量のインスリンを分泌します。
 大量のインスリンによって血糖値は急激に下がりますが、高インスリンによって血液中の中性脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪にどんどん吸収されていきます。その結果、体脂肪が増加していくのです。
 つまり、小麦のグルテンによってリーキーガットになることで、血液中の炎症性サイトカインが増加してインスリンの効きが悪くなり、その結果、高血糖になるから大量のインスリンが分泌されて、脂肪組織が肥大していくというわけです。

 お菓子には、砂糖もたくさん入っています。アイスクリームのように冷たくても甘いものには、とくに多くの砂糖が入っています。
 砂糖は、ブドウ糖と果糖が一分子ずつ結合した糖ですから、半分は果糖です。果糖の多くは、腸でブドウ糖に変換されて吸収されますが、一部はそのまま吸収されます。吸収された果糖は、肝臓で100%中性脂肪に変換されます。
 つまり、中性脂肪の元は果糖ということです。
 甘い炭酸飲料やスポーツドリンク、果汁や野菜ジュース、乳酸菌飲料や酵素飲料、缶コーヒーやエナジードリンクなどには、果糖ブドウ糖液糖がたっぷり入っています。こうったドリンクは冷たくても甘いので、かなり大量の果糖が入っているのです。
 その果糖が肝臓で中性脂肪に変えられて、高インスリンによって皮下脂肪や内臓脂肪に取り込まれていって、体脂肪が増えていくのです。

 さらに、お菓子には植物油脂も含まれています。植物油脂とはリノール酸が多いサラダ油のことで、リノール酸は完全に酸化しています。
 酸化したリノール酸は毒性が高く、炎症を促します。つまり、リーキーガットを助長して、炎症性サイトカインを増やします。

 このように、『小麦+砂糖+植物油脂』の組合せは最悪で、もっとも太るのです。
 なぜ、こんな最悪のものを食べたくなるのでしょうか?
 それは、『ご飯を食べないから』です。
 ご飯を食べないとか、食べてもほんの少ししか食べないといった食事では、脳が満足しませんし、お腹もすぐに空いてしまいます。だから、甘いものが欲しくなるのです。そして、お菓子を食べたり甘いドリンクを飲んだりして、太ることになるのです。
 食事でしっかりとご飯を食べれば、自ずと甘いものがそれほど欲しくなくなります。根性で我慢しなくても、自然に甘いものへの異常な欲求が減っていくのです。
 ご飯は低脂肪で、脳が必要とするブドウ糖を摂取できる最強・最良の食品です。食事でご飯をしっかり食べれば、自然に健康的に痩せられるのです。

夜ご飯を食べないと、筋肉が減ってしまう!

 「夜は寝るだけだから、ご飯を食べる必要はない」という説は間違いです。
 夜、寝ている間にも、脳はたくさんブドウ糖を消費しているからです。
 寝ているときも脳は活動していますし、ほかにも体温を維持したり、心臓や呼吸を維持したり、ダメージを受けた箇所を修復していたりなどといったに、多くのブドウ糖が消費されています。
 ですから、夜はご飯抜きという食事では、寝ている間にブドウ糖が足りなくなります。
 すると、脳の活動を維持するために、筋肉を分解してブドウ糖を作り出します。これを「糖新生」といいます。
 糖新生をくり返していると、徐々に筋肉が減っていきます。最初に減るのが脚で、次が肩、その次が胸です。
 脚の筋肉が減っていくと腰痛や膝痛に悩まされるようになり、やがて膝の関節が変形して、最終的には歩くこともできなくなって、車椅子か寝たきりになります。
 また肩や胸の筋肉が減っていくと、重い頭を支えられなくなって頚椎が変形していきます。やがて頚椎から分岐する神経が圧迫されて、腕力が弱くなったり腕がしびれたりするようになります。また、五十肩になって腕を挙げられなくなります。

 「食べないで痩せる」とか「一日一食」といった食事を何年も続けていると徐々に筋肉が減っていって、いずれは動けない身体になってしまいます。
 大事なのは、『筋肉量を増やして、体脂肪を減らす』ことです。
 それには、ご飯をしっかり食べることが必要で、夜も食べないといけないのです。
 お酒を飲んだあとも、ご飯を食べるほうがいいのです。なぜかというと、アルコールを分解するためにブドウ糖がたくさん消費されてしまうからです。
 アルコールには利尿作用もあって、飲んだ量以上の水分が排泄されてしまうため、脱水にもなります。脱水を防ぐためにも、ご飯を食べたほうがいいのです。

玄米や胚芽米より、白米が良い

 玄米や胚芽米には、リーキーガットの原因になるレクチンやサポニンが含まれています。
 レクチンは、植物が鳥や虫に食べられないために作る「毒」で、外皮や胚芽の部分に多く含まれています
 サポニンとは「シャボン」の意味で、石鹸や洗剤と同じ界面活性作用(水と油を溶かす作用)があります。そのため、胃腸の粘膜の細胞膜が溶けてリーキーガットを助長します。ちなみに、サポニンはいくら加熱しても消えません。
 さらに玄米には、酸化した不飽和脂肪酸も含まれていますから、炎症も悪化します。
 こういった腸に悪い成分が入っていない白米のほうが、身体には良いのです。
 とりわけ、無洗米は良いです。炊く前にお米を研ぐのは、ご飯をまずくする成分を除去するためです。除去する成分は、単にまずくするだけでなく、腸内環境も悪くするのです。だから、研いでから炊いたほうが腸にも良いのです。
 無洗米はその成分が除去されていますので、手間も省けて腸にも良いのです。

▶ディフェンシブ・フードについては、大豆毒が病気をつくる(知道出版)、自律神経を整える食事(鳥影社)に解説しています。

▶リーキーガットについては、リーキーガット解消法(日貿出版)に解説しています。


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