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【神主の神社自慢】かみさまにお祈りする心の準備

インターネットで「神社」と検索すると、かみさまがお鎮りになるご本殿の写真が出てきます。

一方で、英語で「Shinto Shrine」や「Jinja」と検索すると、ご本殿と鳥居の写真が表示されます。

外国人にとって、鳥居は神社を示すシンボルなのかもしれません。鳥居は神社の入り口、また神社の神聖さを象徴する建造物ともいえます。

鳥居は聖界と俗界を分ける境に立てられ、鳥居の内側は神様がお鎮まりになるご神域として尊ばれます。

神話では、天岩戸に隠れた天照大御神(伊勢の神宮に祀られる太陽のかみさま)を誘い出すために、常世の長鳴鳥を止まった木が起源で「鳥が止まり居るところ」という意味から鳥居と呼ばれています。

神社に参拝し、鳥居をくぐる前に、一礼するのが一般的ですね。

この作法は、神様のお住まいになる領域に「入らせていただく」という想いを表現する作法ではないかと感じます。

この「入らせていただく」感覚が、神社を参拝する心の準備をするうえで、大切だと思います。

キリスト教の教会では物理的な建造物によって覆われているので、しっかりと聖俗の境界線があることから、聖なる領域に入らせていただくという感覚が自然と芽生えます。

一方で、神社の鳥居には物理的には何も妨げがありません。ただ通り抜けることもできます。それでも、目に見えない境界線の鳥居の前で、かみさまのお住まいになる領域に入ることに対して、一礼をする。

目に見える存在ではなく、心で感じる存在のかみさまに対して、一礼する。

かみさまに神社へ入っていくことをお伝えするために、一礼しているのです。

立ち止まって、頭を下げることで、心がまっさらな状態に近づいていくと思います。

鳥居を通り抜けた後は、一歩一歩を噛みしめるようにご本殿に向かって歩いていくことで、次第に心が静まり、かみさまの前で心が整っていきます。

スポーツをする際にいきなり試合に出る選手はいないですよね。私も学生時代はサッカーをしていましたが、準備は入念にしていました。

準備体操、ボールを蹴る感覚、周りとの連携など。この準備で、試合への心身の入り方が変わってきます。神社も同じなんだと思います。

ご本殿でかみさまにお祈りする前に、心を整える。最初に心を準備するのが鳥居での一礼なのだと思います。

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