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日本のプロダクトデザイナーの数

日本にはプロダクトデザイナーはどのくらいいるのか?

ふと、そんなことを疑問に思うことがあります。初めてプロダクトデザイナーに会いました!とか、一緒に仕事をするプロダクトデザイナーは三島さんが初めてです!という人が結構いるんです。

こう何回も言われることを考えると、プロダクトデザイナーってかなり少ないのでは?そういえば同業者ってあんまり見ないし、若い年代のプロダクトデザイナーってもう大体知り合いになってるなと思う訳です。


実際に調べてみた

経済産業省のデザイン関係統計資料などを参考に調べてみました。

日本には、デザイナーは179,570人いる!(2010年時点)

そもそもデザイナーは何人いるのか?日本にはデザイナーは179,570人いるそうです。日本の総人口が約1億2600万人なので、700人に1人がデザイナーってわけですね。(全体の約0.15%)

意外と少ないって印象ですね、2021年現在はもう少し増えてそうですね。

そして、この中でさらにフリーランスと小分けしてみます。

インハウスとフリーランスの構成:インハウスがフリーランスの約 3 倍

フリーランス少ないですね。企業に属するデザイナーをインハウスデザイナーと呼びますが、これが全体の 3/4 を占めます。そして 企業に属さない、我々フリーランスデザイナーは、全体の2割となっています。フリーランスは今後増えそうですが、兼業OKの流れであんまり比率は変わらない気がします。


さて、本題 「プロダクトデザイナーはどのくらいいるのか?」

現在、日本には約2万人のプロダクトデザイナーがいる?

ネットで調べると、2万人と出てきますが根拠がどこにも書いていない。しかし、調べても根拠らしい資料も出てこず、おそらく誰かの推測だろうと思います。プロダクトデザイナーを名乗るのに資格はいらないので、おおよその数しか把握できないですね。なので、自分も推測してみます。おおざっぱな推測なので、数が大きく間違っているかもしれませんがご容赦下さい。

そもそもプロダクトデザインを専攻する学生はどこに就職するのか?卒業後の就職先としては、まずはメーカーとデザイン事務所が考えられます。メーカーでいうと、自動車、家電、家具、文房具、日用品、玩具メーカーなどがあります。デザイン部が社内にある大手メーカーでも、プロダクトデザイナーの採用人数は非常に限られているという現状があります。


先に、自分なりの推論を書いてみます。

日本のプロダクトデザイナーの総数は15,000人、内フリーランスは3,000人


ここから推測になります。

推測① 全体のデザイナー人数からの推測

プロダクトデザイナーは、13,000人説

まずはデザイン事務所に所属しているプロダクトデザイナーの計算。2014年でデザイン事業所ではたらくデザイナーの総数は40,563人。事業所の売上高比率をみると、工業デザインは5.5%。この比率を参考にすると、デザイン事務所所属のプロダクトデザイナーは約2,200名。

次に、メーカーに所属している、いわゆるインハウス。製造業に従事するデザイナー数が21,850人(2010年)となっています。ここには繊維業・印刷業の11,000人含まれているので、これを引きます。これで10,850人。グラフィックデザイナーやwebデザイナーとして、製造業界に就職することもあるので、おおよそ半分を引きます。これでインハウスは5,000名。

合算でどこかの所属しているプロダクトデザイナーは、およそ7,200名。大手の家電メーカーには1社につき、100名程のプロダクトデザイナーがいるらしいので、実際はもうちょい多いかなと思います。

多めに見積もって、どこかの所属しているプロダクトデザイナーが10,000人とします。インハウスがフリーランスの約3倍ということで、フリーランスは3,300人となるでしょうか。

足して、プロダクトデザイナーの総数は約13,000人という説。


推測② グラフィックデザイナーとの比率での計算

プロダクトデザイナーは、15,000人説

グラフィックデザイナーはおよそ15万人いると言われています。(上記のデザイナー人口が17万人と言われているので、どっちが正しいか分かりませんが) 売上高では、その10分の1のプロダクトデザイナーは、15,000人ではないだろうかというガバガバな推測。


推測③ デザイン学生の就職率からの推測

プロダクトデザイナーは、12,000人説

年間15,000人(2016年)のデザイン学生が卒業します。プロダクトデザイン学部の学生の割合は、全体の約10%と仮定します。参考:タマビが60人(1学年1000人中)、ムサビが140名(1,800人中)、東北芸術工科大学50名(600人中)

仮に年間のプロダクトデザインの卒業生が1,500人として、プロダクトデザイナーとして就職できるのが20%とします。300人の新卒が生まれ約40年働くとしたら、300人×40年分で12,000人となります。途中で中途採用でプロダクトデザイナーになる人もいますが、辞める人もいるので今回は省きます。

上記の数と意外に近いので、これくらいのかもしれません。


フリーランスのプロダクトデザイナーの人数は?

フリーランスのプロダクトデザイナーは、3,000から4,000人?

さっきのデータから見るとこんな人数になりますね。かなり少ないですね。そりゃ同業者に会わないはずですね。フリーランスデザイナーの割合を22.3%ですが、プロダクトデザイナーの割合はまた違うちょっと違うと思いますので、あくまで予想ですが。別のサイトでは、5,000人、6,000人と言っている方もいますが、肌感でそんなに多くないと感じます。どっちしろ少ないですね。ちなみにフリーランスデザイナーの総数は40,040人(2010年時点)らしいです。

JIDAと呼ばれる公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会の正会員は約500名おりました。(さっき手作業で数えました) その6倍のフリーランスがいるのも何かちょうどいいので、そういうことにしときましょう。


自分なりの推論

日本のプロダクトデザイナーの総数は15,000人、内フリーランスは3,000人


個人的には、もっとプロダクトデザイナーが増えても面白いなと思います。ただプロダクトデザイン学生の多くがプロダクトデザイナーとして就職できていない現状があるので、そこはしっかり考えていかなければならないと思います。おおざっぱな推測なので、数が大きく間違っているかもしれないので、随時指摘して頂ければ嬉しいです。


参考情報はこちら。
Ⅳ デザイン関係統計資料(PDF形式:1883KB) - 経済産業省
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/soukai/2013/download/131210hs5B.pdf
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/index.htm
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h23/h23_1/110803Hakusyo_part2_chap1_web.pdf

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