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なぜ価格と価値に差が生まれるのか。

ものづくりを知れば知るほど、市場にある商品が安く感じてきます。手間暇かけて工夫を凝らしたものが、何故こんなに安い価格で売られているのかと心配にもなってきます。


価格と価値の違いについて

そもそも価格と価値とは何なのでしょうか?世界的に有名な投資家ウォーレンバフェット氏の言葉がわかりやすいので、引用してみます。

価格とは、自分が支払うもの。
価値とは、自分が得るもの。

つまり価格とは、商品につけられた値段のことで、商品やサービスを得るために、対価として支払うお金のことです。逆に価値とは、商品やサービスが自分に与えてくれる効果、機能、満足感のことです。

高い価格のものが高い価値を持っているわけではなく、自分にとってどのような価値が生まれるかを基準にすると、その価格が高いのか安いのかを判断しやすくなると思います。

つまりものづくりを知れば知るほど、その得られる価値についても深く理解することができ、価格が安く感じてくるわけです。


価格と価値に差が生まれる

価格と価値について、もう少し深堀りしてみます。

基本的には価格と価値には大きな差はでませんが、とても良い商品やサービスで得られる価値は高いのに、安い価格の商品もたくさんあります。逆に、高い価格なのに得られる価値は低い商品もあります。

なぜ、この差が生まれるのでしょうか?

まずものづくりでは、国によって製造コストや価格が違う点にあります。

例えば、日本でも海外でも実際に商品を作る場合、リサーチ費、デザイン費、試作代、型代、商品代、副資材代、在庫管理代、発送代などの初期コストやランニングコストがかかってきます。

ただ、一般的に海外産の商品は人件費が安いので、商品自体も安く作ることができます。ほかにも安い素材を使ったり、安価な加工方法を用いることで商品価格を下げたり、売れている商品を盗用することで開発費用を抑えることもあります。

そして今の日本人の価格基準は、海外産の商品価格が基準になっていることが多く、国産品のものが高く感じることもあるかと思います。ただ実際には国産が高いのではなく、海外産が安すぎるという感覚が正しいはずです。

得られる機能性や効果などの価値が減っても、安い方が良いという価値基準を持っている人が増えてきたことも関係していると感じます。


素晴らしい価値を持っているのに価格が安い

国産で高品質で長く使えるけど、価格が高いもの。
海外産で低品質で長くは使えないけど、価格が安いもの。

基本的にはこのような価格と価値には相関性があると思います。ただ価格は市場性とも深く関係しているので、海外産などの安い価格の商品が市場に入ってくることで、国産の高い価格の商品も値段を下げざるを得ないこともあります。それにより、良い商品なのに安い価格の商品が生まれてしまうのだと思います。

買う人にとって大事なことは、商品の価格ではなく、自分の価値基準によって判断すること。

売る人にとって大事なことは、商品の価値を高めていき、それに見合った価格付けをすること。

2022年2月から公共料金や食品など色々な物が値上がりしますが、今まで価格と価値が見合っていないものも多かったと感じます。これを機に良い物には、それだけの価値が付けられるようになって欲しいと思います。

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