書評「愛のアルゴリズム」ケン・リュウ【SF PROTO 01】
2021年の日本SF界は劉慈欣に話題をかっさらわれたが、その『三体』を英訳したのがケン・リュウだった。彼は翻訳者として中国SFを欧米に紹介するかたわら、自身も優れた作家として活躍している。テッド・チャンとともに華僑SF(?)の第一人者であることは間違いない。
弁護士の肩書をあわせ持つケン・リュウだが、大学ではコンピューター・サイエンスを学び、卒業後はMS社でソフトウェア開発に従事している。短編集『紙の動物園』に収録された「愛のアルゴリズム」は、そんなプログラマーとしての経歴