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絶望

絶望した

小さい頃から、こいつのこと
弱い人間だと思ってきた

誰より
こいつのことをおれは知ってると
思い込んでいた

だから口酸っぱく怒鳴ってきた
いつまでも甘えんなよ
お前は弱いんだから逞しくなれって

でも、こいつはいつも
顔を背いて逃げていたんだ

ムカつくよ
言うことなんて相手にされないんだから

でも気づいたんだ
こいつの前に降りかかる事件が
明らかに今までのおれの
信じてたことを否定していたんだ


弱いと思っていたのは、思い込み
本当は強かった

強くなりたいというのは、思い込み
既に強かった


こいつは本当は
強くなりたいんじゃなくて

弱くなりたくてしょうがなかったんだ


今まで信じてたことが
もろとも崩れ去って、絶句した

でもその絶望も疑わしい

もしかしたら、その思いも、、

そんなふうに思ってるこいつに
本当に嫌気がさす

まだ生きるんだろ、お前

腹がいくら痛くても死なないし
いくら落ち込んだりハイになっても、
鬱なんてなりやしないし
ガリガリでも
病気と友達になったこともない


周りの顔色や事件なんか関係なしに

お前は自分が好きなように
生きるんだろ

騙されっぱなしの人生だ

お前の願いは、もうそこにあるんだろ?

憎たらしいよ

いくら蹴飛ばしても
笑いを絶やさないお前が
本当に憎たらしいよ

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