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わたしは理学療法士

僕の職業は理学療法士です。

理学療法士は一般的にはリハビリテーション医療のなかで活躍する、よく「リハビリの先生」とか、「機能訓練士」というような認識をされている職業になります。

僕自身は「先生」と呼ばれるのに違和感がありますし(場合によっては先生的な役割をすることもありそうですが)、訓練士と言う呼び方も好きではないので、本記事では、理学療法士(作業療法士・言語聴覚士も含む、いわゆるリハビリテーション専門職種)のことを「療法士」と呼称します。

現在においては、医療機関で働いている方が多いと思いますが、その他にも介護施設や訪問看護ステーション(訪問リハビリテーションサービスに従事します)、行政機関、場合によっては一般企業などに勤めている方もいるかと思います。

最近では、自ら起業して公的保険制度を利用せず、自費でリハビリを受けられるサービスを提供している療法士も多くなってきています。

理学療法士の働き方は、近年かなり多様になっています。

理学療法士および作業療法士法の中で、「理学療法」とは以下のように定義されています。

 身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
理学療法士及び作業療法士法(昭和40年6月29日)

僕は患者さんの「基本的動作能力の回復を図る」という役割を非常に重要なことだと捉えていますし、おそらく今現在においても、理学療法士の主要な仕事になっていると思います。

しかし、療法士の働き方が多様になってきている現在、その役割もまた多様になってきていると考えることができます。

そして、昭和40年に制定された法律の条文では、全て表現しきれない状況になってきているように思います。50年以上も前の法律なので、状況が変化した現在を表現しきれないというのは、十分起こりうることだと思います。(その時代では適した定義なんでしょう)

ですから「私の職業は理学療法士です。理学療法士はこんな仕事です。」という話を正確にするというのは非常に困難な話なのです。

じゃあなんでこんな記事書いてるんだ。と思われるかもしれません。自分でもそう思います。「理学療法士」ってなんなんだ?「理学療法」ってなんなんだ?

これらの問いに、明確な答えを見出すことは僕の今後の課題の一つです。一筋縄ではいかないだろうことはわかっていますが、じっくりと学習し考えていきたいと思っています。

ということで、本記事では、僕の職業である「理学療法士」をどのように紹介しようか難しい問題ではあるんですが、一応今現在における僕の認識をお話ししたいと思います。

理学療法士は、そもそも海外から輸入される前から「リハビリテーション医療」以外の領域でも活躍していた職業であって、健康増進やスポーツ領域、職業訓練など、広範な領域で働いていたみたいです。今でもこのような領域で働いている方もいるかと思いますが、たぶん一般的な選択肢ではないと思います。

日本では理学療法士(または作業療法士、言語聴覚士)=リハビリの人という印象が強いと思いますが、実際はそれだけではないということです。

しかし、そうするとますます定義づけが難しくなるので、とりあえずリハビリテーション医療の中での役割について考えます。

リハビリテーション医療(介護保険下でのリハビリテーションも含む)の中での理学療法士の役割を一言で表現するならば、

「理学療法でリハビリテーションを支援する」と言えるかなと思います。

リハビリというと、我々のような専門職が行うものと思っている方もいるかもしれませんが、あくまでリハビリの主体は患者さん(または利用者さんや地域の方々)です。リハビリを行う主体である患者さんを、理学療法という「手段」を用いて「支援する」のが我々理学療法士だということになります。

我々は支援者なんです。患者さんのリハビリテーションがうまくいくように支援することが僕たちの役割で、理学療法士は理学療法を用いているというだけの話なんだと思っています。そうすると、リハビリテーション医療に関わるすべての職種は、僕たちと同様に支援者であって、手段が違うだけで一緒のことをしているということが言えると思います。

話が全然違うんですが、このような認識はチーム医療(チームアプローチ)において非常に重要だと思っています。

もう一度言うと、僕たちは「理学療法でリハビリテーションを支援する」者といえます。

しかし、先ほども触れたように理学療法士が活躍する場は多様になっています。それ全てをリハビリテーション支援で片付けることが困難です。

ただ、ちょっと抽象的すぎて不適切かもしれませんが、支援者ということであればうまくまとめることができます。

健康増進であれば、「健康な生活の支援」
スポーツであれば「パフォーマンスアップの支援」
職業訓練であれば「就労支援・職業技能獲得の支援」

などという言い方ができると思います。

本当はもっと適切な定義づけができるように考えていきたいんですが、まだ自分には困難な課題です。現状は、上で示したように、僕たちは理学療法を用いた支援者であって、理学療法士に関わる方々の幸せで豊かな生活を支援することを生業としているというふうに認識しています。

今後もより良い支援者で在るように精進していきます。

私の職業は「理学療法士」です。


※本記事は、基本的に私の個人的見解を多く含んだ内容になります。その点ご了承いただいた上で読んでいただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
はましょー

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