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【タイミー創業秘話】タイミー創業以前に起きた「起業家最大の挫折」とは

おひさしぶりです、タイミーの小川です。
なかなかnoteの更新ができていなくて申し訳ないです!

最近のタイミーは、おかげさまでユーザー数450万人を突破(2023年4月時点)。会社としても、従業員数が昨年対比2倍の700名を突破(2023年5月時点)するなど、順調な成長をしています!日々いろいろな施策が動き、忙しい毎日を送ることができているのは、サービスを信じてくれている事業者様・ユーザー様、関係者の方々のおかげであり、信じてくれている仲間たちのおかげです。本当にありがとうございます。

さて、タイミーは、2023年8月にサービス5周年を迎えます。そこで感謝の意を込めて、改めて僕自身の言葉で「タイミーと自分自身のこれまで」を振り返り、「これから」を表明してみようと思いました。

あまりにも長くなりそうなので、連載企画にしようと思います。のんびり更新になるかもしれませんが(笑)、お付き合いいただけると嬉しいです。

記念すべき第一回は、タイミーを立ち上げる前に経験した最大の挫折についてお話しします。

起業家人生を進むことにした「祖父の死」

タイミーは今でこそ、ユーザー数450万人を超える事業に育っていますが、実は僕はタイミーを立ち上げる以前に一つ事業を諦めるという選択をしています。

そもそも、「起業しよう!」と決意するきっかけになったのは、目標としていた起業家の祖父の死です。尊敬する人物が亡くなったことで、「あんなにすごい人でも本当に人って死ぬんだな」(親戚の死が初めてで動揺してましたが今考えると当たり前ですよね笑)と、人生の短さを実感しました。
"人生一度きり、いつかやりたいなら今からやらなければ" と思い知らされた僕はいてもたってもいられず、起業という道を選ぶことにしました。

それからは、周囲に「生き急いでいるよね」と言われるくらいガムシャラに走ってきました。インターンシップなどをやりながら、起業に向けての準備をしてと遊ぶ時間も勿体無い!と思うくらい極端になっていました笑

※この辺りについては以下で話しているので、よければ是非〜!

下記からの文章は、いつの日か、書籍を出版する時のために、本っぽく?書いているので突然トーン変わったなと思ったらすみません(笑)。

「このお金は受け取るべきじゃない」

世界初だと思うプロダクトのアイデアを練り、投資家にプレゼンをして、やっとの思いで500万円の出資が決まった。華やかな学生起業家の誕生の瞬間が迫っていた——。しかし、僕は「このお金は受け取るべきじゃない」と思い諦めました。そして、そんな自分自身を「起業家失格だ」と思った——。


……って、かっこよく書いてみましたが(笑)、これが、タイミー創業前に立ち上げようとしていた「Recolle(レコレ)」というアパレル事業の経緯です。試着をするだけでファッションが割引になるという、主に女性をターゲットにしたアパレルサービスでした。

そもそもRecolleというアイデアにたどり着くまでには紆余曲折があります。最初に思いついたビジネスアイデアはベストなコーディネートをアパレル店が提案してくれるオンライン接客ツールでした。

僕が通っている立教大学はオシャレな学生が多いんですよね。でも、高校時代までの自分はサッカーに打ち込んでばかり。恥ずかしながら、オシャレとは縁遠い存在だったんです(笑)。

とはいえ、雑誌を見ても今ひとつピンとこないし、どのお店に行けばいいのか、何が自分に似合うのかもさっぱり分からない。「何を着ればオシャレに見えるのか、ファッションのことが分からない」という人たちに対して、「こんなコーディネートが良いよ」と提案してくれるサービスがあればいいじゃん!って閃いたんです。正直ぶっちゃけると、このツールでモテたかったという下心もありました。

「どうしてそんな市場を狙うの?」

当時リクルートやサイバーエージェントの学生起業家育成インターシップに参加しながら、このアイデアを少しずつ温めていました。そして大学1年生の時に、慶應義塾大学の「KBC(Keio Business Community)」の学生ビジネスコンテストで優勝。サービスの名前はファッションとスタディ(勉強)をかけ合わせた「FASTU」でした。

優勝後、「FASTU」の事業化にむけて、本格的にVCに出資を募る日々が始まります。学生だからといってのんびりしていたらチャンスを逃してしまう、素早く資金を集めて、成長スピードを高めようと考えていたのです。そして同時に「ビジネスコンテストで1位に輝いたアイデアなのだから、ビジネスの目利きをする人もお金を出したくなるに違いない」という自信もありました。

しかし、蓋を開けてみたら目論見は大きく外れます。投資家たちにプレゼンするたびに厳しい意見が投げかけられました。

「そもそも、ファッションに興味がない人はファストファッションで満足するだろうし、お金を払ってまで本当にそのサービス使うの?」「どうしてそんな小さい市場を狙う?どうやってグロースさせるの?」

——僕も含めたメンバー全員、「なるほど……」と唸ることしかできませんでした。視野が狭かった自分が情けなかったのを覚えています。

でも、ウジウジ悩んでいる時間はありません。

投資家のコメントを元に、さらにビジネスプランを強化すべく、アパレル店へのヒアリングを重ねていきます。そんな中で、「アパレルの店舗を訪れる人のうち、実際に服を買って帰るのは3〜5%ほど。しかし、店頭で試着をした人の購買率は40%に跳ね上がる」という事実を耳にします(※当時の話です)。この数字は僕たちにとって1つの「大発見」でした。

『試着したくなる環境』をつくれれば、店舗の売上も上がるのでは……?

そこで考えたのが「店舗で試着をするだけで、商品が割引になる」というRecolle(レコレ)というサービス。メインターゲットも、ファッションが好きなオシャレな女性に切り替えました。女性の方が購買単価が圧倒的に高いのだから、ビジネス的にはそれが「正解」だと思ったのです。

気になる服を試着して、それをRecolleアプリで撮影すれば、その服の割引ガチャが引ける。試着した段階で購買の確率はかなり高まっているので、さらに割引クーポンであと押しすれば……!という試算を立てていました。

走り続ける自信がなかった

ビジネスプランを変更して、やっと会社を立ち上げることができた。500万円の出資をしてくれる人も見つけることができた。「いよいよ、自分の会社が動き出す!」そんな未来が現実味を増してきたと同時に、僕には強烈な違和感が膨れ上がっていました。

このサービスは、本当に自分がやるべきものなのか——?

Recolleの前身であるFASTUを着想したときには、そのビジネスをやる理由が自分にはありました。「ファッションセンスがない自分をなんとかしたい」「おしゃれになってモテたい」という熱意、つまり自分がこのビジネスをやる必然性が明確にありました。

他方で、Recolleはどうか? 服に興味があるわけでもなければ、たいしてオシャレでもない男子大学生が、なぜ「ファッション感度が高い女性たちに向けたアパレルサービス」を手掛けるのだろうか——?

・・・

スタートアップには、PMF(プロダクトマーケットフィット)という考え方があります。これは実際に作ったサービス・製品が市場のニーズをきちんと汲み取って課題と解決しているかを表す言葉で、いくらアイデアがよくてもニーズにフィットしていなければ受け入れられないという考え方です。

僕は、これと同様の考え方で、どんな経営者がどんな事業をやるべきかという「経営者マーケットフィット」があると思っています。

つまり、オシャレでもなんでもないただの男子大学生が、ファッション感度の高い女性に向けたアパレルサービス「Recolle」をやる必然性がどうしても見えなかった。日本有数のアパレルブランドが出展する展示会に赴いたときも、周囲のアパレル新素材などに対する議論などの熱量に置いてきぼりでした。

僕は資金を集めたいという一心で、投資家たちからのアドバイスを必死に受け入れていった結果、残ったのは、市場ばかりを追い求めて魂のこもっていない事業でした。

——起業することが目的になっていないか?

そのギャップに苦しみ、悩んで、結果として、Recolleをピボットする決意をしました。

起業を志す業種や業態は、本当に自分自身が「心の底からやりたい!」「この負を解決したい!」と思えて情熱を燃やせる領域でないと、魂のこもっていない事業に成り下がってしまう。それに気がつくことができた経験でした。

作り上げてきたものをすべて手放す決断をしましたが、当時、一緒についてきてくれたメンバーたちには、急な方向転換をしてしまい本当に申し訳なく思っています。けれども、この「人生最大の挫折」があったからこそ、タイミーという事業を作り出すきっかけになったのです。

長くなったのでこの話はここまで(疲れた……)。次はタイミーのプロダクト制作とPMFについてをお話ししたいと考えています。

せっかくなので最後にお知らせ

タイミーは約1年間で社員数が倍の700名になりました。急成長環境の中、離職率も非常に低く、優秀なメンバーがどんどん集まってきています!

更なる拡大を見据えて、随時メンバーを募集していますので、ぜひ以下からエントリーしてください!!

新卒採用も開始しました〜!ぜひ一緒に市場を作っていきましょう。

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