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個性を縫う

運営母体を含む私たちの大事にしていること、伝えたいことの一つに「多様性を認め合う」というのがあります。

手織りものというのは、1つ1つ全く色が違います。
大きさも、厚みも違いますし不揃いです。
手触りも違います。
1枚の織物の中ですら違います。

さをり織りというのは、織り手が自由に糸を選びます。細い糸で織られた薄い部分のすぐ横が、太い糸で織られて分厚くなっていたりします。
そういう生地なので、縫うのが難しい素材です。
きっちり縫おうとしても生地自体が歪みます。
切ったら簡単に糸が抜けますし、すぐほつれますし、引っ掛けたら穴は開くし。
いうことをきかない布だなと思います。

それでもこの手織りが好きなのは、「人と同じだな」と思うからです。

そんな織物をひとつ手に取って、さあ何を作ろうとなったとき、その織物が1番素敵に見えて、1番適したものを作ろうと心がけています。

そんな風に、ひとりひとりの個性を認めて、それぞれが活きる世界になればいいなと願いながら。


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