宇都宮大輝

2001年生まれ/日藝映画学科監督コース在学/大阪出身/映画の勉強のためにブログを書き…

宇都宮大輝

2001年生まれ/日藝映画学科監督コース在学/大阪出身/映画の勉強のためにブログを書きます!

最近の記事

マルクス主義

 授業内容の補足。  マルクスは「価値=労働」と仮定し、資本家は自分の会社の価値を高めるために労働者の労働量・時間を増やすことになると考えた。つまり、いくら技術発達と共に作業が効率化されようとも、時が経つにつれ社会の労働環境はより劣悪になり、貧富の格差は拡大してゆくものとなる。よってマルクスは(暴)力による革命によって貧富の格差のない(資本家を引きずり下ろす)「共産主義社会」を生み出すことが望ましいと考えた。多分こんなところじゃない?

    • love MINT特集!(下北沢Pop-up store)

      はじめに 今回は番外編で映画は関係ありません。なぜ僕が柄でもない可愛らしいカフェに関する記事を書いているのかというと、私の親友のお母様とカフェの店長が親しい仲であったために私がバイト第一号として雇っていただいた過去があるのです。  今回は僕が大阪時代にお世話になったlove MINTがなんと東京下北沢にてポップアップストアを出店することになり、期間中は僕もそこで働かせていただけることになりました🎉皆さんのご来店をお待ちすると共に、twitterにて本記事の拡散のご協力を是非

      • ライトハウス(2018)

        前書き ひょんなことから仲良くしていただいている文芸学科三年の「ないつば先輩」と渋谷パルコwhite cine quintoにて本作を鑑賞して参りました。先輩は息を呑むほど耽美な純文学をお書きになっていて、以前より公開された作品を見るたび畏敬の念を抱いておりました。また先輩は小説だけでなく映画への造詣も深く、サイレント映画をはじめとする様々なテーマで熱く語り合った時間も非常に楽しかったです!  フレンドリーなだけでなく、なんと同じ大阪出身で、最寄駅も一駅隣(今までに会っ

        • 13:しんでぃ先輩の写真スタジオ

          はじめに 今回は鑑賞した映画の分析ではなく、弊学写真学科のしんでぃ先輩のスタジオに伺った際に学んだことを復習がてらまとめることにした。先輩のスタジオでの体験は非常に刺激的なものであり、極めて学習の価値であったため、先輩には感謝しても仕切れない。まずはしんでぃ先輩、お忙しい中本当にありがとうございました!  キューブリックに憧れて購入した一眼レフも、このままでは単なる宝の持ち腐れになる所だった。勉強しろ!俺の馬鹿野郎!本記事にも間違いがあれば有識者の方々、是非とも訂正のほ

        マルクス主義

          12:民衆の敵(1931)

          はじめに 本記事は第三回映画鑑賞批評の課題レポートを編集したものである。そして今回扱うのはキューブリックやコッポラ、スコセッシ、ノーラン監督らも作品のテーマとした「フィルム・ノワール」の古典的作品である。 反マフィア礼賛 本作はジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督の『暗黒街(1927)』をはじめとする、いわゆるギャング映画の初期作品である。そしてマーティン・スコセッシや北野武監督の作品がそうであるように、本作はマフィアを礼賛するものではないということをオープニング直後に字

          12:民衆の敵(1931)

          11:生れてはみたけれど(1932)

          はじめに この記事は第二回映画鑑賞批評の授業課題の編集版である。また私は小津安二郎監督作品への知見が未だに狭いため、本記事は非常に簡潔なものとなっている。 シナリオ 主人公兄弟の父親は、会社重役の近くに引っ越して出世のチャンスをうかがっている。引っ越しで転校した兄弟は早速地元の悪ガキグループと喧嘩した揚句、鬱陶しくなって小学校をずる休みする。しかし、そのうち悪ガキ仲間と友達になり一緒に遊ぶようになる。その中には父の会社における重役の子供もいる。ある日みんなで「うちの父ち

          11:生れてはみたけれど(1932)

          10;ラブ&ポップ(1998)

          はじめに 今回する『ラブ&ポップ』はなんと記念すべき、弊ブログ初の読者リクエストによる執筆である。正直私のブログなど誰も読んではくれまいと腹を括ってあくまで勉強用に執筆していたのだが、こんなに嬉しいことはない。今後も人様のお目汚しとならぬよう品質維持に努めさせていただく所存だ。 シナリオ デパートにて売っていた12万円のトパーズの指輪をどうしても手に入れたくなる主人公だが、女子高生の彼女に出来ることは「援助交際」しかない。友人たちとの日常の中で、彼女の中の安全装置は徐々

          10;ラブ&ポップ(1998)

          09:監督のカオスと『8 2/1(1963)』

          はじめに 大学進学を機に上京して早くも一ヶ月が経った。友人に恵まれ、緊急事態宣言下にもかかわらずバイトも即採用、一番の心配事であった家事も難なくこなせるようになった。周囲のおかげで何とか恵まれた学生生活を謳歌できており、全くもって感謝しても仕切れないというものだ。  先月は主に映画のはじめであるサイレント映画を中心に学習を進め、大学図書館で借りた「映画保存の専門家」として米国アカデミー名誉賞を受賞したケヴィン・ブラウンロウの名著「サイレントの黄金時代」から得た知見は、本

          09:監督のカオスと『8 2/1(1963)』

          08:サンライズ(1927)

          はじめに 本作は演習基礎IIの授業課題を編集したものである。フリッツ・ラングや本作の監督であるF・W・ムルナウも有名どころではあるのだが、なぜか以前私が読んだ「サイレントの黄金期」には載っていなかったために、今後も引き続きサイレント史における知見を広げることが必要であると認識させられることとなった。 (画像のショットのような美麗なシーンが全編に渡って続いてゆく) シナリオ 倦怠期の夫婦が主人公であり、街から来た女とその夫は不倫している。ある日、不倫相手の女は夫に船旅を

          08:サンライズ(1927)

          07:雄呂血(1925)

          はじめに この記事は映画鑑賞批評における課題レポートを編集したものである。つまり、以後しばらくは週一回以上の更新が確約されたことになるため、かわらず私の成長を優しく見守っていただけるとありがたい。一石二鳥の良い授業だ♪ シナリオ 米国映画における古典的名作がD・W・グリフィスの『国民の創生(1915)』である様に、邦画の古典的名作といえば今回紹介する『雄呂血』なのだという。また総指揮に「日本映画の父」牧野省三を据えていることからも、やはり「映画の父」であるグリフィスとの

          07:雄呂血(1925)

          06;『ブータン山の教室(2021)』に癒される

          本作との出会い  実は僕はこの作品のことを、神保町にある岩波ホールでチケットを買う直前まで全く知らなかった。そんな僕が本作の最終上映を見ることになったのは、図書館で偶然出会った映画学科の友人たちに急遽誘っていただいたからである。僕は滅多に一人で映画館に行くことがないため、今月中に誘ってくれた友人たちに言えることはただ一つ、「僕を映画と巡り合わせてくれてありがとう」。 ストーリー この映画はフィクションであり、主人公はブータンの首都ティンプーに住む新人教師である。彼は4年

          06;『ブータン山の教室(2021)』に癒される

          05:イントレランス(1916)

          はじめに 今回も前回と同様に映画演出基礎の授業で取り扱われる、サイレント映画の巨匠D・W・グリフィス監督の『イントレランス(1916)』を紹介しようと思う。  本作の一つ前にグリフィスが製作した『国民の創生(1915)』は米国最初の長編であり、興行面・技術面のいずれにおいても映画界に革命を起こした歴史的名作である。一方本作はグリフィスの偉大な代表作の一つでありながら、そのあまりにも複雑かつ壮大な内容が予算を膨らませた結果、興行的は失敗に終わったという。  しかし、同一

          05:イントレランス(1916)

          04:カビリア (1914)

          はじめに 今日紹介するのは映画演出基礎の授業課題で見ることになった、サイレント映画の中でも初期に位置するイタリアン大作映画『カビリア (1914)』である。監督はジョヴァンニ・パストロン。基本的にサイレント映画は今読んでいる本を片付けてきちんと知識をつけてから取り上げたかったのだが、できるだけ毎日ブログを更新したいので昨日見たこの作品を語ることとする。 ストーリー 物語を簡単に説明すると、火山噴火の混乱の中で誘拐され、カルタゴという地で宗教的な生贄として捧げられそうにな

          04:カビリア (1914)

          03:博士の異常な愛情への異常な愛情(1964)

           今日はシナリオ論の授業課題「私にとっての面白い物語」を書いたついでに、私の最も好きな映画の一つである本作について語ってゆこうと思う。以下はその課題を一つの見出しにまとめ、他の章でシナリオ以外の話も書き加えた。 シナリオ(提出した課題) 私が「物語の面白い映画」を一つ選ぶとするなら、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964)』が挙げられる。本作は撮影やエンディングなど全編にわたって過激

          03:博士の異常な愛情への異常な愛情(1964)

          02:愚行権を行使し鑑賞、愚行録(2017)

           大学生以前とそれまでの大きな違いは、J.S.ミルが自らの政治学書『自由論』において提唱した「愚行権」があるか否かである。  とある初回授業のガイダンス中、先生は上記の話をしてくださった直後に咄嗟に思いついたであろうこの『愚行録』という映画を勧められた。邦画アレルギーの私はこの映画を知らなかったのだが、非常に映画に詳しい先生の推薦を受けたのならもちろん見ないという選択肢はなかった。ちなみに制作はオフィス北野である。 感想 ストーリーは妻夫木演じるジャーナリストの主人公

          02:愚行権を行使し鑑賞、愚行録(2017)

          国立映画アーカイブ(R18ピンク映画談義も)

          初めに noteというアプリを知り、アカウント自体は去年作っていたものの、全く活用することはなかった。しかし、今回ピンク映画の感想を知人の見るTwitterで語るのは不健全であると考え、また今後の映画学習の推進のためにも本格的に映画の感想をブログ形式で語ることにした。本活動は文章を書く勉強、映画への理解を深める為のものであるから初めは至らない点が目立つだろうとは思うが、暖かく見守って頂けるとありがたい。                      (画像1:国立映画アーカイブ

          国立映画アーカイブ(R18ピンク映画談義も)