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米国型のガバナンスは正しいか

米国型のコーポレート・ガバナンスの問題点

米国型の課題は株主がプリンシパル(依頼人)、経営者がエージェント(代理人)となってしまうため、経営者にとって利益を上げるメリットがなくエージェンシー問題(利己的利益追求のための不正)が発生する。

エージェンシー理論からの解決策

双方の利害が一致しないので、株主は経営者に自社株を持たせるなどにより解決が期待できる。

ダイナミックケイパビリティとは

オーディナリーケイパビリティ(通常能力)が生み出す定常状態と環境が乖離していないかどうかを常に批判的に考察し、環境と現状とを適合させる、より高次の能力のことをダイナミックケイパビリティという。

オーディナリーケイパビリティとは

既存のビジネスモデルについてコストを削減して効率性を高める「技能適合力」のことをオーディナリーケイパビリティという。

ダイナミックケイパビリティ論からエージェンシー問題を見る

オーディナリーケイパビリティを強化することは、守りのコーポレート・ガバナンスとなる。例えば社外取締役比率を増やすなどがこれにあたる。米国では歴史的にも守りのコーポレート・ガバナンスの傾向が強い。株主のため短期的利益を求めてレイオフするなどが行われることがある。

攻めのコーポレート・ガバナンスとは

ダイナミックケイパビリティ発揮による企業価値の増加を促進する。環境の変化を察知して企業買収などにより組織変革をする。

(参考)関連統計情報: 2020/04-11 の完全失業率最大最小

米国完全失業率:2020/04 14.7%, 2020/11: 6.7%
日本完全失業率:2020/10 3.1%, 2020/4: 2.6%

エージェンシー理論に基づくコーポレート・ガバナンス

カバナンスの主体が株主である場合、企業価値減少の抑止のためには利害の一致と情報の対称化を行う(守りのガバナンス)。

ダイナミックケイパビリティ論に基づくコーポレート・ガバナンス

カバナンスの主体が利害関係者の場合は、企業価値減少の抑止のためにはオーディナリーケイパビリティの強化(守りのガバナンス)を行い、企業価値増加の促進のためにはダイナミックケイパビリティの発揮(攻めのガバナンス)を行うのがよい。

これまでのオーディナリーケイパビリティの強化も軽視せず、環境変化に対してはダイナミックケイパビリティの発揮による攻めのガバナンスを行う。