見出し画像

世の中には「勝ち組の会社にいるのが好きな人」と「自分の手で会社を勝ち組にしたい人」がいる

経営者として人材の採用・育成に携わり、世の中のビジネスパーソンは大きく、二つの種類に分類できることに気がつきました。「勝ち組の会社にいるのが好きな人」と「自分の手で会社を勝ち組にしたい人」の二種類です。

どちらかが優っていて、どちらかが劣っているという話をしたいわけではありません。ただ、本当の意味で勝ち組になっていくのは後者——つまり、「自分の手で会社を勝ち組にしたい人」だと思います。

なぜなら、「負け組を勝ち組に押し上げる」という稀有な経験と、「全ての会社には栄枯盛衰がある」という真実を自分の目で見ることができるからです。

勝ち組を目指す人間は、皮肉にも9割がその方法を勘違いする

世間一般的にいわれる「勝ち組」をいったん「名だたる大企業で活躍している人」や「会社を立ち上げてIPO・バイアウトした人」と定義しましょう。彼らへの注目や憧れは口コミで広まり、ときにニュースで話題になり、SNSで可視化されます。

誰しも一度は、そうした人材になりたいと思った経験があると思います。もちろん、僕もその一人です。失敗したいと思って会社を立ち上げたわけではないですし、VAZを令和最大のコンテンツカンパニーへと躍進させたいと本気で思っています。

では、そのために、一体何をすればいいのか。

僕の結論は「負け組を、自分の力で勝ち組にする」です。要するに、まだ日の目を見ていない企業や事業を成長させる(つまりゼロからイチを立ち上げたり、イチをヒャクに伸ばしたり、マイナスをプラスにする)経験と、それによるリターンを得ることが、勝ち組になるための最短距離。よほどの天才ではない限り、唯一無二の方法だと思います。

しかし、多くの人はそう考えていないようです。「勝ち組になりたい」という思いが強すぎるからか、「勝ち組になる」ことではなく、「勝ち組でいようとする」ことに必死になっているように感じます。

たとえば、名前が知れている大企業に入社することや、急成長中のスタートアップで働くことが目的化している人が少なくない。それ自体が悪いことだとは全く思いませんが、あくまでもそれは「勝ち組でいようとする」思考です。僕は彼らを「勝ち組の会社にいるのが好きな人」と表現しています。

「勝ち組の会社にいるのが好きな人」と「負け組を勝ち組してやろう」と意気込むハングリー精神を持った人と比較すれば、前者は当然、とてつもないリターンを得たり、どこからでも声がかかる戦闘力を手に入れられたりする可能性が低いです。

なぜなら僕の経験上、「勝ち組の会社にいるのが好きな人」たちは、会社が傾いた瞬間に、その場を去るからです。

本来「会社が傾いた瞬間」は、リターンを得る大きなチャンスです。

彼らは、会社が傾くということは、リターンを得る大きなチャンスなのにも関わらず、一瞬でも勝ち組であることを失う恐怖に怯えるあまり、その事実に気づけません。

会社が傾いた瞬間は、多くの人材が会社を去る瞬間です。つまり、マイナスをプラスにできるまたとないチャンス。経営者からの信用を勝ち得たり、最前線で働く機会を得られたり、実力以上に背伸びできるまたとない機会です。

エクセレントカンパニー・リクルートの栄枯盛衰

誰もが認めるエクセレントカンパニー・リクルートを例に考えてみましょう。

リクルートといえば、就活生の大半が憧れる、超がつく人気企業。しかし20年前は「創業者が犯罪者」というレッテルを貼られ、営業に行けば、散々な物言いをされて突き返されてしまう状態だったそうです

しかし現在、時価総額は国内でもトップクラス。変な話ですが、当時から在籍していた社員の中から億万長者が生まれているでしょうし、歯を食いしばってどん底から息を吹き返すまでの道のりを経験した社員たちは、どの企業でも通用する経験値を手に入れたはずです。

つまり、会社の成功も、人の成功も「可変」なんです。世の中は諸行無常であり、栄枯盛衰。どん底に落ち込むことがあれば、その分大成功を収める可能性もある。

そのダイナミズムを理解し、苦しい環境を耐え抜くことのメリットを十分に理解することが、成功・勝ち組への第一歩なんです。

ブランド人・田端信太郎の「語られない過去」

「ブランド人」として想起される田端信太郎さんは、その最たる例です。

「サラリーマン」でありながらオンラインサロンを主宰し、自著を複数冊出版されるなど華々しい経歴ばかりに注目が集まりますが、メディアであまり語られることのない過去があります。

以前田端さんは、堀江貴文さん率いるライブドアの社員でした。『R25』の立ち上げ人として、大きな期待を背負って入社されたことでしょう。

しかし彼が在籍していた当時、世間を騒がせた「ライブドア事件」が勃発します。世間はライブドア社員を「犯罪者集団」として扱い、社員は次々に会社を去っていったそうです。

当然田端さんには、他社から誘いが寄せられています。しかし田端さんは、あえてライブドアに残ったそうです。

「僕はあまのじゃくなところがあるんです。それに、もし堀江さんがいなくてもライブドアを立て直すことができれば、それは残った人たちの成果になりますよね。もう今さら失うものはないし、むしろ面白いんじゃないかという気もしたんです」(引用:R25からLINEまで。日本最強のメディア野郎

僕は、田端さんが「ブランド人」として注目を集めるに至った背景に、大きなリスクを取った過去があることが関係していると思います。負け組になることを恐れず、負け組を勝ち組にする気概があったからこそ、今がある。

後にライブドアの執行役員としてメディア事業全般を統括し、メディア部門に課せられた「通期黒字化」という使命も達成されています。「BLOGOS」を立ち上げたのも、田端さん。

どんな企業だって、リスクに対峙する強い精神を持った、そして負け組を勝ち組にした実績を持つビジネスパーソンを採用したいはずです。

伝説的な結果を残してきたビジネスパーソンの多くは、「リスクは高いがやってみる価値がある」プランに、腹をくくって挑戦してきた勇猛な人たち。

失敗すれば出世街道が絶たれるリスクを背にして、大成功を収めた結果、二度と埋められない差分をつくることができているのです。

失敗するリスクよりも、モブキャラになる未来を怖れよ

冒頭でもお話しした通り、世の中のビジネスパーソンは大きく「勝ち組の会社にいるのが好きな人」と「自分の手で会社を勝ち組にしたい人」の二種類に分けられます。そのどちらかが優れていて、どちらかが劣っているということはありません。

ただ、「勝ち組になりたいのにも関わらず、その方法を勘違いする人が多い」ことには、問題を感じます。「勝ち組なる」ことと「勝ち組でいようとする」ことを混同してしまっては、いつまでたっても勝ち組になることはできず、幸せを手にすることができないからです。

能力を持っているのにも関わらず、無意識に「勝ち組でいようとする」ことを選択してしまうのは、あまりにもったいない。

他者の眼差しを気にして、“ぶら下がり思考”になっているようでは、勝ち組には一生なれません。「キャリアのかけ算で、市場価値を上げよう」と言われて、即座に転職しているようでは、シンプルに情報弱者です。実力が伴わないまま、意味のない経歴を積み重ねていても、転職サイトで検索されるビジネスパーソンにしかなれません。

人には無数の選択肢があり、どんな選択をして生きていくのかは、各々の自由です。正解も不正解もなく、幸せに生きるために選択をし、選択した人生を謳歌すればいい。

ただ、モブキャラ(物語においてストーリー上重要な役割のないキャラクター)になりたくないのなら、リスクを取りましょう。リスクを取って、負け組を勝ち組に押し上げましょう。その経験を持ってして、さらなる高みを目指しましょう。

誰だって、果実が実っていたら、飛びつきます。果実が実る前の焼け野原にしか、想像を超えるチャンスは存在しません。勝ち組になりたい人にとっては、リスクを取らないことこそが、最大のリスクです。



編集協力:モメンタム・ホース

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

VAZの森です!ありがとうございます!
290
エンターテイメントとインフルエンサーマーケティングの未来を創る株式会社VAZ代表取締役社長。アジアを代表する30歳以下のリーダー「Forbes Asia Under30」Media, Marketing & Advertising 部門選出。

この記事が入っているマガジン

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。