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グレーの薦め

僕はファッションのコーディネートを選ぶのが得意なことの一つで、特にファッションに興味のない男性や服を選ぶことに苦痛を感じている友人からどうするといいか相談を受けることがある。

世で言われるダサいは、「サイズが合っていない」と「全体の色(柄、文字、プリント含む)の調和が取れていない」ことを改善するだけで、かなり印象は良くなるように思う。

なので、全体を無地のワントーンか、モノトーンで選んでみたらどうですか?
とアドバイスする。


これで大半は良くなるが、何もワントーンやモノトーンが簡単だというわけではない。
なぜなら慣れてきて一週回るとワントーンもモノトーンも成約があるが故に、どういうバランスで見せるか、色の面積や濃度や、素材の質感などで遊ぶようになり、コアな方にこだわりが移るようになる。


そうすると一色や二色という制限の限界で遊べる、それを楽しめるどこかストイックな人以外はマンネリ感に苛まれてしまう。


そんなときに足す色の候補として出るのが、ネイビー、ブラウン、グレーの万能色の存在で、僕は特にチャコールグレーという一見黒のようにも見える(が、大事)濃いグレーの存在が、黒も白とも繋ぎ目がよりなめらかで、黒だと繋げられない色もスムーズにチャコールグレーは繋いで、色を拾って、全体をまとめてしまう万能なところが、どっち付かずなところが好きで、ついついチャコールグレーのものを探してしまう。

たった一色の新しい選択肢が増えるだけで、ことモノトーンで鍛えた中に三色目を放り込んだときの世界の拡がり方は無限大に感じるのではないかとすら思う。


思えば人は、◯◯であるべきだ、◯◯しなければならないと、世界を一色で考えたり、辞めるか続けるか、進むか戻るか、行くか行かないか、など二択で白黒ハッキリ付けたいと考えたりしてしまいがちだ。


そんなとき僕はチャコールグレーの存在を思い出す。
今悩んでいる色(選択)の近くに、あるいは遠くに、真反対に、第三の色が、違う新しい選択肢があるのではないかと。
まだ知らぬいろんなものを繋ぎ合わせるようなチャコールグレー的な選択肢があるんじゃなかろうか?と。


そのような存在がどこかに在ると、考え続けることが昨日より今日がちょっとよくなる一番身近なやり方なのではないだろうか?


今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
「好き」と「似合う」が重なるところがわかっている人は、ファッションに限らずいろいろ試した人な気がします。

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